新局面Ⅱ
夢小説設定
本棚全体の夢小説設定「悪魔執事と黒い猫」の二次創作の本棚です。
まだまだ少ないですが少しずつ増やしていきます。
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次の日、俺は馬車の中で旅のお供にとベリアンから貰ったショートブレッドを味わっていた。
添えられたブルーベリージャムもとても美味しい。
紅茶が欲しいところだが、大事な遠征の朝にこんな贅沢をしていいのだろうか。
今回も前回と同様に、グロバナー家の偵察隊との挨拶があるようだ。
「主様…どうぞこちらへ。
足元にお気をつけください。」
グロバナー家に着いて馬車を降りるとき、ハウレスが手を差し伸べてくれた。
前回とは異なる偵察隊が同行するようだが、グロバナー家の軍人は悪魔執事への態度が悪い者が殆どだ。
俺にも不快な思いをさせてしまうかもしれないと心配してくれている。
「もちろん私もフォローいたします。
主様を愚弄することは私も許せませんので…。」
周りの人の目が気になったときもあったけれど、皆が居てくれるから大丈夫だ。
「ありがとう、ハウレス。ベリアン。」
ダッ…
「すみません!
お待たせしましたっ!
俺は、偵察隊の副隊長のテディ・ブラウンと申します。
今回は悪魔執事の皆様に同行できること…。
光栄に思います!」
なんか新しいの来たー!!
上手く言えないけど、他の偵察隊の人達とは態度以外にも何か違う気がする…(可愛い顔してる)。
少なからず身構えていた俺達は拍子抜けしてしまった。
そのテディさんは悪魔執事の皆を尊敬しているとまで言ってのけた。
「あっ!
あなたはハウレスさんですよね?
凄い!本物のハウレスさんだ!」
テディさんはハウレスに会えた喜びで興奮しているようだ。
遠征中に時間があれば少しお話する時間を…と言い掛けたところで、偵察隊の隊長がやって来てテディさんを注意した。
悪魔執事とベラベラ話すなと言う隊長に、そんなにイライラしていたらラッキーが逃げると、およそ隊長と話しているとは思えない口調だった。
「おい、悪魔執事。
私は今回同行する偵察隊の隊長だ。
前回の遠征のようなことにならないようにな。
怪しい動きも全て…。
フィンレイ様に報告させてもらう。」
やはりテディさんが特殊なだけで、他の偵察隊の人達には快く思われていないようだ。
素直でいい青年だと、ベリアンもテディさんのことを好意的に捉えている。
気さくで自由な性格からか部下の兵士達には慕われているようだが、それだけ実力もあるのだろうとハウレスが言った。
今度はサルディス家の部隊と合流しなければならない為、俺達はグロバナー家を後にした。