奪還
夢小説設定
本棚全体の夢小説設定「悪魔執事と黒い猫」の二次創作の本棚です。
まだまだ少ないですが少しずつ増やしていきます。
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屋敷に戻った翌日、俺とルカスとハウレスはグロバナー家本邸に呼び出された。
今回は『報告会』ではなく『審問会』…。
つまり知能天使の捕獲に失敗し、グロバナー家の偵察隊やサルディス家の軍隊に多大な犠牲を生んでしまったことに対して、俺達に責任を問うものだった。
いつも以上に慎重に、誠意を持って応えるようにとフィンレイ様が言う。
古の塔に着いてからの流れをルカスが適切に説明する。
悪魔執事達は計画通り作戦を進め、苦労しながらも何とか知能天使の羽根を切り落とした。
しかし予想だにしない二人目の知能天使が現れたことで、守勢に回らざるを得なかった。
「なるほど…。
そこまでは理解した。
しかし…。
大勢の兵士が犠牲になったのに…。
君たち悪魔執事が無傷で済んだのはなぜだ?」
「それは…。
知能天使が、我々悪魔執事を無視して…。
兵士だけを狙ったからです。」
きっと悪魔執事とまともに戦えば、知能天使達も無事では済まないと判断したのだろうとルカスが釈明する。
「嘘をつくでない!悪魔執事!」
突然の怒声に驚き、俺は反射的に声のする方を見た。
一人の貴族がこちらを睨みつけている。
その貴族は狡猾なのは知能天使だけではないと言って、偵察隊の隊長を証言台に上げた。
「そこのハウレスという悪魔執事が…。
知能天使と親しげに話していたのです。
『妹を蘇らせるのと引き換えに、取り引きをした』と!
そこにいる悪魔執事は自分の欲望のために…。
人類を生贄に捧げたのです!」
傍聴していた貴族達も騒つき始めた。
黙っていれば知られずに済むかと思っていたけれど、そう甘くはなかったようだ…。
正確には知能天使がそう言っていただけで、ハウレスは言っていない。
ハウレス本人もそんなことはデタラメだと抗議するが、フィンレイ様に却下されてしまう。
やっていないことを証明するのは難しい。
自分達を信じて貰う他に方法はないが、貴族の大半は悪魔執事を良く思っていない為、それも難しいとルカスが言う。
「せめて、この場の空気だけでも変えられれば…。」