キバユウ 一覧
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※死ネタ。閲覧注意。
※続きません、次回は③の続きです
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それは突然だった。
あの日、俺はジムチャレンジにやってきたトレーナー達を叩きのめしている最中だった。
一区切り着いたところで、電話が鳴った。
知らない番号だった。
いつもならとらないが、今日は全勝して気分が良かったのですぐに電話をとった。
「大変だ!
ユウリが…………」
-------------------------------------------
電話してきたのはホップだった。
嫌いな奴だから、こっそり電話帳から削除していた。
俺はキルクスタウンの病院に来ていた。
「ユウリ!ユウリ!おい、返事しろ!」
キルクスタウン周辺の雪山を登っている最中、雪崩に飲み込まれてしまった、とホップは説明した。
今は病院のベッドに横たわっているが、俺が来た時にはもう亡くなっていた。
これから葬儀が始まる。
横でユウリの母親と、ネズと、ホップと、ダンデ、ソニア、ビートが立ち尽くしていた。
「はは……」
何かの冗談だろ?ドッキリなんだろ?
そんなことは言える空気ではないが、もう笑うしかなかった。
ユウリの死がわかってから、100回は自殺という言葉が頭をよぎった。
「好きだった…のに…」
情けないとわかっていながら泣けてくる。
ネズは俺の背中をさすってくれた。
「ユウリは、こんな危ない所に行くような子じゃなかったのに…」
母親が涙を流した。
俺はユウリに何も伝えられなかった。
ただ最近、ユウリの服装だとか、メイクだとか、色々なことに口出しをし過ぎたのがホップにバレて、以前より明らかに敵視されていた。
入院着に着替えたユウリの首には俺がつけたキスマークが見えていた。
ちなみに腕と、太ももにもキスマークはある。
しかし、あと数時間でそれも消えるのだ。
俺だけのユウリは、もう少しでユウリという幻影だけ残して消えてしまう。
きっと世界は悲しむだろう。
この前バトルしに来てたダイゴというチャンピオンはきっと明日の朝にユウリについてのコメントを残すだろうし、ニュースでも全面的に取り上げるのだろう。
「なぁ、これ自殺だったらお前のせいだよな」
「ホップ、やめろ」
ホップが俺につかみかかってきた。ダンデがホップの腕を掴んだ。
「ユウリのお母さんの言う通り、ユウリはこんな所に1人で行くような人間じゃない!
SNSの投稿もおかしいし、前に会った時の顔色だって悪かった。
お前に変なことされてるって聞いて、絶対お前のせいだと思ったよ!
なあ!
お前のせいだろ!」
見るに見かねたダンデはホップの頬を殴った。
「やめて…ユウリだってそんなこと望んでないはずだよ」
ソニアが泣き崩れた。
ビートは部屋の隅で、何も言わずユウリの死に顔を見つめている。
「そうだな、俺のせいかもな」
3日前の夜。
俺が電話するとユウリはいつになく落ち込んでいて、「私が死んだらどうする?」と聞いてきた。
それを聞いた時、俺はすぐにユウリを俺の家に呼び出して、全身にキスマークをつけた。
その上で、いつものように激しいセックスをした。
自殺をほのめかして俺を動かそうとするユウリが許せなかったのだ。
今となってはユウリはあの時本気で自殺を考えていたのだろうとわかる。
危なくてポケモンも住まないような場所で彼女は発見された。
空飛ぶタクシーが偶然上空を通った時に、見つけたのだ。
修行だったのなら、ポケモンを持っていただろう。
しかし、彼女はポケモンを一体も持たずにこんな山奥まで来ていた。
遺書こそないが、普通に考えればこれは自殺だ。
だれもそれについて触れなかったのは、きっと俺が原因だと思っているからだ。
現に、だれもホップの言葉を否定していない。
ホップの鋭い眼光が俺に突き刺さる。
「そうだな…俺のせいだ…」
急に、ユウリの思い出がフラッシュバックした。
彼女はなんでも言うことを聞いてくれた。
自撮りの時「変顔しろよな!」と言えば馬鹿真面目に顔を伸ばしたし、
アイスを2人で食べてて、「美味しくない!」と言えば交換してくれた。
セックスの時はなにも言わずいつも受け入れてくれた。
ミニスカートをやめさせた時も、俺は暴言だらけだった。
「似合わない」「だれも見たくないよ」と言うと、彼女は悲しい顔をした。
その顔が好きすぎて、色んなところで俺は彼女をいじめ続けた。
顔色が悪くなったのも最近気付いた。
程よく肉のついた健康的な身体だったが、3日前にセックスした時にはうっすらあばらが浮いていた。
ふっくらした胸も明らかにサイズダウンしていた。
「可哀想に…」
ネズはユウリの手を優しく撫でた。
ソニアはユウリの足元で顔を伏せて泣いている。
「なにも死ななくても…」
ビートは声を押し殺して、すみれ色の瞳から涙を流した。
俺はみんなに置いていかれているような気がした。
俺はみんなから見れば殺人犯で、若くて未来ある生命を奪った最悪の人間だ。
「ユウリ、付き合ってくれ……」
遅すぎる言葉だ。
ユウリは何度その言葉を待っていただろう。
いや、むしろ俺なんかの告白よりネズやホップの告白の方が彼女にとって良かったのかもしれない。
ネズならもっと彼女を大事にしただろうし、
ホップなら、きっと理想的な家庭を作るのだろう。
とにかく俺はお呼びではないのだ。
俺は病室を後にした。
そして、そのまま屋上へ向かった。
なあ、見てるか?ユウリ
なんで死んだんだよ
俺様も死んで、天国までストーカーしてやりたいよ
「あははははははは!」
笑いが出た。
足が勝手に前に進んでいる。
手すりから身を乗り出して、下にだれもいないのを確認した。
「なあ!
待っててくれ!
地獄からでも這い上がって、
お前のところにたどり着いてやる!」
俺は屋上から飛び降りた。
後ろから、ホップの声が聞こえた。
それと同時に数人がこちらに走ってくる。
きっと俺は地獄行きだろうけど、
いつか絶対に会えるはず
だってオレさまは最強だから!
最後に、ユウリの顔が浮かんで、視界が真っ赤に染まった。
※続きません、次回は③の続きです
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それは突然だった。
あの日、俺はジムチャレンジにやってきたトレーナー達を叩きのめしている最中だった。
一区切り着いたところで、電話が鳴った。
知らない番号だった。
いつもならとらないが、今日は全勝して気分が良かったのですぐに電話をとった。
「大変だ!
ユウリが…………」
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電話してきたのはホップだった。
嫌いな奴だから、こっそり電話帳から削除していた。
俺はキルクスタウンの病院に来ていた。
「ユウリ!ユウリ!おい、返事しろ!」
キルクスタウン周辺の雪山を登っている最中、雪崩に飲み込まれてしまった、とホップは説明した。
今は病院のベッドに横たわっているが、俺が来た時にはもう亡くなっていた。
これから葬儀が始まる。
横でユウリの母親と、ネズと、ホップと、ダンデ、ソニア、ビートが立ち尽くしていた。
「はは……」
何かの冗談だろ?ドッキリなんだろ?
そんなことは言える空気ではないが、もう笑うしかなかった。
ユウリの死がわかってから、100回は自殺という言葉が頭をよぎった。
「好きだった…のに…」
情けないとわかっていながら泣けてくる。
ネズは俺の背中をさすってくれた。
「ユウリは、こんな危ない所に行くような子じゃなかったのに…」
母親が涙を流した。
俺はユウリに何も伝えられなかった。
ただ最近、ユウリの服装だとか、メイクだとか、色々なことに口出しをし過ぎたのがホップにバレて、以前より明らかに敵視されていた。
入院着に着替えたユウリの首には俺がつけたキスマークが見えていた。
ちなみに腕と、太ももにもキスマークはある。
しかし、あと数時間でそれも消えるのだ。
俺だけのユウリは、もう少しでユウリという幻影だけ残して消えてしまう。
きっと世界は悲しむだろう。
この前バトルしに来てたダイゴというチャンピオンはきっと明日の朝にユウリについてのコメントを残すだろうし、ニュースでも全面的に取り上げるのだろう。
「なぁ、これ自殺だったらお前のせいだよな」
「ホップ、やめろ」
ホップが俺につかみかかってきた。ダンデがホップの腕を掴んだ。
「ユウリのお母さんの言う通り、ユウリはこんな所に1人で行くような人間じゃない!
SNSの投稿もおかしいし、前に会った時の顔色だって悪かった。
お前に変なことされてるって聞いて、絶対お前のせいだと思ったよ!
なあ!
お前のせいだろ!」
見るに見かねたダンデはホップの頬を殴った。
「やめて…ユウリだってそんなこと望んでないはずだよ」
ソニアが泣き崩れた。
ビートは部屋の隅で、何も言わずユウリの死に顔を見つめている。
「そうだな、俺のせいかもな」
3日前の夜。
俺が電話するとユウリはいつになく落ち込んでいて、「私が死んだらどうする?」と聞いてきた。
それを聞いた時、俺はすぐにユウリを俺の家に呼び出して、全身にキスマークをつけた。
その上で、いつものように激しいセックスをした。
自殺をほのめかして俺を動かそうとするユウリが許せなかったのだ。
今となってはユウリはあの時本気で自殺を考えていたのだろうとわかる。
危なくてポケモンも住まないような場所で彼女は発見された。
空飛ぶタクシーが偶然上空を通った時に、見つけたのだ。
修行だったのなら、ポケモンを持っていただろう。
しかし、彼女はポケモンを一体も持たずにこんな山奥まで来ていた。
遺書こそないが、普通に考えればこれは自殺だ。
だれもそれについて触れなかったのは、きっと俺が原因だと思っているからだ。
現に、だれもホップの言葉を否定していない。
ホップの鋭い眼光が俺に突き刺さる。
「そうだな…俺のせいだ…」
急に、ユウリの思い出がフラッシュバックした。
彼女はなんでも言うことを聞いてくれた。
自撮りの時「変顔しろよな!」と言えば馬鹿真面目に顔を伸ばしたし、
アイスを2人で食べてて、「美味しくない!」と言えば交換してくれた。
セックスの時はなにも言わずいつも受け入れてくれた。
ミニスカートをやめさせた時も、俺は暴言だらけだった。
「似合わない」「だれも見たくないよ」と言うと、彼女は悲しい顔をした。
その顔が好きすぎて、色んなところで俺は彼女をいじめ続けた。
顔色が悪くなったのも最近気付いた。
程よく肉のついた健康的な身体だったが、3日前にセックスした時にはうっすらあばらが浮いていた。
ふっくらした胸も明らかにサイズダウンしていた。
「可哀想に…」
ネズはユウリの手を優しく撫でた。
ソニアはユウリの足元で顔を伏せて泣いている。
「なにも死ななくても…」
ビートは声を押し殺して、すみれ色の瞳から涙を流した。
俺はみんなに置いていかれているような気がした。
俺はみんなから見れば殺人犯で、若くて未来ある生命を奪った最悪の人間だ。
「ユウリ、付き合ってくれ……」
遅すぎる言葉だ。
ユウリは何度その言葉を待っていただろう。
いや、むしろ俺なんかの告白よりネズやホップの告白の方が彼女にとって良かったのかもしれない。
ネズならもっと彼女を大事にしただろうし、
ホップなら、きっと理想的な家庭を作るのだろう。
とにかく俺はお呼びではないのだ。
俺は病室を後にした。
そして、そのまま屋上へ向かった。
なあ、見てるか?ユウリ
なんで死んだんだよ
俺様も死んで、天国までストーカーしてやりたいよ
「あははははははは!」
笑いが出た。
足が勝手に前に進んでいる。
手すりから身を乗り出して、下にだれもいないのを確認した。
「なあ!
待っててくれ!
地獄からでも這い上がって、
お前のところにたどり着いてやる!」
俺は屋上から飛び降りた。
後ろから、ホップの声が聞こえた。
それと同時に数人がこちらに走ってくる。
きっと俺は地獄行きだろうけど、
いつか絶対に会えるはず
だってオレさまは最強だから!
最後に、ユウリの顔が浮かんで、視界が真っ赤に染まった。