ネズユウ 一覧
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今日はよく晴れていて、気持ちがいい。
海の匂いを感じたのはいつぶりだろう。
今私はアローラ地方にいる。
チャンピオンに就任してから、まさかこんなに色んな地方に出向くとは思わなかった。
ダンデさんがあまりご飯を家で食べない理由がわかった。
忙しすぎて家に帰る暇がないのだ。
後ろにはカメラマンが控えていて、私を常に撮っている。
あまりガラルでは着ない水着を着て、上に半袖シャツを羽織った。
少し露出が恥ずかしかったが、あまり気にせずポケモンを捕まえたりバトルしたり、アローラでの一日を満喫した。
それからガラルに戻り、しばらく経ったある日。
「なんですかこれ」
突然ネズさんの部屋に呼び出されたかと思えば、ネズさんは机に雑誌を投げた。
表紙にはあの時の水着を着た私が振り返った姿が写っていた。
私の希望で、胸の谷間やお腹はなるべく写さないようにしてもらっていた。
恥ずかしいから…というのが一番の理由だが、一応ネズさんにも配慮をしたつもりだった。
「あっ、もう出来上がったんですねー」
「出来上がったんですねーじゃありません!」
ネズさんは私の呑気な口調をしっかり真似て、ピシャリと言い放った。
「表紙はまだいいです。でも、これ!」
ネズさんはあるページを摘んだ。
しっかりページの端を折っているのがネズさんらしい。
ポケモン勝負をしているときの私だ。
やけに写りがいいから、恐らく加工しているのだろう。
お腹はひっこみ、胸は少しだけ大きく、スタイルがよくなっていた。
編集部の配慮には頭が下がる。
「どーなってるんですか、こんな写真出回るなら行かせませんでしたよ」
「さっきから目が怖いです、ネズさん…」
クマと四白眼の相乗効果で、ネズさんの顔はライブ中よりも恐ろしいことになっている。
「いい加減、二人の関係を公表しませんか?」
ネズさんはすっかり落ち込んでしまっている。
「どうしても、リーグ運営的にはそういう売り方はしたくないみたいです。ネズさんも私も異性のファンがいますし…」
なんとかフォローするが、言葉がまったく届いていない。ネズさんは無反応だ。
「俺のファンは男性の方が多いです。
…あと、恋人ができたからって離れるようなファンはいりません。
どちらにしても気持ちに答えることはできないんですから。
リーグ運営的には、ユウリにアイドル的な仕事をさせたいから、じゃないですかね。」
確かに、最近の仕事はアイドルみたいな仕事が多い。
水着とか、握手会とか、そんな仕事が最近増えてきた。
握手会にくる人は男性の方が多い。
前に握手会を開いた時はネズさんがお忍びで来ていて、私にセクハラをした来場者に暴言を吐いていた。
いつか私もグラビアアイドルみたいになるんだろうか。
断固としてやりたくはないが。
「はぁ……
まあ、正直ユウリは可愛いですし、あまり喋るのは得意では無いですから、こういう仕事が向いてるのかもしれません。」
事実だが失礼な物言いだ。
開会式をサボったジムリーダーはジムリーダーに向いているんですか、と言い返してやろうと思ったが、彼の気持ちを汲んで飲み込んだ。
可愛いと言われたのも嬉しかった。
「正直…チャンピオンになったのは私自身予想してなくて。
チャンピオンがこんなに忙しいって事も知らなかったです。
でも…ただ戦ってるだけじゃ、やっぱりポケモンリーグに参加しようって人は減るんじゃないかなって思います。
私は自分の売り方がわからなくて…
だからなるべく運営に逆らいたくないんです。」
今の気持ちを正直に述べた。
ネズさんは相槌は打ってくれているが、いつも通りなにを考えているのかよくわからなかった。
しばらく沈黙が続いたあと、ネズさんはようやく口を開いた。
「今すぐには無理ですが…
俺とユウリの番組を作ってもらいましょう。あるいは雑誌や新聞のコラムとか。
とにかくメディアで接点を作るんです。
で、お互いがお互いを尊敬し合ってるところをアピールして、最終的には付き合っていることを公表するんですよ。」
私はそれがどうしても上手くいくとは思えなかった。
リーグ運営にはあのローズ委員長と秘書が1枚噛んでいる。
私やネズさんが掛け合ったところで、簡単に意図を読み取られてしまうと思う。
「その顔は……無理だろって顔ですね」
ネズさんはげんなりとして、コーヒーをいれにいった。
時計の秒針が部屋に響く。
私も、どうしたらいいかわからなかった。
SNSで「ユウリ」と調べてエゴサーチをすると、私の水着写真の評判が良かったことが分かる。
ただ、チラホラと「エロ過ぎる」「ハメ倒したい」などの言葉もあり、スマホをソファに放った。
ネズさんが見たら発狂するだろう。
あるいはもう見ているかもしれない。
「マリィもね…仕方ないって言ってました」
コーヒーを両手にネズさんは戻った。
私の前にカフェオレが置かれる。
「ユウリが可愛すぎるのが悪いんです」
ネズさんはソファに落ちた私のスマホを渡そうとして、手に取った。
画面が光っているのが見えた。
ネズさんの目は見開き、スマホを持っている腕が震えた。
このままではまずいと思い、すぐにスマホを奪い取ろうとしたが、よけられてしまった。
「エ……エロ過ぎるって、未成年にどういう発想していやがるんですか!」
「エロくないですよ!私、寸胴だし…」
「いーやエロいです!エロ過ぎです!」
「エ、エロいですか?」
「……。」
ネズさんは咳払いをして、今度こそ私にスマホを返した。
スマホの置いてあった場所に、ネズさんは腰掛ける。
「ともかく、ビキニなんて今後認めません」
「じゃ、じゃあネズさんにはもっとエッチなの見せてあげますから」
「安売りするんじゃありません!」
冗談っぽく提案すると、ネズさんはそれを一蹴した。
あまりの剣幕に「ひっ…」と声が出た。
母親にここまで怒られたこともそうそうない。
母はこの雑誌をみて何を思ったのだろう。
恐らく何も考えていないと思う。
せいぜい「若いっていいわねー」くらいだと思う。
ガラルでは15歳のグラビアアイドルはたくさんいるし、一人暮らしや、家庭を持っている人も少なくはなかった。
だから、こんなに露出を気にしているのはネズさんくらいだ。
「怒らないで欲しい…です…」
スマホで顔を隠し、ネズさんを見つめた。
ネズさんは眉間を抑えて、ため息をついた。
「ユウリは…世間知らずです。
未だにダンデに肩車してもらってるし、キバナにも変な可愛がられ方をしてます。」
「肩車は去年の話です!」
去年の話で、しかも1度だけだ。ホップと3人でいる時にふざけてやった。
「ホップとも…友達で押し通してるみたいですけど、週刊誌は距離の近さが怪しいと取り上げてるのに気付いてますか?」
「それは…」
さすがに気付いていた。だから、最近は変装してこっそり会っている。
「ああもう、なんでそんなに見つめるんですか」
ネズさんは私のことを抱きしめて、頬にキスをした。
「可愛すぎて、見たくなります。
…もっと際どい姿」
ドキッとした。今にも食べられてしまいそうだ。
「…見てみます?」
照れながらそう言うと、ネズさんは自身の頬をぶって思いっきりつねった。
「……あああああ!もう!」
「ネズさんって、わけわかんないですね!」
口説いてきたと思えば、突然叫び出すネズさんがあまりにもおかしくて、思わずふき出した。
でも…
心配かけたくないから
水着の仕事は減らそうかな
私は、ネズさんにキスをした。
ネズさんは真っ赤になって、小さく悲鳴をあげた。
海の匂いを感じたのはいつぶりだろう。
今私はアローラ地方にいる。
チャンピオンに就任してから、まさかこんなに色んな地方に出向くとは思わなかった。
ダンデさんがあまりご飯を家で食べない理由がわかった。
忙しすぎて家に帰る暇がないのだ。
後ろにはカメラマンが控えていて、私を常に撮っている。
あまりガラルでは着ない水着を着て、上に半袖シャツを羽織った。
少し露出が恥ずかしかったが、あまり気にせずポケモンを捕まえたりバトルしたり、アローラでの一日を満喫した。
それからガラルに戻り、しばらく経ったある日。
「なんですかこれ」
突然ネズさんの部屋に呼び出されたかと思えば、ネズさんは机に雑誌を投げた。
表紙にはあの時の水着を着た私が振り返った姿が写っていた。
私の希望で、胸の谷間やお腹はなるべく写さないようにしてもらっていた。
恥ずかしいから…というのが一番の理由だが、一応ネズさんにも配慮をしたつもりだった。
「あっ、もう出来上がったんですねー」
「出来上がったんですねーじゃありません!」
ネズさんは私の呑気な口調をしっかり真似て、ピシャリと言い放った。
「表紙はまだいいです。でも、これ!」
ネズさんはあるページを摘んだ。
しっかりページの端を折っているのがネズさんらしい。
ポケモン勝負をしているときの私だ。
やけに写りがいいから、恐らく加工しているのだろう。
お腹はひっこみ、胸は少しだけ大きく、スタイルがよくなっていた。
編集部の配慮には頭が下がる。
「どーなってるんですか、こんな写真出回るなら行かせませんでしたよ」
「さっきから目が怖いです、ネズさん…」
クマと四白眼の相乗効果で、ネズさんの顔はライブ中よりも恐ろしいことになっている。
「いい加減、二人の関係を公表しませんか?」
ネズさんはすっかり落ち込んでしまっている。
「どうしても、リーグ運営的にはそういう売り方はしたくないみたいです。ネズさんも私も異性のファンがいますし…」
なんとかフォローするが、言葉がまったく届いていない。ネズさんは無反応だ。
「俺のファンは男性の方が多いです。
…あと、恋人ができたからって離れるようなファンはいりません。
どちらにしても気持ちに答えることはできないんですから。
リーグ運営的には、ユウリにアイドル的な仕事をさせたいから、じゃないですかね。」
確かに、最近の仕事はアイドルみたいな仕事が多い。
水着とか、握手会とか、そんな仕事が最近増えてきた。
握手会にくる人は男性の方が多い。
前に握手会を開いた時はネズさんがお忍びで来ていて、私にセクハラをした来場者に暴言を吐いていた。
いつか私もグラビアアイドルみたいになるんだろうか。
断固としてやりたくはないが。
「はぁ……
まあ、正直ユウリは可愛いですし、あまり喋るのは得意では無いですから、こういう仕事が向いてるのかもしれません。」
事実だが失礼な物言いだ。
開会式をサボったジムリーダーはジムリーダーに向いているんですか、と言い返してやろうと思ったが、彼の気持ちを汲んで飲み込んだ。
可愛いと言われたのも嬉しかった。
「正直…チャンピオンになったのは私自身予想してなくて。
チャンピオンがこんなに忙しいって事も知らなかったです。
でも…ただ戦ってるだけじゃ、やっぱりポケモンリーグに参加しようって人は減るんじゃないかなって思います。
私は自分の売り方がわからなくて…
だからなるべく運営に逆らいたくないんです。」
今の気持ちを正直に述べた。
ネズさんは相槌は打ってくれているが、いつも通りなにを考えているのかよくわからなかった。
しばらく沈黙が続いたあと、ネズさんはようやく口を開いた。
「今すぐには無理ですが…
俺とユウリの番組を作ってもらいましょう。あるいは雑誌や新聞のコラムとか。
とにかくメディアで接点を作るんです。
で、お互いがお互いを尊敬し合ってるところをアピールして、最終的には付き合っていることを公表するんですよ。」
私はそれがどうしても上手くいくとは思えなかった。
リーグ運営にはあのローズ委員長と秘書が1枚噛んでいる。
私やネズさんが掛け合ったところで、簡単に意図を読み取られてしまうと思う。
「その顔は……無理だろって顔ですね」
ネズさんはげんなりとして、コーヒーをいれにいった。
時計の秒針が部屋に響く。
私も、どうしたらいいかわからなかった。
SNSで「ユウリ」と調べてエゴサーチをすると、私の水着写真の評判が良かったことが分かる。
ただ、チラホラと「エロ過ぎる」「ハメ倒したい」などの言葉もあり、スマホをソファに放った。
ネズさんが見たら発狂するだろう。
あるいはもう見ているかもしれない。
「マリィもね…仕方ないって言ってました」
コーヒーを両手にネズさんは戻った。
私の前にカフェオレが置かれる。
「ユウリが可愛すぎるのが悪いんです」
ネズさんはソファに落ちた私のスマホを渡そうとして、手に取った。
画面が光っているのが見えた。
ネズさんの目は見開き、スマホを持っている腕が震えた。
このままではまずいと思い、すぐにスマホを奪い取ろうとしたが、よけられてしまった。
「エ……エロ過ぎるって、未成年にどういう発想していやがるんですか!」
「エロくないですよ!私、寸胴だし…」
「いーやエロいです!エロ過ぎです!」
「エ、エロいですか?」
「……。」
ネズさんは咳払いをして、今度こそ私にスマホを返した。
スマホの置いてあった場所に、ネズさんは腰掛ける。
「ともかく、ビキニなんて今後認めません」
「じゃ、じゃあネズさんにはもっとエッチなの見せてあげますから」
「安売りするんじゃありません!」
冗談っぽく提案すると、ネズさんはそれを一蹴した。
あまりの剣幕に「ひっ…」と声が出た。
母親にここまで怒られたこともそうそうない。
母はこの雑誌をみて何を思ったのだろう。
恐らく何も考えていないと思う。
せいぜい「若いっていいわねー」くらいだと思う。
ガラルでは15歳のグラビアアイドルはたくさんいるし、一人暮らしや、家庭を持っている人も少なくはなかった。
だから、こんなに露出を気にしているのはネズさんくらいだ。
「怒らないで欲しい…です…」
スマホで顔を隠し、ネズさんを見つめた。
ネズさんは眉間を抑えて、ため息をついた。
「ユウリは…世間知らずです。
未だにダンデに肩車してもらってるし、キバナにも変な可愛がられ方をしてます。」
「肩車は去年の話です!」
去年の話で、しかも1度だけだ。ホップと3人でいる時にふざけてやった。
「ホップとも…友達で押し通してるみたいですけど、週刊誌は距離の近さが怪しいと取り上げてるのに気付いてますか?」
「それは…」
さすがに気付いていた。だから、最近は変装してこっそり会っている。
「ああもう、なんでそんなに見つめるんですか」
ネズさんは私のことを抱きしめて、頬にキスをした。
「可愛すぎて、見たくなります。
…もっと際どい姿」
ドキッとした。今にも食べられてしまいそうだ。
「…見てみます?」
照れながらそう言うと、ネズさんは自身の頬をぶって思いっきりつねった。
「……あああああ!もう!」
「ネズさんって、わけわかんないですね!」
口説いてきたと思えば、突然叫び出すネズさんがあまりにもおかしくて、思わずふき出した。
でも…
心配かけたくないから
水着の仕事は減らそうかな
私は、ネズさんにキスをした。
ネズさんは真っ赤になって、小さく悲鳴をあげた。