新局面
夢小説設定
本棚全体の夢小説設定「悪魔執事と黒い猫」の二次創作の本棚です。
まだまだ少ないですが少しずつ増やしていきます。
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翌朝、馬車の中にはハウレスとボスキ以外の遠征メンバーがいた。
二人は外で馬に乗り、見張りをしてくれている。
このまま古の塔へ行くのではなく、まずはグロバナー家の偵察部隊と合流し、隊長と打ち合わせをしなければならない。
挨拶と情報共有が主な内容で、ベリアンとハウレスが同席してくれるそうだ。
「遠征中、我々は知能天使の情報収集に務める。
しっかりと警護するように頼む。
お前たちだけに重要な情報を握られるわけにはいかないからな。」
棘のある言い方だな…。
挨拶もそこそこに本題に入った。
陣形についてハウレスが説明する。
俺を中心に偵察隊、その周りを悪魔執事達が囲んで警護するという形だった。
「なるほど…。
お前たちの主が一番真ん中、安全な場所か。」
これも棘があるな…。
「それは…もちろんです。
私たちにとっては主様が一番大事です。」
どういう意味で言っているのかと偵察隊の隊長が訊ねる。
…確かに聞きように寄っては誤解される言い方だ。
主様がいるから悪魔の力を使うことができるのだとベリアンが説明し、ハウレスのフォローをする。
偵察部隊の隊長と別れ、馬車に戻った。
「偵察隊の人、不満そうだったね。」
「はい…。ですが主様をお守りすることが最優先です。
これだけは譲れません。
私達にとって主様は特別な存在ですから。」
ベリアンは笑顔で俺にウインクをしてみせた。
「イタタ…。」
馬車が大きく揺れてミヤジが頭を打つ。
この辺は凸凹した道が続き揺れが大きい。
ミヤジは身体が大きいから特にぶつけやすいのだろう。
馬車はだいぶ北上しており肌寒くなってきた。
ベリアンが優しく俺に防寒服を羽織らせてくれた。
「あれ?雪原の中に街が見えますね。
廃墟みたいですけど…。」
ムーの言葉にルカスとベリアンが答えてくれる。
この辺には昔大きな街があったが天使によって潰されてしまったのだそうだ。
昔はもっと広範囲に人が住んでいたのだが、天使の脅威により現在の居住地域まで追いやられてしまったと言う。
それから少し進んだところで馬車が止まった。
「主様、ベリアンさん…。魔女族の方がお見えになっています。」