新局面Ⅱ
夢小説設定
本棚全体の夢小説設定「悪魔執事と黒い猫」の二次創作の本棚です。
まだまだ少ないですが少しずつ増やしていきます。
不定期更新。
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遠征にサルディス家も合流すると聞いたのは、屋敷を出発する直前だった。
フィンレイ様からグロバナー家本邸に呼び出されたルカスが、今回の遠征はサルディス家が援助すると伝えられたのだ。
援助とは名ばかりで知能天使の情報をグロバナー家だけに握らせたくないのだろう。
「ったく…サルディス家の奴ら…。
急に同行を申し出るなんて…。」
「しかも俺たちの援助だと?
ふざけてるな…。
俺たちが援助の間違いだろ?」
いつの間にか外に出ていたロノとボスキに、馬車に乗っていろと遠回しにハウレスが言う。
二人はサルディス家が俺に失礼な態度を取ることを心配して、一緒に待ってくれているらしい。
最初に威圧しておくのが大事だと話すボスキに、子供の喧嘩じゃないんだぞとハウレスが溜め息を吐く。
ザッ…ザッ…
「今回は遠征に同行いたします。
悪魔執事の皆様。」
待ち合わせ場所に現れたのは、ユーハンさんだった。
「お前…。
この間、俺たちを裏切ったやつだよな?
どの面下げてここにきた?」
サルディス家の部隊が悪魔執事を罠に嵌めたのは記憶に新しい。
そのときに俺達を誘導したのがユーハンさんだったのだ。
それ以来会っていない者からすれば、ボスキの反応が正解だ。
あの事件でバスティンが悪魔化したのだから尚更だった。
「あっ、ボスキ。それについてだけど…。」
「それについてはもう良いんだ。
ボスキさん。」
馬車から降りて来たバスティンがボスキを制止する。
実はユーハンさんとはサーカス団に潜入したときの依頼で一度会っており、謝罪を受けていた。
ユーハンさん自身もあの計画は知らなかったことをベリアンが丁寧に説明した。
話を聞きながら俺も頷く。
「私自身、騙されていたとはいえ…。
あの計画に協力した形になってしまった。
本当に申し訳ありません。」
謝罪を重ねるユーハンさんに顔を上げるようバスティンが言うが、他の執事達にはまだ謝罪していないとユーハンさんは改めて頭を下げた。
ユーハンさんは悪魔執事の皆を尊敬していると言い、サルディス家当主との意見の相違を嘆いているようだった。