千早と雪歩
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「はぁぁ………」
雪歩は、大きなため息をついた。手に持っているお茶はとっくに冷めてしまっている。
「雪歩ー、握手会辛いのわかるけどさー」
「無理ですぅ………アイドル…辞めたいですぅ」
雪歩は、朝からずっと事務所の端っこで事務イスを置いて座り込んでいる。
「でも、今日ちゃんと来て偉いじゃん?」
「練習行かなかったら、千早ちゃんに迷惑かけちゃいますし…」
明日は、雪歩個人の新曲、Kosmos,Cosmos,のお披露目会兼握手会だ。歌とダンスは全く問題がないのだが、握手会に対して雪歩はとてつもない嫌悪感を示しているようだった。
「千早ちゃんは、どうやってこなしてましたか?」
「んー、セクハラしてくる人はキッて睨みつけてたなー」
カオルは、千早の握手会のことを思い出し乾いた笑いがでた。千早の睨みつける時の目つきは相当なものだったからだ。
「わ、私は睨みつけたりとかは…」
「私が代わりに睨みつけようか?…というか、握手以外は許すつもりないんだけど。」
雪歩は、その言葉を聞いて少し落ち着いたようだったが、すぐに震え出した。
「あの、もし、それでもなにかされそうになったら…?」
雪歩は、カオルが過激なファンを止められるかどうかを心配しているようだ。カオルは、なにか対策ができないか考えた。
「本当はダメだけど…真にボディーガード、頼んでみようか?」
雪歩は、男性プロデューサーとあまり馴染んでいないようだから、真ならどうだろうと思い提案した。
「うーん…でも…そ、それなら…いいかもです」
雪歩はしばらく考えていたが、真なら何とかしてくれるだろうと思ってくれたようで、了承してくれた。
「でもね、雪歩…」
カオルは雪歩の手を握った。
「雪歩にアイドル活動を好きになってもらうのが私の目標なの。だからアイドルでいるのが嫌になって、本当に辞めたくなったら…その時は…」
全て言い終わる前に、雪歩はカオルの手を握った。小さな白い手の握力は、雪歩の性格も相まってとてつもなく弱く感じた。
「私。アイドルがんばりますから。」
雪歩は、カオルをまっすぐに見つめてそう言った。
先程まで辞めたいと言っていた彼女の口から、ほんの数分でがんばりますというの言葉が出てきてしまうとは。
今回に限らず雪歩はいつもそんな調子だ。
本気で辞めたい、本気で続けたいの間を、彼女は激しく揺れ動いているのだ。
思春期特有の不安定さ。
千早や、他のアイドル達からは感じられないが、その不安定さは雪歩の魅力のひとつなのかもしれない。
「雪歩…。明日も頑張ろうね」
カオルは、雪歩の手を優しく撫でた。
雪歩は、大きなため息をついた。手に持っているお茶はとっくに冷めてしまっている。
「雪歩ー、握手会辛いのわかるけどさー」
「無理ですぅ………アイドル…辞めたいですぅ」
雪歩は、朝からずっと事務所の端っこで事務イスを置いて座り込んでいる。
「でも、今日ちゃんと来て偉いじゃん?」
「練習行かなかったら、千早ちゃんに迷惑かけちゃいますし…」
明日は、雪歩個人の新曲、Kosmos,Cosmos,のお披露目会兼握手会だ。歌とダンスは全く問題がないのだが、握手会に対して雪歩はとてつもない嫌悪感を示しているようだった。
「千早ちゃんは、どうやってこなしてましたか?」
「んー、セクハラしてくる人はキッて睨みつけてたなー」
カオルは、千早の握手会のことを思い出し乾いた笑いがでた。千早の睨みつける時の目つきは相当なものだったからだ。
「わ、私は睨みつけたりとかは…」
「私が代わりに睨みつけようか?…というか、握手以外は許すつもりないんだけど。」
雪歩は、その言葉を聞いて少し落ち着いたようだったが、すぐに震え出した。
「あの、もし、それでもなにかされそうになったら…?」
雪歩は、カオルが過激なファンを止められるかどうかを心配しているようだ。カオルは、なにか対策ができないか考えた。
「本当はダメだけど…真にボディーガード、頼んでみようか?」
雪歩は、男性プロデューサーとあまり馴染んでいないようだから、真ならどうだろうと思い提案した。
「うーん…でも…そ、それなら…いいかもです」
雪歩はしばらく考えていたが、真なら何とかしてくれるだろうと思ってくれたようで、了承してくれた。
「でもね、雪歩…」
カオルは雪歩の手を握った。
「雪歩にアイドル活動を好きになってもらうのが私の目標なの。だからアイドルでいるのが嫌になって、本当に辞めたくなったら…その時は…」
全て言い終わる前に、雪歩はカオルの手を握った。小さな白い手の握力は、雪歩の性格も相まってとてつもなく弱く感じた。
「私。アイドルがんばりますから。」
雪歩は、カオルをまっすぐに見つめてそう言った。
先程まで辞めたいと言っていた彼女の口から、ほんの数分でがんばりますというの言葉が出てきてしまうとは。
今回に限らず雪歩はいつもそんな調子だ。
本気で辞めたい、本気で続けたいの間を、彼女は激しく揺れ動いているのだ。
思春期特有の不安定さ。
千早や、他のアイドル達からは感じられないが、その不安定さは雪歩の魅力のひとつなのかもしれない。
「雪歩…。明日も頑張ろうね」
カオルは、雪歩の手を優しく撫でた。