古の塔
夢小説設定
本棚全体の夢小説設定「悪魔執事と黒い猫」の二次創作の本棚です。
まだまだ少ないですが少しずつ増やしていきます。
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遠征から帰った日の夜、俺は疲れてはいたが何だか落ち着かなかった。
もう少し誰かと一緒にいたい気分になり、ゆっくりお休みくださいと部屋を出て行こうとするベリアンに声を掛けた。
「ベリアンはこれからどうするの?」
「私ですか?
私は少し地下の部屋で作業をしてからお休みさせていただきます。」
俺も一緒に行っていいか訊ねるとベリアンは少し驚いた後、笑顔で了承してくれた。
地下倉庫は前にも来たことがあるが、ベリアンが天使の研究をするときに使う部屋だ。
大きな布の下には、生捕りに成功した天使が樹脂で固められた姿で佇んでいる。
机に向かって書き物をしているベリアンは知能天使について纏めているようだった。
邪魔にならないよう静かにしていると、扉をノックする音が聞こえてきた。
「入るよ、ベリアン。
って…主様。
申し訳ありません。主様にお酒を飲む姿を見せてしまいました…。」
ルカスの手にはワイングラスが握られている。
「問題ないよ。…俺も少し貰おうかな。ベリアンが良ければだけど…。
ベリアン、ここでお酒を飲んでも大丈夫?」
「ええ勿論。大丈夫ですよ、主様。」
「主様と一緒にお酒が飲めるなんて、思いがけず嬉しいなぁ♪
ベリアンも少しは休憩したらどう?
遠征から帰ってから、まともに休んでないんじゃない?」
「これをまとめたら、休憩しますよ。」
何を飲まれますかと訊かれ、ルカスと同じものを貰うことにした。
「主様はワインがお好きなんですか?」
「うん、正確にはワインも好きかな。
結構、何でも飲むんだよね。」
「おや、その割には晩酌はなさらないのですね?」
机に向かいながらも話を聞いていたベリアンが訊ねる。
「お酒は好きだけど、一人で飲むより皆で飲むのが好きなんだ。」
「その気持ち、よく分かりますよ♪」
この屋敷でお酒を飲むのは、イベント事以外では初めてだった。
一人で飲むのはつまらないし、色々とお世話して貰っているのに嗜好品まで求めるのは気が引ける。
個人的には月二くらいで執事達とお酒を飲む機会を設けてもいいと思っているが…何となく恥ずかしいから言わない。
ベリアンは会話に参加しつつ纏め終わったようだった。
勤勉なベリアンのことだから、知能天使の情報を早くルカスと共有したいと考えているだろう。
俺にも聞かせて欲しいと言ってベリアンに話を促した。