古の塔
夢小説設定
本棚全体の夢小説設定「悪魔執事と黒い猫」の二次創作の本棚です。
まだまだ少ないですが少しずつ増やしていきます。
不定期更新。
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「あの…フィンレイ様。
なるべく早く…。
再度、塔への遠征をお許しいただけないでしょうか?」
突然、ハウレスが打ち合わせにはない発言をした。
フィンレイ様に理由を聞かれハウレスが答える。
知能天使が去り際に『私はここで待つ』と言ったこと、今回の遠征で知能天使の能力が分かったことで次は上手く捕獲できるかもしれないこと。
「うーん…なるほどね。
しかし、偵察部隊が負傷したばかりだし…。」
遠征に反対の貴族も多く簡単には許可できないと言うフィンレイ様に、ハウレスも食い下がる。
次回の遠征は悪魔執事だけでも行けるとハウレスが言うと、平等に知能天使の情報を得る為に偵察部隊の同行は必須だとフィンレイ様は言った。
「君たちだけが得た情報で…。
君たちが私たちを裏切る可能性も0じゃない。」
「そ、それなら同行する執事の数を増やします!
こちらの戦力も増やすので…。
偵察部隊の方もお守りできるかと思います。」
すぐにでも遠征に行かせてくれと言うハウレスに、フィンレイ様が相当焦っていると指摘する。
「何か隠していることでもあるのかい?」
「い、いや…。
別にそんなことはありません。
とにかく早く知能天使について調べなければと思っているだけです。」
「君の目は…。
違う何かを見ているような気がするが…。」
流石、貴族の当主を務めているだけのことはある。
しっかり相手を見て冷静に得られる情報を得ている印象だ。勘も鋭い。
しかし古の塔に現れた少女がハウレスの妹にそっくりだったことは、黙っていていいのだろうか。
最終的にフィンレイ様は次回の遠征を前向きに考えてくれるようだが、昨日までの遠征で被害が出てしまったので即決は難しい。
今日の報告会はこれで閉会となった。
「すみません、主様。
ルカスさん…。
勝手なことを言い出してしまって…。」
発言云々よりもハウレスが焦りすぎていることの方が心配だ。
俺はルカスに促され馬車に乗り込んだ。
二人は何か話をしていたのだろう、暫くしてから馬車に乗り込んで来た。
席に座ったルカスが口を開く。
「主様、屋敷に戻る前にパンケーキ屋さんに寄りませんか?
頭を使うだけでなく、栄養も必要ですからね♪」
「いいね!パンケーキ。
ハウレスも食べるでしょ?」
「はい…。」
どんなパンケーキが好きか訊いてみたが、ハウレスは上の空だった。