君とのこれから
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「いやぁ、俺ってモテ過ぎるねぇ…」
いつもファンから貰うプレゼント、ファンレター。
ありがたいって思ってる。
俺がこの地で頑張った証拠でもあるって。
でもそれだけじゃない。
身近に君が居てくれたから。
「妃奈子…ちゃん…?」
「……」
「…妃奈子…さん?」
「なんで他人みたいに呼ぶの?」
少し拗ねてしまった可愛い彼女
「妃奈子」
俺は彼女を抱きしめた。
「…怒ってる」
「知ってる」
いつもの安心する匂いが俺の鼻をくすぐる。
「徹にじゃなくて、自分に」
それも知ってる。
そう答える様に少し腕に力を込めた。
そうすると、おずおずと俺の体に腕を巻く。
この時間が好きだ。
頑固で甘えん坊。
妃奈子を体現するような抱きしめ返し方が俺は大好き。
「いつもなんで遠慮がちなの?」
大好きだけど、尋ねてみる。
「…恥ずかしいから」
「ははっ、知ってる。そういう所も好き」
付き合って何年経ったかな?
指輪を選びたい覚悟があること
ちゃんと妃奈子に届いてないのかもしれない。
「不安にさせてる?」
きっと違うって言うんだろうな
「させてない。私が勝手になってる」
そう言って何でも自分の問題にしちゃうから。
俺は少し体を離して目を合わせた
「妃奈子の問題は俺の問題でもあるんだから、ね」
下がり眉をした彼女は怒ってはいない。
「徹は私に甘すぎる」
今度は妃奈子から抱き着いて来る。
「甘くないよ、だって俺も勝手に不安だから」
小さな額に掛かる髪の毛、そこに口づけをする。
「こんな可愛い彼女、誰かにさらわれたらどうしようって」
「私、どこも行かないけど…」
「妃奈子にそのつもりがなくても…」
そう、そうじゃなくても、
君は君が笑顔にしている人たちへの自覚が薄いから。
「悪い男がいるかもしれないでしょ?」
「なにそれ」そう言って彼女が笑う。
俺は彼女の両手を掬うと唇に口づけを落とす。
多分、彼女が予想していたより深く。
彼女がゆっくりと、また遠慮がちにそれに応える。
そしてゆっくりと唇を離した。
「続き、明日の夜にしていい?」
妃奈子は少し潤んだ瞳で頷いた。
「あと明後日さ、」
「うん」
「一緒に行きたい所あるから、出かけようね」
「わかった」
玄関まで来ると
左の手を取って薬指に口づける。
「好きだよ、妃奈子。行ってくる」
「行ってらっしゃい。気を付けてね」
顔を少し赤くした妃奈子の笑顔に見送られ、
俺はドアを開けた。
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