古の塔
夢小説設定
本棚全体の夢小説設定「悪魔執事と黒い猫」の二次創作の本棚です。
まだまだ少ないですが少しずつ増やしていきます。
不定期更新。
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ドゴッ…!
「おい!いい加減にしろハウレス!」
ボスキ…!グーでいった!!
「トリシアが生きてるわけねぇだろ!
ただの似たガキじゃねぇのか!」
めちゃくちゃキツイこと言ってる…!
でも何が起きても戦うときは感情を制御しろというのは、正しいことなんだろうな。
「とにかく!
陣形を組み直すぞ!
お前の勝手が主様を危険に晒してんのが分かんねぇのか!」
それは本当にごめんと言わざるを得ない。
いくら頑張っても皆のように戦える気はしないし、せいぜい攻撃を避けるだけで精一杯だ。
「す、すまない、ボスキ。
も、もう大丈夫だ…。
落ち着いた。」
無事にハウレスを連れて戻って来たところを見ると、厳しくてもボスキが適任だったのだと思える。
「悪魔執事とは言っても所詮は人間。
感情に訴えかけるのが効くと思ったけど…。
今日のところはこれぐらいにしておこうかな?」
知能天使は女の子を抱えたまま飛び去ろうとしている。
ハウレスが剣を強く握って唇を噛み締めた。
「大丈夫…。
またここに来たらいいよ。
私はここにいるからね。
ハウレスくん。」
知能天使が飛び去った後も暫くは天使達の討伐に追われていた。
天使を倒し終わっても興奮がなかなか治らないラトに、ルカスが調合した薬を飲ませる。
グロバナー家の偵察隊は数名怪我をしてしまったようだ。
ハウレスとボスキが陣形から抜けていたときだと考えられた。
ルカスが偵察隊の手当てに回る。
「偵察部隊の怪我は俺の責任です。
俺が勝手に動いて陣形を崩してしまいました。
申し訳ありませんでした…。
主様。」
「ハウレス…。俺は大丈夫だよ。
でも怪我した人には申し訳なかったよね…。
ハウレスも大丈夫?」
「ハウレス!
てめぇ…何考えてんだよ!
お前のせいで主様を危険に晒したのが分かってんのか!」
「ボスキ、落ち着いて!
俺は無事だったんだから…。」
「ボスキ…。
本当にすまない…。」
「しかし…。
ハウレスくんが取り乱すなんて珍しいですね。
原因は塔の下にいたあの少女ですか?」
ベリアンの質問にハウレスが答える。
あの女の子は背丈も声も全てが妹のトリシアさんそのものだったと言う。
こんな辺境の地…それも古の塔で子どもが偶然居合わせるなんてとベリアンも頭を悩ませる。
いずれにせよ古の塔に長居は無用だ。
その後、俺たちは急いでグロバナー家に戻った。