奪還
夢小説設定
本棚全体の夢小説設定「悪魔執事と黒い猫」の二次創作の本棚です。
まだまだ少ないですが少しずつ増やしていきます。
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俺の顔を見て驚く二人に、ハウレスを助ける方法について相談していたのだとベリアンが話をした。
目が赤いことに気付かれただろうか。
二人も丁度そのことについて相談しに来たようだ。
何か打つ手がないか今一度考え直す為、今の状況について皆で確認することにした。
まずハウレスが疑われた理由は知能天使が「裏切り」を示唆したこと。
ハウレスはとても驚いていたし、俺達もハウレスが裏切る筈がないと分かっている。
しかしそれは時を共にしてきた俺達だから分かることで、あまり面識のない人間、偵察隊の隊長は完全に天使の言葉に騙されてしまっていた。
知能天使と言えばケルビムが綿密な計画を立てて確実に実行に移すのに対し、セラフィムは割とその場の状況で気ままに行動しているように見える。
「捕虜にする」と言いながら、その場で人々を消してしまったり…。
同じ知能天使でもかなり個性があることが分かった。
「そういえばあの知能天使…。
何か気になることを言ってたな。
テディたちを見て…。
『彼らにはやってもらわなければならないことがある』とかなんとか。」
「それってやっぱり…。
『あそこで何が起きたのかを、証言させる』…。
ということなのかな。
となると…。
天使の狙いは…。」
「悪魔執事を疑わせること?」
「ええ…。
主様の言う通りかと思います。」
悪魔執事の戦力を削ぐことが狙いなら、自分で直接戦うより人間達と仲間割れさせた方が効果的だとベリアンが言う。
「だが、知能天使もずいぶん慎重だな。
こんなこと言いたくはないが…。
あいつらの力は、かなりのもんだ。
姑息な手を使わずに、正面から来ればいいだろ。」
確かに、知能天使が悪魔執事に直接攻撃して来ないのは何故なのだろう。
「それだけ用心深いということなのでしょう。
おそらく指示を出したのは、ケルビムという二人目の知能天使…。
十分な力を持ちながら、決して相手を侮ることなく…。
入念に準備をして、最もリスクの少ない手を打つ。
ケルビムという天使は、相当な曲者のようですね。」
問題はこれからどうするかだ。
ハウレスを救うには貴族の誤解を解かなければならないが、いくら「知能天使の罠」だと言っても信じては貰えないだろう。
かといって、無実の証拠を探すのも難しい…。
「となると…。
やはり残された手段は、一つしか無いな。
力ずくでハウレスを奪い返すんだよ。」