子供時代
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本丸は今日も賑やかな声でいっぱいだ。内番も遠征も特にない短刀たちは暇を持て余し、ひよりとかわるがわる手を繋いで思いつく限りの遊びをする。時に大人を巻き込み、時に動物と戯れ、陽の光を存分に浴びて走り回った。
「みんな、おやつの時間だよ」
光忠が外に出てそう声を掛けると、短刀たちがわあわあと駆け寄って来た。テーブルに用意されたプリンを見てやや興奮気味になりながらも座る。みんなでいただきますをしてからスプーンでプリンをすくい、口に入れた。
「〜〜〜おいしいっ」
なめらかな口当たりに程よい甘さとカラメルの苦さが合わさって子供たちは思わず頰に手を当てる。
光忠の作ったお菓子はどれもほっぺたが落ちそうなほどのできあがりである。おいしい、おいしいと皆で舌鼓を打ってあっという間にプリンをたらいあげた。ごちそうさまをしてちょっとだけ鬼ごっこをすると短刀たちの瞼が重くなる。空き部屋で少しの間眠ることにして、みんなと身体を並べて、風邪をひかないようにタオルケットを掛けた。
開けた襖の隙間から、夏の香りをまとった風が入り込んで、風鈴がちりんと揺れる。忙しなく鳴く蝉や小鳥の囀りが子守唄のように音を奏で、すぐに夢の中へ落ちていった。
ふと目が覚めたひよりは起き上がる。寝息が聞こえて隣を見ると五虎退が小さな虎たちを抱えてすやすやと寝ていた。ひよりは自分に掛かっていたタオルケットを五虎退にかけて襖をそっと開ける。掃除の行き届いた廊下を歩いてとある部屋で止まった。太郎の部屋だった。ゆっくりと襖を開けると壁に身体を預けて目を閉じている部屋主がいた。どうやら太郎も短刀たちと同じように少しだけ眠っていたようだ。
ひよりは部屋に入ると太郎の膝の上にぽすりと座り、そして目を閉じる。畳の上で寝るより居心地が良かった。
すぐに眠くなって来て、ふわふわした気持ちを抱えながらいま、わたし、すごく幸せだな、と感じた。
“嗚呼、やはりここにいましたか”
一期一振は探していた子供を見つけ、声を出さず小さく笑う。頃合いを見て短刀たちを寝かせている部屋を覗くと、ひよりだけ居なくなっているのに気付き一瞬焦りを覚えたが、あの子はいつも太郎太刀の膝の上にいたのを思い出した。彼の部屋に行けば予想通り、小さな身体がそこにあった。
時折流れてくる風で身体を冷やさぬようひよりの身体には太郎太刀の着物の袖が当てられている。それはどこか幼子を護る姿にも見えた。一期一振の気配などとうに勘付いているだろうに寝てるフリをしている太郎太刀は無言で目を閉じている。今ここに鶴丸が現世から取り寄せた『カメラ』という写し絵を撮れるやつがあったら使っていたかもしれないとこっそり胸の内で呟いた。
“今日は良き夏日ですね”
ちりんとどこかで風鈴が応えた。
***
どうでも良い補足。
・うちの光忠は女子力がカンストしてる
・鶴丸の持ってるカメラは写◯ンです
・短刀たちまじ天使
「みんな、おやつの時間だよ」
光忠が外に出てそう声を掛けると、短刀たちがわあわあと駆け寄って来た。テーブルに用意されたプリンを見てやや興奮気味になりながらも座る。みんなでいただきますをしてからスプーンでプリンをすくい、口に入れた。
「〜〜〜おいしいっ」
なめらかな口当たりに程よい甘さとカラメルの苦さが合わさって子供たちは思わず頰に手を当てる。
光忠の作ったお菓子はどれもほっぺたが落ちそうなほどのできあがりである。おいしい、おいしいと皆で舌鼓を打ってあっという間にプリンをたらいあげた。ごちそうさまをしてちょっとだけ鬼ごっこをすると短刀たちの瞼が重くなる。空き部屋で少しの間眠ることにして、みんなと身体を並べて、風邪をひかないようにタオルケットを掛けた。
開けた襖の隙間から、夏の香りをまとった風が入り込んで、風鈴がちりんと揺れる。忙しなく鳴く蝉や小鳥の囀りが子守唄のように音を奏で、すぐに夢の中へ落ちていった。
ふと目が覚めたひよりは起き上がる。寝息が聞こえて隣を見ると五虎退が小さな虎たちを抱えてすやすやと寝ていた。ひよりは自分に掛かっていたタオルケットを五虎退にかけて襖をそっと開ける。掃除の行き届いた廊下を歩いてとある部屋で止まった。太郎の部屋だった。ゆっくりと襖を開けると壁に身体を預けて目を閉じている部屋主がいた。どうやら太郎も短刀たちと同じように少しだけ眠っていたようだ。
ひよりは部屋に入ると太郎の膝の上にぽすりと座り、そして目を閉じる。畳の上で寝るより居心地が良かった。
すぐに眠くなって来て、ふわふわした気持ちを抱えながらいま、わたし、すごく幸せだな、と感じた。
“嗚呼、やはりここにいましたか”
一期一振は探していた子供を見つけ、声を出さず小さく笑う。頃合いを見て短刀たちを寝かせている部屋を覗くと、ひよりだけ居なくなっているのに気付き一瞬焦りを覚えたが、あの子はいつも太郎太刀の膝の上にいたのを思い出した。彼の部屋に行けば予想通り、小さな身体がそこにあった。
時折流れてくる風で身体を冷やさぬようひよりの身体には太郎太刀の着物の袖が当てられている。それはどこか幼子を護る姿にも見えた。一期一振の気配などとうに勘付いているだろうに寝てるフリをしている太郎太刀は無言で目を閉じている。今ここに鶴丸が現世から取り寄せた『カメラ』という写し絵を撮れるやつがあったら使っていたかもしれないとこっそり胸の内で呟いた。
“今日は良き夏日ですね”
ちりんとどこかで風鈴が応えた。
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どうでも良い補足。
・うちの光忠は女子力がカンストしてる
・鶴丸の持ってるカメラは写◯ンです
・短刀たちまじ天使
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