古の塔
夢小説設定
本棚全体の夢小説設定「悪魔執事と黒い猫」の二次創作の本棚です。
まだまだ少ないですが少しずつ増やしていきます。
不定期更新。
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
魔女族は魔法を使って空を飛んだりすると噂されているが、村にそのような姿は見当たらない。
魔術を敬い慎重に扱っているらしい。
色々と話を聞かせて欲しいと、俺とベリアンだけ他の部屋に誘導された。
エルヴィラに椅子に座るよう促される。
通された部屋は珍しいもので溢れていた。
魔術の道具らしいものが乱雑に置かれ、蝋燭の炎が紫色に揺らめく。
いかにも魔女という感じがしてテンションが上がった。
あまりジロジロ見たら失礼にあたるだろうか。
その中には黒い翼を持ち、泣きながら祈る男の絵もあった。
屋敷にある絵と同じものだ。
「さぁ、こちらのスープをどうぞ。
冷えた身体を温めてください。」
「何から何まで、ありがとうございます。」
冷えた身体に温かさが染み渡る。
とても嬉しいおもてなしだ。
エルヴィラに天使達の変化を訊ねられ、ベリアンが知能天使について説明した。
それにしても『知能天使』ってよくできた呼び方だと思う。
エルヴィラはベリアンの話を聞くと羊皮紙を机の上に広げた。
見たこともない言語や図形が描かれている。
その上に、大小様々な色の水晶。
カラスの羽根や小動物の骨、白色の砂を無造作に置いた。
「ふむ…。
これは悲しいですね。
残念ですが…。
また…死人がたくさん出るようです。」
「し、死人がたくさん?」
「まぁ…。
占いがそう言ってるだけですが…。」
だけって言われても…。
エルヴィラは再び羊皮紙の上の水晶を無造作に動かした。
どうやらまだ占いは続いているようだ。
『なるほど』が彼女の口癖なんだな。
「ちとせさん…。
執事たちを頼みましたよ。
あなたの判断で…。
執事たちの運命が大きく変わるでしょう。
執事たちが生きるも死ぬも…。
あなた次第です。」
「え、えっと…なんと言えばいいか…。」
バスティンが悪魔化して以来、執事達にとって重要な役目を任されていることは前にも増して感じてはいたが…。
他人にはっきり言われるのはこれが初めてだった。
「あなたなら大丈夫だと…信じていますよ。」
それから俺たちは暫く村に滞在し…。
馬の疲れが取れた頃に、村を後にしたのだった。