キバユウ 一覧
Name
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
※ホップ視点
※キバナ不在
※ホップ切甘
最近、ユウリの様子がおかしい。
電話することとか、メールをしている回数が増えている。
俺が突然電話すると、いつも話し中になる。
この間研究所でソニアにその事を相談すると「でもあんた達付き合ってないんでしょ」と言われた。
確かに、俺はユウリに恋人という関係を求めていなかった。
しかし、なぜだろう。
あの時ユウリがハッキリ断ったはずのアイツの顔が浮かぶのは…。
「なんか最近、ユウリ忙しいみたいだよな」
ユウリはそう?と笑った。
なんとなく顔色が悪い気がする。
服も、前はミニスカートばかりだったのに最近ハーフパンツやジーンズが増えた。
「なあ、何か困ったことがあったら…」
俺に相談して、と言おうとして言葉が詰まった。
結局、アイツからユウリを守ろうとした時も、俺は何も出来なかった。
もしアニキならポケモンでボコボコにしてたのに、俺は何度アイツに挑んでも勝てなかった。
ユウリはチャンピオンになってから、1度も負けたことがない。
アニキどころか、他の地方のチャンピオンにも負けない。
無敗の女王、という肩書きが定着しはじめている。
自信家なアイツですら、ユウリの前では敗北を意識せざるを得ない。それほどまでに絶対的な存在だ。
そんな彼女を、俺はどうやって守ったらいいんだろう?
ここ最近ずっと考えていた。
「今日一日暇だって言ってたよな?
ワイルドエリア行かないか?」
「…いいよ!」
ユウリは一瞬引きつった表情を見せたが、すぐに了承してくれた。
空飛ぶタクシーに乗って、ワイルドエリアで降りた。
今日はエリア全体で雪が降っている。
「雪だから滑らないようにな!」
いつもなら俺はそういう時にユウリに手を貸すのだが、なんとなく最近は彼女に触れるのが怖くなった。
彼女自身が触れられるのを望んでいないような気がするのだ。
「ユウリさん?!…ですよね!」
遠くからユウリのファンらしき人達がやってきた。
ユウリは言われるがままにサインをしたり、握手や自撮りをやっている。
俺は何も言わずそれを見ていた。
「彼氏さんですか?」
ファンの1人がユウリに尋ねると、ユウリは笑いながら「ちがいますよ!ね?」と言って、俺にも同意を求めた。
ジムチャレンジの時から「彼氏ですか?」と聞かれることは多々あった。
いつも2人で「そんなわけない!」と笑っていることが多かった。
しかし、今日聞きたくないことを聞いてしまった。
「最近キバナさんと一緒にいることが多いですもんね!」
ファンの1人の発言だ。
ユウリはわかりやすく焦って見せて、こちらの様子をしきりに気にしていた。
「わ、私たち、用事あるから、ごめんね!」
そう言ってユウリは会話を切り上げると、しばらく経って雪の中2人きりになった。
「…あの時断ってたんじゃなかったのかよ」
ユウリを責めるような言葉が出る。
ソニアの「でもあんた達付き合ってないんでしょ」が脳内をぐるぐる回る。
そうだ、そんな権限俺にはない。
「キバナさんね、あの後謝りに来てくれて…
SNSによく私の事書いてるみたい」
ユウリが変な絡まれ方をするようになってから、俺はアイツのSNSだけは見なかった。
ユウリの口から名前が出てくる度にイライラする。
「最近はテレビの共演とかが多いかな?」
それは最近俺も気付いていた。
他のジムリーダーより、明らかに共演回数が多いのだ。もちろん俺は見ていない。
口下手でクールなイメージの彼女には、アイツは合わせやすいのだろう。
次に多いのはアニキとの共演だ。
「ユウリは付き合いたいのか?」
「ううん!全然!でもいい人だよね」
ユウリは控えめに笑った。
その言葉を聞いて、俺は安心した。
今日はあまりポケモンの修行や捕獲が出来なかったが、テントで泊まることになった。
ユウリと協力してカレーを作っている時、ユウリの電話が鳴った。
なんとなく背中がヒヤリとした。
「はい………今はホップと一緒にいます。メールは…今日出来ないって前から言ってありましたよね……はい…すみません」
電話の先の男性の声が何か怒鳴っているのが聞こえる。
怒鳴られて萎縮しているユウリを見て、以前の俺なら助けに入っていた。
しかし、ユウリが今何を考えているのかわからない。
怒鳴られるような関係を彼女が望んでいたのなら、俺にはどうすることもできない。
そんなこと、ありえるはずがないのに。
電話が終わるまで、俺はカレーの用意を続けていた。
声が途切れたのを見計らって、ユウリの方を見ると、彼女は静かに泣いていた。
涙を拭くこともせず、ただ無表情に涙を流していた。
すぐにサーナイト達が心配そうに駆け寄る。
「ユウリ?」
俺はポケットティッシュを彼女に渡した。
冷静を装っているが、頭の中はパニックだ。
ありがとう、といって彼女は自分の涙を拭いた。
「俺、ポケモンも強くないし…
本当に頼りないけどさ
でも絶対諦めないから
頼ってくれよ」
自分でも、らしくないことを言ったと思った。
ユウリはありがとう…とさらに涙した。
その後、カレーを食べながらユウリは少しずつアイツのことを話してくれた。
最近スカートを履けないのは口出しされるから、とか
電話を日に最低2回、メールを10回はしないと機嫌が悪くなる、とか
恋人でもないのに、そこまで付き合わなくていいことは自覚していることとか
ユウリ自身の言葉でゆっくり話してくれた。
話が一区切りする度、俺は「話してくれてありがとうな」とお礼を言うようにした。
少しでも多く彼女の悩みを引き出したかった。
ただ、
俺はユウリのために
なにができるんだろう
それだけがわからないまま時間が過ぎて、就寝時間になった。
さすがにテントは分けるが、隣りで寝ていると考えるとなんとなく意識してしまう。
ユウリのテントを見ると、ランタンは消えているが、スマホ小さな明かりがぼんやりと見えた。
今アイツとメールしてるのかな…どうしてもマイナス思考になってしまう。
ソニアは「付き合ってないんでしょ」と言ったあと、「告白しちゃえばいいじゃない」と軽く笑っていた。
俺は、今までの二人の関係をどこまでも続けたいと思っていた。
告白して断られたら?
付き合ってもなにかがきっかけで別れたら?
色んなマイナス要素ばかりが頭に浮かぶと、とても動くことが出来なかった。
ユウリのテントを見ると、明かりが消えていた。
それを見てなんとなく安心して、すぐに眠れた。
朝起きると、コーヒーのいい香りがした。
いつもなら寝癖も直さず外に出るが、今日は寝癖を直して服も着替えた。
「ユウリ、おはよ」
「朝食の準備できてるよー」
ユウリはいつも、キャンプの朝にコーヒーとトーストを作ってくれる。
その風景を見る度、いつもたまらなく嬉しくなる。
視界の端に、ユウリの白い足が映った。
「スカート…」
「うん、履いてみたの」
ユウリは目を逸らしながら笑った。
照れているのだと思う。
きっとアイツはこんなユウリを見せたくなかったんだろう。
勝ち誇った気分だ。
「うん、かわいいな!」
「あっ………あり…がとう」
また、二人の関係に光がさしたような気がした。
※キバナ不在
※ホップ切甘
最近、ユウリの様子がおかしい。
電話することとか、メールをしている回数が増えている。
俺が突然電話すると、いつも話し中になる。
この間研究所でソニアにその事を相談すると「でもあんた達付き合ってないんでしょ」と言われた。
確かに、俺はユウリに恋人という関係を求めていなかった。
しかし、なぜだろう。
あの時ユウリがハッキリ断ったはずのアイツの顔が浮かぶのは…。
「なんか最近、ユウリ忙しいみたいだよな」
ユウリはそう?と笑った。
なんとなく顔色が悪い気がする。
服も、前はミニスカートばかりだったのに最近ハーフパンツやジーンズが増えた。
「なあ、何か困ったことがあったら…」
俺に相談して、と言おうとして言葉が詰まった。
結局、アイツからユウリを守ろうとした時も、俺は何も出来なかった。
もしアニキならポケモンでボコボコにしてたのに、俺は何度アイツに挑んでも勝てなかった。
ユウリはチャンピオンになってから、1度も負けたことがない。
アニキどころか、他の地方のチャンピオンにも負けない。
無敗の女王、という肩書きが定着しはじめている。
自信家なアイツですら、ユウリの前では敗北を意識せざるを得ない。それほどまでに絶対的な存在だ。
そんな彼女を、俺はどうやって守ったらいいんだろう?
ここ最近ずっと考えていた。
「今日一日暇だって言ってたよな?
ワイルドエリア行かないか?」
「…いいよ!」
ユウリは一瞬引きつった表情を見せたが、すぐに了承してくれた。
空飛ぶタクシーに乗って、ワイルドエリアで降りた。
今日はエリア全体で雪が降っている。
「雪だから滑らないようにな!」
いつもなら俺はそういう時にユウリに手を貸すのだが、なんとなく最近は彼女に触れるのが怖くなった。
彼女自身が触れられるのを望んでいないような気がするのだ。
「ユウリさん?!…ですよね!」
遠くからユウリのファンらしき人達がやってきた。
ユウリは言われるがままにサインをしたり、握手や自撮りをやっている。
俺は何も言わずそれを見ていた。
「彼氏さんですか?」
ファンの1人がユウリに尋ねると、ユウリは笑いながら「ちがいますよ!ね?」と言って、俺にも同意を求めた。
ジムチャレンジの時から「彼氏ですか?」と聞かれることは多々あった。
いつも2人で「そんなわけない!」と笑っていることが多かった。
しかし、今日聞きたくないことを聞いてしまった。
「最近キバナさんと一緒にいることが多いですもんね!」
ファンの1人の発言だ。
ユウリはわかりやすく焦って見せて、こちらの様子をしきりに気にしていた。
「わ、私たち、用事あるから、ごめんね!」
そう言ってユウリは会話を切り上げると、しばらく経って雪の中2人きりになった。
「…あの時断ってたんじゃなかったのかよ」
ユウリを責めるような言葉が出る。
ソニアの「でもあんた達付き合ってないんでしょ」が脳内をぐるぐる回る。
そうだ、そんな権限俺にはない。
「キバナさんね、あの後謝りに来てくれて…
SNSによく私の事書いてるみたい」
ユウリが変な絡まれ方をするようになってから、俺はアイツのSNSだけは見なかった。
ユウリの口から名前が出てくる度にイライラする。
「最近はテレビの共演とかが多いかな?」
それは最近俺も気付いていた。
他のジムリーダーより、明らかに共演回数が多いのだ。もちろん俺は見ていない。
口下手でクールなイメージの彼女には、アイツは合わせやすいのだろう。
次に多いのはアニキとの共演だ。
「ユウリは付き合いたいのか?」
「ううん!全然!でもいい人だよね」
ユウリは控えめに笑った。
その言葉を聞いて、俺は安心した。
今日はあまりポケモンの修行や捕獲が出来なかったが、テントで泊まることになった。
ユウリと協力してカレーを作っている時、ユウリの電話が鳴った。
なんとなく背中がヒヤリとした。
「はい………今はホップと一緒にいます。メールは…今日出来ないって前から言ってありましたよね……はい…すみません」
電話の先の男性の声が何か怒鳴っているのが聞こえる。
怒鳴られて萎縮しているユウリを見て、以前の俺なら助けに入っていた。
しかし、ユウリが今何を考えているのかわからない。
怒鳴られるような関係を彼女が望んでいたのなら、俺にはどうすることもできない。
そんなこと、ありえるはずがないのに。
電話が終わるまで、俺はカレーの用意を続けていた。
声が途切れたのを見計らって、ユウリの方を見ると、彼女は静かに泣いていた。
涙を拭くこともせず、ただ無表情に涙を流していた。
すぐにサーナイト達が心配そうに駆け寄る。
「ユウリ?」
俺はポケットティッシュを彼女に渡した。
冷静を装っているが、頭の中はパニックだ。
ありがとう、といって彼女は自分の涙を拭いた。
「俺、ポケモンも強くないし…
本当に頼りないけどさ
でも絶対諦めないから
頼ってくれよ」
自分でも、らしくないことを言ったと思った。
ユウリはありがとう…とさらに涙した。
その後、カレーを食べながらユウリは少しずつアイツのことを話してくれた。
最近スカートを履けないのは口出しされるから、とか
電話を日に最低2回、メールを10回はしないと機嫌が悪くなる、とか
恋人でもないのに、そこまで付き合わなくていいことは自覚していることとか
ユウリ自身の言葉でゆっくり話してくれた。
話が一区切りする度、俺は「話してくれてありがとうな」とお礼を言うようにした。
少しでも多く彼女の悩みを引き出したかった。
ただ、
俺はユウリのために
なにができるんだろう
それだけがわからないまま時間が過ぎて、就寝時間になった。
さすがにテントは分けるが、隣りで寝ていると考えるとなんとなく意識してしまう。
ユウリのテントを見ると、ランタンは消えているが、スマホ小さな明かりがぼんやりと見えた。
今アイツとメールしてるのかな…どうしてもマイナス思考になってしまう。
ソニアは「付き合ってないんでしょ」と言ったあと、「告白しちゃえばいいじゃない」と軽く笑っていた。
俺は、今までの二人の関係をどこまでも続けたいと思っていた。
告白して断られたら?
付き合ってもなにかがきっかけで別れたら?
色んなマイナス要素ばかりが頭に浮かぶと、とても動くことが出来なかった。
ユウリのテントを見ると、明かりが消えていた。
それを見てなんとなく安心して、すぐに眠れた。
朝起きると、コーヒーのいい香りがした。
いつもなら寝癖も直さず外に出るが、今日は寝癖を直して服も着替えた。
「ユウリ、おはよ」
「朝食の準備できてるよー」
ユウリはいつも、キャンプの朝にコーヒーとトーストを作ってくれる。
その風景を見る度、いつもたまらなく嬉しくなる。
視界の端に、ユウリの白い足が映った。
「スカート…」
「うん、履いてみたの」
ユウリは目を逸らしながら笑った。
照れているのだと思う。
きっとアイツはこんなユウリを見せたくなかったんだろう。
勝ち誇った気分だ。
「うん、かわいいな!」
「あっ………あり…がとう」
また、二人の関係に光がさしたような気がした。