家族
夢小説設定
本棚全体の夢小説設定「悪魔執事と黒い猫」の二次創作の本棚です。
まだまだ少ないですが少しずつ増やしていきます。
不定期更新。
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ハウレスは今ごろ2階の執事達と楽しくお酒を飲んでいるだろうかと思いを巡らせていると、部屋の扉をノックする音が聞こえてきた。
こんな時間に誰だろうと思いながら声を掛けると、部屋に入って来たのは他でもないハウレスだった。
「あの…その…。
すみません。
色々と気を使わせてしまったようですね。」
俺が書いたメモを何かのタイミングで見てしまい、計画に気が付いたらしい。
形が残るものを使用したのは良くなかったと反省する。
「すごく…嬉しかったです。
それに、良い気分転換になりました。
たしかに最近の俺は焦りすぎていたと思います。」
そしてハウレスは妹のトリシアさんについて、改めて話をしてくれた。
トリシアさんは随分昔に亡くなっており、ハウレスにとって大切な唯一の家族だった…。
そんな妹にそっくりな少女が突然あの古の塔に現れた為、動揺してしまったのだとハウレスは言った。
自分の焦りを他の執事達に押し付けてリーダー失格だと肩を落とすハウレスに、俺はサプライズを発案したときのみんなの様子を話した。
ハウレスは皆に厳しく接することが多い為、嫌われていると思っていたようだ。
寧ろその逆で皆感謝しているしハウレスが好きなのだと伝えると、デビルズパレスの執事達も自分にとっては家族のようなものだと訂正が入った。
「あと…。
こんなことを、執事である俺が言っていいか分かりませんが…。
主様は兄弟以上の存在です。」
上手くは表現できないが、執事達とは違う特別で大切な存在だとハウレスが言う。
「それに、主様がいらっしゃってから…執事達の団結力も高まったと思います。
主様は『この方をお守りしたい』と思わせてくれる御方です。」
嬉しいが何だかとても擽ったい。
俺は緩む頬をハウレスに見られないように俯いた。
今は少し落ち着いたと言うハウレスは、再びリーダーとしてしっかりしなければと張り切っている。
だけど不安定な状態のハウレスに、俺達は今まで通りのリーダー像を求めている訳じゃなくて…。
「ハウレス、えぇっと…一人で頑張ろうとしないでさ、みんなを頼ってね。
みんなハウレスの力になりたいと思ってるんだよ。
もちろん、俺にも頼ってね。」
「あ、主様にですか?
そ、それは流石に…。
執事として悪いのでは…。」
「いいから、頼って欲しい。」
正直、俺達にとって主と執事なんて取ってつけたような関係だ。
いきなり異世界から来た形だけの主なんて高が知れていると、俺が執事ならそう思う。
でも俺は主として…いや、それ以上に皆のことを大切な仲間だと思っている。