古の塔
夢小説設定
本棚全体の夢小説設定「悪魔執事と黒い猫」の二次創作の本棚です。
まだまだ少ないですが少しずつ増やしていきます。
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俯き泣いている様子の子供にハウレスが声を掛ける。
ハウレスは子供が顔を上げた途端、明らかに動揺を見せた。
次に取るべき、子供を連れて陣形に戻るという動作にも遅れが生じる。
「おい!
何やってんだ!ハウレス!
早くそのガキを連れて戻ってこい!」
ボスキがハウレスに向けて声を張り上げた。
「ト、トリシア…!」
「トリシア?
それって確か…お前の妹の名前じゃ…。」
!?そうなのか…!
えっ?妹さん?こんなところで会う?
いや、待てよ…?ハウレスの妹は亡くなったってベリアンが言ってなかったか?
感謝祭のときにハウレスが立ち寄ったのは妹のお墓だと思っていたけれど、違うのかな?
「はい、は〜い。
そこまでだよ…。」
強風と共に現れたのは知能天使だった。
離してと叫ぶ女の子を無理矢理抱きかかえ空を飛ぶ。
「お、おいお前!
その子を離せ!」
この状況は全く予想していなかった。
女の子を助けようにも通常天使の数が多過ぎて、下手に陣形を崩したら共倒れになるかもしれない。
ベリアンの提案で天使が少なくなるまでは今の陣形を崩さず天使を狩ることになった。
だけど、本当にハウレスの妹だとしたらどうする?
似ているだけだとしても、そんな子をハウレスが放って置けるだろうか。
「おやおや?
そんなに固まってどうしたのかな?
もっと派手に戦おうじゃないか。
私をがっかりさせないでくれよ。」
天使も更に数を増やす。
「ハウレス!一旦戻れ!
陣形を組み直すぞ!」
「ボスキくんの言う通りです…!
まずは通常の天使の討伐に集中しましょう!
天使の数が減ったら知能天使捕獲に移ります!」
「ま、待て…。
その子を…放すんだ…。
お、俺は…。
あの子を助ける…。」
こんなに大量の天使がいる中で一人で行動するのは危険だ。
単独行動を決めて知能天使を追うハウレスを、ボスキが追いかける。
知能天使とハウレスの間にも通常の天使がたくさんいた。
一体一体、天使を倒しながら知能天使との距離を縮めようとするハウレスからは、焦りが感じられた。