古の塔
夢小説設定
本棚全体の夢小説設定「悪魔執事と黒い猫」の二次創作の本棚です。
まだまだ少ないですが少しずつ増やしていきます。
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「ラトくんが自分のことを話すのは珍しいね。
私から見てもラトくんは主様を信頼しているようだ。」
ミヤジでさえラトが心を開くには長い時間を要したのだと言う。
ラトは自分のことをあまり話さない。
ミヤジもラトのことを詳しく知っている訳ではなく、断片的に話を聞いたことがあるだけのようだ。
「屋敷に戻ったら地下の執事室に遊びに来てくれないか?
フルーレくんも交えて、お茶でも飲もう。」
「もちろん、俺で良ければ遊びに行くよ!」
ラトがもっと心を開いてくれたら、過去や心情について詳しく聞けるかもしれない。
そうすれば満月に出る症状も解決できるかもしれないと言うのだ。
「俺もラトのことをもっと知りたい。」
それからしばらく、俺たちは雪道を歩き続けた。
運動不足の身体に雪道はかなり堪える。
引きずるように歩みは遅く、いつの間にか歩幅も小さくなっていた。
執事の皆は俺に気を遣ってゆっくり歩いてくれているのだろう。
グロバナー家の偵察部隊からもあまり距離が出来ずに歩いていた。
塔の近くに来て、その迫力に圧倒された。
本当に天空へと繋がっているのではないかと錯覚する程、高く高くそびえ立っている。
表面は痛んでおり、かなりの年月を感じるが…素材は何で出来ているのか分からない。
古の塔には大きな扉がある。
これは他の塔にも見られる特徴で、固く閉ざされており開くことはないのだそうだ。
過去の歴史書にも古の塔についての記述は見当たらないとフェネスが言っていたらしい。
ハウレスが教えてくれた。
それにしても…、普段ならば天使が襲撃して来る筈なのに今はその気配すらない。
まるで俺達がここに来るのを邪魔しないようにしているようだ。
皆で話しているうちに、知能天使が俺達を引き寄せる為に仕掛けた罠じゃないかという疑惑が出てきた。
「まぁ…。
最初からそんなことは分かっていたけどね♪」
「そうですね。
これが罠だとしても私たちに選択肢はありません。」
ルカスとベリアンは肝が据わっていて凄いと思う。