家族
夢小説設定
本棚全体の夢小説設定「悪魔執事と黒い猫」の二次創作の本棚です。
まだまだ少ないですが少しずつ増やしていきます。
不定期更新。
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次の日の午後、訓練の合間を縫って俺はハウレスを散歩に誘った。
「ごめんね、ハウレス。忙しいのに連れ出して。」
「いいえ、主様のお手伝いをするのも執事の立派な仕事ですから…。
最近あまりお手伝いができていませんでしたね。
申し訳ありません。」
「全然、大丈夫だよ!いつも訓練お疲れ様。」
すぐに戻っては怪しまれるのでアモンに教えてもらった花畑に寄って行くことにした。
屋敷の庭には生息していない草花を見るのも、いい気分転換になるだろう。
ゆっくりと屋敷に戻る道を曲がったところで反対側から犬を連れた人物が歩いて来る。
午前中にロノが街に行って声を掛けてくれた犬だ。
飼い主も悪魔執事に抵抗がない人で、寧ろ友好的な人だった。
犬を誘導してくれたロノが反対側のコーナーに隠れて小さく親指を立てる。
「わー!見て、ハウレス。犬だよ!
かわいいねぇ。」
そう言って俺は犬を撫でた。
ワシャワシャと音がするくらい、それはもう盛大に撫でた。
「ハウレスも触ってみて!
柔らかくて気持ちいいよ。」
ほら、と促すとハウレスは戸惑った表情を浮かべていた。
真面目なハウレスのことだから、主から目を離してはいけないと思っているだろう。
俺はハウレスの視界に入るように、少し離れた場所で飼い主の人と世間話を始めた。
ハウレスが恐る恐る犬の頭に手を伸ばす。
「今日は無理を言って来ていただいて、ありがとうございます。
街でも、いつも執事の皆に良くしていただいていると聞いています。
主としてお礼申し上げます。
無礼を承知でお願いしますが、できれば屋敷の近くを散歩コースに入れていただけませんか?」
声のボリュームを落として飼い主にお願いをする。
「もちろん。悪魔執事の皆さんには天使から守っていただいて感謝しています。
それに、あんなに可愛がってもらえるのなら、また来ますよ。」
見ると犬はお腹をさらけ出して気持ちよさそうに寝そべっていた。
ハウレスはなかなかのテクニシャンらしい。
自身も犬を両手で撫でながら優しい表情をしている。
俺とロノは目配せを交わして喜び合った。