新局面
夢小説設定
本棚全体の夢小説設定「悪魔執事と黒い猫」の二次創作の本棚です。
まだまだ少ないですが少しずつ増やしていきます。
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翌朝、俺は朝日を浴びにムーと裏庭に出ていた。
元の世界では日光浴なんて意識してやったことがないから、とても健康的な生活を送っている気がする。
裏庭ではバスティンが土を触って何かしており、思わず声を掛けた。
俺が何をしているのか訊ねると、バスティンは親友であるジェシカさんのお墓を作っていたのだと答えた。
名前が彫られた石の前には剣が刺してある。
「今まであいつの存在すらをも忘れようとしていたんだ。
向き合うことを恐れて…。
だから、この墓は向き合えた証拠だ。」
主様のおかげだとバスティンは言うが、俺は特に何もしていない。
しかしその表情は今までよりも穏やかでスッキリしているように見えて、その手伝いができたことを誇らしく思った。
ベリアンが俺を探して裏庭までやって来た。
「この間話していたお墓、完成したんですね。」
お墓に剣を飾るところがバスティンらしいねと話をする。
バスティンと会話をした後、ベリアンは少し考え事をしているようだった。
「お〜い!
バスティン!」
今度はバスティンを呼ぶアモンの声が聞こえてきた。
バスティンはお墓の周りが殺風景なので、周りに植える花の苗をアモンに見繕って貰っていたようだ。
アモンが持って来てくれたのはデルフィニウムという花の苗で、バスティンの髪の色に似た花が咲くのだという。
派手ではないがバスティンの好みを考慮した素敵なチョイスだと思う。
お礼を言うバスティンに、花に関する頼みならいつでもOKだとアモンも嬉しそうだ。
そろそろ朝食にしましょうとベリアンに言われ、いい匂いがすることに気が付く。
途端に空腹を覚えた俺は、真っ直ぐに食堂へと向かったのだった。
その日の午後、地下の執事室で俺はラトに迫られてすっかり困ってしまっていた。
手を上げて動かないように言われ、大人しくラトに従う。
動いたら大変なことになると…。
ラトの目つきが怖い。
「おや?私に怯えているのですか?
怯える必要はありませんよ。
静かにしていれば…すぐに終わります。」