新局面Ⅱ
夢小説設定
本棚全体の夢小説設定「悪魔執事と黒い猫」の二次創作の本棚です。
まだまだ少ないですが少しずつ増やしていきます。
不定期更新。
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その後一足遅れてスープを持って来てくれたロノと、ユーハンさんも加わって俺達は談笑した。
ユーハンさんは以前会ったときよりも落ち着いた話し方をしているが、前回は早く打ち解けられるよう明るく気さくな人間を演じており、今の方が素なのだそうだ。
サルディス家はただでさえ警戒されるからと言うが、そこまでしていたことに驚きを隠せない。
自然体で話をしてくれるようになったのは、ユーハンさん自身が俺達に気を許してくれた証拠でもある。
今後は二人のことを『さん付け』で呼ぶと言うユーハンさんに、自分はどうして『ちゃん付け』なのかとムーが訊ねる。
愛らしい見た目が『ムーちゃん』っぽいという回答に、ムーは褒められたと喜んでいた。
(褒めたらOKなんだ…。)
サルディス家の作戦で怪我を負ったロノを心配して、ユーハンさんが東の大地に伝わる塗り薬を持ってきてくれた。
「って…すげぇにおいだぞ、これ!
く、くさい…。」
「は、鼻が曲がりそうです!」
ロノとムーが顔をしかめる。
塗り薬は匂いがキツく、慣れるまでに時間が掛かりそうだ。
効き目は抜群だとユーハンさんが言う。
良薬は口に苦しと言うし、俺も多少匂いのする方が効果があると思うタイプだ(◯角散とか)。
バスティンは東の大地出身で、塗り薬のことも知っているらしい。
3人は年代も近く、話が合うようだ。
ユーハンさんはバスティンが東の大地出身だと知って親近感を覚えたと言っていたし、東の大地の刀削麺はロノの大好物だ。
美味しいお店を知っているので一緒に行こうと、ユーハンさんも嬉しそうだ。
「悪魔執事の主様も、是非遊びにいらしてください。
東の大地をご案内します。」
俺とムーはそんな3人のことを微笑ましいと思いつつ、ハウレスを見掛けたので様子を見に行くことにした。
ハウレスは相変わらず優しく手を差し伸べてくれるが、やはり落ち着かないのだろう。
深い溜め息を吐いていた。
今回もトリシアさんにそっくりな少女が現れる可能性が高い為、そのことを考えると心がざわついてしまうのだと言う。
「ですが…。
ご安心ください。
大変なときは仲間に頼ればいい…。
そう思うと、少しだけ気持ちが楽になります。」
「うん、頼っていいんだよ。ハウレス。」