古の塔
夢小説設定
本棚全体の夢小説設定「悪魔執事と黒い猫」の二次創作の本棚です。
まだまだ少ないですが少しずつ増やしていきます。
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古の塔近くの森は道が険しく雪もたくさん積もっている。
俺達は馬車を降りて歩いて進むことにした。
この森を少し進んだら大量の天使が襲い掛かってくる警戒エリアだ。
かなり標高が高いところまで歩いて来た。
峰の向こうに見える連なった建物は、人が住んでいない廃墟だとベリアンが教えてくれた。
もちろん天使の所為もあるが、土地や水が人が住むには適さない環境で、作物も殆ど育たないらしい。
世界の殆どがそういう土地で、貴族や魔女族が治めている土地のみ人間が住むことができる地域なのだそうだ。
ということは有益な土地を新たに手に入れるには、他の貴族と争う以外方法がない…。
しかしサルディス家は一部汚染された土地も治めていると言う。
「へぇ〜、何のためにですか?
人は住めないし作物も育たないんですよね?」
「クフフ…。
そう、とても過酷な環境ですよ。
罪人を閉じ込める大きな監獄があるんですよ。
周囲が汚染された湖で囲まれた監獄…。
投獄されたら、死ぬまで出ることはできません。」
ムーの疑問に答えてくれたのはラトだった。
罪人だからとはいえ、そのような劣悪な環境を強いるなんて…。
しかしどうしてラトはサルディス家の監獄事情について詳しいのだろう。
もしかして、、
「働いていらっしゃった?」
「クフフ…いいえ。」
「ええっと、それじゃあ…。」
「はい、収容されていました。」
あぁ〜、訊かなければ良かったな。
申し訳ない気持ちでいっぱいになる。
ラトはあまり顔に出るタイプではないけれど、安易に訊いていいことではない筈だ。
「えっ?そ、そうなんですか?
ということはラトさんも何か大罪を犯したんですか?」
俺には変に気を遣って余計に気まずくなる未来しか見えない。
今はムーくらい明るく訊くのが丁度いいのかもしれない。
「いえいえ、私はなにも犯していません。」
「じゃあどうして牢獄に?」
「ふむ…あまり楽しい話ではないのですが…。
…。
ふむ…。」
「ごめん、ラト。話したくないよね…。」
「あ!綺麗な雪狐です!」
ラトは毛皮をフルーレのお土産にしようと言って走って行ってしまった。