新局面Ⅱ
夢小説設定
本棚全体の夢小説設定「悪魔執事と黒い猫」の二次創作の本棚です。
まだまだ少ないですが少しずつ増やしていきます。
不定期更新。
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「あっ、いたいた!
ハウレスさん!それに悪魔執事の主様!」
元気な声と共に現れたのはテディさんだった。
グロバナー家の偵察隊に支給された軽食を俺達にも分けてくれるらしい。
偵察隊の人達には伝えていないようで、他のグロバナー家の人間には秘密にしてくれと言っている。
「美味しそうなお弁当です!
さすが、貴族の軍隊ですね!」
言葉を話さない筈のムー(猫)が喋っていることに驚くテディさん。
俺達には見慣れた光景になっている為、失念していた。
執事の一員なので安心して欲しいと伝え、驚かせてしまったことをハウレスが謝罪する。
するとテディさんは、自分には敬語を使わないでくれと言った。
剣士としてハウレスのことをとても尊敬しているらしい。
俺にも同様に敬語は使わなくていいと言うので、俺達はお言葉に甘えることにした。
テディは元々貴族の人間ではなく、入隊試験を受けてグロバナー家の部隊に入ったようだ。
歴史上の剣士や強くて有名な剣士が好きで、その人の剣術はもちろん、身長、体重、性格など細かいことまで調べるのが趣味なのだそうだ。
貴族の人間は悪魔執事のことを蔑んだ目で見る傾向にあるが、テディの態度が真逆なのも頷ける。
中でもハウレスは剣士好きの間では有名で、テディにとって憧れの存在らしい。
所謂ファンというやつだ。
「あと…これはハウレスさん。
おかしな質問かもしれませんが…。
ご親族にグロバナー家の憲兵だった方はいませんか?」
グロバナー家に在籍していた、類まれなる剣術とリーダーシップで数々の功績を残した無敵の剣士。
その剣士の性がクリフォードというらしい。
残っている記録には名前は記載されていないようだ。
およそ300年も前の人物だと言う。
「300年前って何世代前になるんだろう?」
「そうですね…。単純計算で10世代でしょうか?」
やはり心当たりがないと言うハウレスに、テディは残念そうに肩を落とした。
流石にそんなに昔の先祖では分からなくても仕方がない。
そろそろ休憩も終わるようだ。
それからしばらくして…。
俺たちは古の塔に向かって出発した。