新局面
夢小説設定
本棚全体の夢小説設定「悪魔執事と黒い猫」の二次創作の本棚です。
まだまだ少ないですが少しずつ増やしていきます。
不定期更新。
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「そこでフィンレイ様。
私から提案がございます。」
知能天使が飛び立ったのは北西の方向。
そこには世界で確認されている16基の古の塔の中でも、最も状態がいい7番の塔が位置している。
たまたま7番の塔の方向に知能天使が飛び去ったとは考えづらく、その塔の調査を許可して欲しいというのがルカスの提案だった。
フィンレイ様は7番の塔の調査を許可してくれた。
ただし遠征にはグロバナー家の偵察部隊も同行するという条件付きだ。
知能天使の存在が真実なのか、自分達の目で確かめたいと思うのは当然のことだろう。
こうして今日の報告会は閉会したのだった。
「悪魔執事の主…。
会議への出席、感謝する。」
フィンレイ様がわざわざ俺に礼を伝えに来てくれたが、当たり障りのない返答しかできなかった。
ルカスとハウレスが会議用のローブを脱ぐ。
貴族と会う時の規則なので仕方がないが、今はもう夏真っ盛り。
ローブの下にはフルーレが皆の個性に合わせて作ってくれた夏服を着ている。
ただでさえ髪が長いルカスは夏はとても暑いようだ。
思い切ってハウレスのように短くしようかとの言葉に、ルカスなら短いのもきっと似合うと返答する。
「会議の終盤…。
ルカスさんは人類存亡の危機とおっしゃってましたが…。
本当にそう思われますか?」
ハウレスの質問に、ルカスは敢えて強調したのだと答えた。
貴族は今もなに不自由なく暮らしているため、天使の謎を解くよりもこれまでの世界が変わることを嫌う。
だから問題を自分ごとに捉えて貰うため、敢えて強い表現をしたと言うのだ。
「そこまで考えてらっしゃるのですね。
さすが、ルカスさん。
勉強になります。」
しかし、人類存亡の危機かもしれないのは本心だとルカスは言う。
知能天使の能力が分からない以上、警戒し過ぎるくらいが丁度いいと。
バスティンでも捕まえることができなかったあの知能天使が、力やテクニックまで兼ね備えていたらどうなるのだろうか…。