五条悟
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「これから私、どうなるんだろう」
開けた窓から熱い空気が入ってくる。長い間クーラーが利いた快適な部屋にいた私にとって、現実を見るにはちょうど良い刺激だった。
「やぁ、楓。久しぶりだね」
外を覗いていれば入ってきた、元担任の五条先生。「何か見えるの?」と隣に並んだ彼に「何も見えませんよ」と答えて壁にもたれかかった。
「相変わらず大活躍みたいじゃん。僕の耳にも報告が入ってくるよ」
私の頭をぐしゃぐしゃーっと撫でるこの人は、私の恋心に気づいていない。まぁ、叶うことはないのだから、一生徒へのコミュニケーションを思い出として受け取っておくが。
「先生何しに来たんですか?」
「君の担任が急用でね。自習監督さ」
先生の手には、数枚のプリント。しかし、先生はクシャっと握るとポケットに突っ込んだ。
「やーめた。楓、進路相談しよ」
「相談も何も……私は実家に戻って、呪術師として働くと決まっています」
呪術師の家系に生まれた私は、呪術師になるしか選択肢がない。中学生のときは、OLやカフェの店員に憧れていたものだ。しかし、所詮女で家の所有物。私にそんな権利は無く、術式が無ければ高校にも通えなかっただろう。
「じゃあ、問題!なんで御三家の僕が教師してると思う?」
「顔が良いからですか?」
「んぁー!間違いじゃない!」
どんだけ自信家なんだよ、とツッコミたいところだが本当のことなので言うのを止めた。
「正解は、強く聡い仲間を育てて、呪術界を変えるためだよ」
「硝子には、『問題児のお前が!?』って散々言われたよ」とヘラヘラ笑う先生。そして、私に言い聞かすように言葉を続けた。
「家系なんて関係ない。夢を持つことは悪いことじゃないよ」
「そんなこと言われても、私は今まで、呪いを祓うことしかやったことない」
「大丈夫、楓は強い。だから呪術界 は君を必要としている。もし、違う世界でダメだったら戻ってくればいい」
幼い子は、親という安全基地があるから外の世界に興味を持ち、成長していく。私はもう子供じゃないから、安全基地はいらないと思っていた。でもそれは、ただの強がりだったらしい。先生にそう言われて、心が軽くなった。
「どうー?進路希望言う気になったー?」
「せんせい、好きです」
零れた本音。我に返って先生を見上げれば、口元に笑みを浮かべていた。
「うん。知ってた」
「私は、先生を眺めていたいので、高専から呪術師として働きたいです」
「……できることなら」とつけて足せば、「生徒が夢を叶えられるよう、道を整えるのが教師でしょ。任せなさーい!」と親指を立てた。
「そっか……これからも楓の顔みれるの嬉しいなー!」
生徒から告白されたというのに、さっきと変わらず頭を撫でる先生。やはり、生徒としか見ていないのか、言われ慣れているのか。どちらにしろ、告白は失敗で胸が痛んだ。
「僕を追うこと、止めないでね」
額に柔らかい感覚と、リップ音。驚いて額を抑えれば、目隠しをずらした先生と目が合った。
開けた窓から熱い空気が入ってくる。長い間クーラーが利いた快適な部屋にいた私にとって、現実を見るにはちょうど良い刺激だった。
「やぁ、楓。久しぶりだね」
外を覗いていれば入ってきた、元担任の五条先生。「何か見えるの?」と隣に並んだ彼に「何も見えませんよ」と答えて壁にもたれかかった。
「相変わらず大活躍みたいじゃん。僕の耳にも報告が入ってくるよ」
私の頭をぐしゃぐしゃーっと撫でるこの人は、私の恋心に気づいていない。まぁ、叶うことはないのだから、一生徒へのコミュニケーションを思い出として受け取っておくが。
「先生何しに来たんですか?」
「君の担任が急用でね。自習監督さ」
先生の手には、数枚のプリント。しかし、先生はクシャっと握るとポケットに突っ込んだ。
「やーめた。楓、進路相談しよ」
「相談も何も……私は実家に戻って、呪術師として働くと決まっています」
呪術師の家系に生まれた私は、呪術師になるしか選択肢がない。中学生のときは、OLやカフェの店員に憧れていたものだ。しかし、所詮女で家の所有物。私にそんな権利は無く、術式が無ければ高校にも通えなかっただろう。
「じゃあ、問題!なんで御三家の僕が教師してると思う?」
「顔が良いからですか?」
「んぁー!間違いじゃない!」
どんだけ自信家なんだよ、とツッコミたいところだが本当のことなので言うのを止めた。
「正解は、強く聡い仲間を育てて、呪術界を変えるためだよ」
「硝子には、『問題児のお前が!?』って散々言われたよ」とヘラヘラ笑う先生。そして、私に言い聞かすように言葉を続けた。
「家系なんて関係ない。夢を持つことは悪いことじゃないよ」
「そんなこと言われても、私は今まで、呪いを祓うことしかやったことない」
「大丈夫、楓は強い。だから
幼い子は、親という安全基地があるから外の世界に興味を持ち、成長していく。私はもう子供じゃないから、安全基地はいらないと思っていた。でもそれは、ただの強がりだったらしい。先生にそう言われて、心が軽くなった。
「どうー?進路希望言う気になったー?」
「せんせい、好きです」
零れた本音。我に返って先生を見上げれば、口元に笑みを浮かべていた。
「うん。知ってた」
「私は、先生を眺めていたいので、高専から呪術師として働きたいです」
「……できることなら」とつけて足せば、「生徒が夢を叶えられるよう、道を整えるのが教師でしょ。任せなさーい!」と親指を立てた。
「そっか……これからも楓の顔みれるの嬉しいなー!」
生徒から告白されたというのに、さっきと変わらず頭を撫でる先生。やはり、生徒としか見ていないのか、言われ慣れているのか。どちらにしろ、告白は失敗で胸が痛んだ。
「僕を追うこと、止めないでね」
額に柔らかい感覚と、リップ音。驚いて額を抑えれば、目隠しをずらした先生と目が合った。
1/1ページ