ポケモン SV
Name
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
※カキツバタ×アオイ
※DLC後半クリア前
ーーーブルーベリー学園にて
「カキツバタ!!!!!いい加減里に帰ってきなさい!!!!!」
「うお、うるせ」
電話に出るやいなや、スマホロトムから耳をつんざくような爆音が響いた。カキツバタは急いで音量を下げる。
「よう親父、久しぶりだな。今気になるやつがいてよ、そいつの面倒見てから帰ることにすっからよぅ」
「まさかどこぞの女と恋愛でもしたんじゃなかろうな?!」
「まあ聞けって。パルデアでチャンピオンになった子なんだ。今こっちに留学しに来てて、ブルーベリー学園でもチャンピオンになろうとしてる。」
「ふむ…ポケモンの腕は確かなようだな。」
「おう、それは保証するぜぃ」
「それならしばらくは連絡はしないでおくが、一族の跡継ぎを作るという目的だけは忘れるんじゃないぞ」
「おう、わかってらぁ」
上手く理由をつけて電話をきった。カキツバタは無言でガッツポーズをした。
学費を出してもらっている以上、こういった理由付けは必要だ。彼女にはなんとしてでもブルーベリー学園に残ってもらわないといけない。
「案外、本当に嫁に連れて帰るのもアリかもなぁ…」
パルデアの伝説のポケモンを従えた彼女ならドラゴンの里最強のドラゴン使いになれるかもしれない。余所者に最強の座を奪われるのは歓迎されることではないかもしれないが、最強のドラゴン使いの夫として補佐にまわるのも楽で良さそうだ。さらに跡継ぎ問題も解決するしいい事づくめだ。
リーグ部の部室でそんなことを考えているとアオイの姿が見えた。今日もブルーベリーの制服をきちっと着こなしている。
「おーす、未来のチャンピオン!元気してっかぁ」
さりげなくアオイと肩を組んだ。まだ年端もいかない少女だからか、こういったスキンシップにはあまり嫌悪感は示さない。他のリーグ部のメンバーならこうはいかないだろう。
「カキツバタさん、こんにちは。」
「この後ポーラエリアでデートでもどうよ?」
「いいですけど、なにするんですか?」
人の良い彼女なら二つ返事でOKしてくれると思ったが予想外の返事が返ってきた。カキツバタは一瞬で適当な理由を考えだした。
「ポーラエリアの授業の場所わかんねぇだろ?いい近道教えてやるぜぃ。」
「それはありがたいです!では行きましょうか。」
アオイは部室での用事を済ませた後、カキツバタと一緒にポーラエリアに向かった。
「ほら、ここから見る景色も綺麗だろ?」
「わぁ、ほんとですね」
約束通り近道を教えた後、絶景スポットに連れていくと言って人気のない場所に連れ出 した。今のうちにアオイから話を引き出さなければ。
「アオイは好きなやつとかいねーの?」
「ポケモンの話?」
「はは、いや、まあそういうことにしとくか」
「やっぱりラウドボーンかなぁ…」
そんな風に取り留めのない会話で盛り上がっていると、強い突風がふいて吹雪がアオイとカキツバタを包んだ。
「おっと!あぶねぇなぁ」
風に吹かれながら、カキツバタは腰に巻いたマントを解いてアオイの頭に被せた。
「カキツバタさんは大丈夫ですか!?」
マントの中からアオイが声を張った。いつも無口な彼女が声を張り上げるのは初めて見た気がする。
一時的に吹雪がやんで、アオイは被っていたマントを肩まで降ろした。
至近距離で目が合う。
その顔は赤らんでいて、寒さのせいだとわかっていてもカキツバタは心を奪われそうになってしまった。
「…顔赤くなってるぜぃ。オイラがかっこよすぎたかい?」
「寒いからですかね…。カキツバタさんも赤いですけど…」
「……」
また突風がふいた。アオイの小さな身体が吹き飛ばされそうになる。アオイは一生懸命カキツバタのマントを手で抑えていたが、あまりの風の強さにマントが谷底に落ちてしまった。
「ああ!」
「おい、大丈夫か」
「取ってきます!」
アオイがライドポケモンを出そうとしたその時、カキツバタはアオイを抱きしめた。
「風止むまで…ダメだ」
ーーーーーーー
「すごい風でしたね…」
「高所だからちょっと風が強かったな。わりぃわりぃ。」
カキツバタはポンポンとアオイの頭を撫でた。
「マント、濡らしちゃってすみません…」
風が止んだあと、アオイは急いでカキツバタのマントを取りに降りた。マントは池に浸かって汚れてしまっていたのでこちらでクリーニングに出すことを申し出たが…
「いいっていいって。オイラが勝手に押し付けただけだ。」
そう言って濡れたマントをそのまま巻こうとしたのでアオイはそれを必死にとめた。
「なら、せめて今乾かしましょう!」
2人は雪の積もっていない場所を探し、焚き火を作った。濡れたマントはアオイのリュックにのせて広げ、火に当たらないように乾かした。
「大事なマントなのにすみません…。」
アオイは深深と頭を下げた。
「じゃあよ、このままブルーベリー学園に移籍してくれねぇか?」
「え…」
とても冗談には思えないトーンに驚きカキツバタを見ると、いつものニコニコとした表情をしていた。
「まあ、考えといてくれぃ」
カキツバタはじゃあと言ってそのまま去ってしまった。
(今の、本気に見えたけど…)
アオイは焚き火にあたりながらぼーっと考えていた。
「あ…マント忘れてる」
カキツバタはもう既に見えない場所にいた。マントが乾くまで、焚き火の温かさを堪能した。
「このマント…竜の紋章?」
※DLC後半クリア前
ーーーブルーベリー学園にて
「カキツバタ!!!!!いい加減里に帰ってきなさい!!!!!」
「うお、うるせ」
電話に出るやいなや、スマホロトムから耳をつんざくような爆音が響いた。カキツバタは急いで音量を下げる。
「よう親父、久しぶりだな。今気になるやつがいてよ、そいつの面倒見てから帰ることにすっからよぅ」
「まさかどこぞの女と恋愛でもしたんじゃなかろうな?!」
「まあ聞けって。パルデアでチャンピオンになった子なんだ。今こっちに留学しに来てて、ブルーベリー学園でもチャンピオンになろうとしてる。」
「ふむ…ポケモンの腕は確かなようだな。」
「おう、それは保証するぜぃ」
「それならしばらくは連絡はしないでおくが、一族の跡継ぎを作るという目的だけは忘れるんじゃないぞ」
「おう、わかってらぁ」
上手く理由をつけて電話をきった。カキツバタは無言でガッツポーズをした。
学費を出してもらっている以上、こういった理由付けは必要だ。彼女にはなんとしてでもブルーベリー学園に残ってもらわないといけない。
「案外、本当に嫁に連れて帰るのもアリかもなぁ…」
パルデアの伝説のポケモンを従えた彼女ならドラゴンの里最強のドラゴン使いになれるかもしれない。余所者に最強の座を奪われるのは歓迎されることではないかもしれないが、最強のドラゴン使いの夫として補佐にまわるのも楽で良さそうだ。さらに跡継ぎ問題も解決するしいい事づくめだ。
リーグ部の部室でそんなことを考えているとアオイの姿が見えた。今日もブルーベリーの制服をきちっと着こなしている。
「おーす、未来のチャンピオン!元気してっかぁ」
さりげなくアオイと肩を組んだ。まだ年端もいかない少女だからか、こういったスキンシップにはあまり嫌悪感は示さない。他のリーグ部のメンバーならこうはいかないだろう。
「カキツバタさん、こんにちは。」
「この後ポーラエリアでデートでもどうよ?」
「いいですけど、なにするんですか?」
人の良い彼女なら二つ返事でOKしてくれると思ったが予想外の返事が返ってきた。カキツバタは一瞬で適当な理由を考えだした。
「ポーラエリアの授業の場所わかんねぇだろ?いい近道教えてやるぜぃ。」
「それはありがたいです!では行きましょうか。」
アオイは部室での用事を済ませた後、カキツバタと一緒にポーラエリアに向かった。
「ほら、ここから見る景色も綺麗だろ?」
「わぁ、ほんとですね」
約束通り近道を教えた後、絶景スポットに連れていくと言って人気のない場所に連れ出 した。今のうちにアオイから話を引き出さなければ。
「アオイは好きなやつとかいねーの?」
「ポケモンの話?」
「はは、いや、まあそういうことにしとくか」
「やっぱりラウドボーンかなぁ…」
そんな風に取り留めのない会話で盛り上がっていると、強い突風がふいて吹雪がアオイとカキツバタを包んだ。
「おっと!あぶねぇなぁ」
風に吹かれながら、カキツバタは腰に巻いたマントを解いてアオイの頭に被せた。
「カキツバタさんは大丈夫ですか!?」
マントの中からアオイが声を張った。いつも無口な彼女が声を張り上げるのは初めて見た気がする。
一時的に吹雪がやんで、アオイは被っていたマントを肩まで降ろした。
至近距離で目が合う。
その顔は赤らんでいて、寒さのせいだとわかっていてもカキツバタは心を奪われそうになってしまった。
「…顔赤くなってるぜぃ。オイラがかっこよすぎたかい?」
「寒いからですかね…。カキツバタさんも赤いですけど…」
「……」
また突風がふいた。アオイの小さな身体が吹き飛ばされそうになる。アオイは一生懸命カキツバタのマントを手で抑えていたが、あまりの風の強さにマントが谷底に落ちてしまった。
「ああ!」
「おい、大丈夫か」
「取ってきます!」
アオイがライドポケモンを出そうとしたその時、カキツバタはアオイを抱きしめた。
「風止むまで…ダメだ」
ーーーーーーー
「すごい風でしたね…」
「高所だからちょっと風が強かったな。わりぃわりぃ。」
カキツバタはポンポンとアオイの頭を撫でた。
「マント、濡らしちゃってすみません…」
風が止んだあと、アオイは急いでカキツバタのマントを取りに降りた。マントは池に浸かって汚れてしまっていたのでこちらでクリーニングに出すことを申し出たが…
「いいっていいって。オイラが勝手に押し付けただけだ。」
そう言って濡れたマントをそのまま巻こうとしたのでアオイはそれを必死にとめた。
「なら、せめて今乾かしましょう!」
2人は雪の積もっていない場所を探し、焚き火を作った。濡れたマントはアオイのリュックにのせて広げ、火に当たらないように乾かした。
「大事なマントなのにすみません…。」
アオイは深深と頭を下げた。
「じゃあよ、このままブルーベリー学園に移籍してくれねぇか?」
「え…」
とても冗談には思えないトーンに驚きカキツバタを見ると、いつものニコニコとした表情をしていた。
「まあ、考えといてくれぃ」
カキツバタはじゃあと言ってそのまま去ってしまった。
(今の、本気に見えたけど…)
アオイは焚き火にあたりながらぼーっと考えていた。
「あ…マント忘れてる」
カキツバタはもう既に見えない場所にいた。マントが乾くまで、焚き火の温かさを堪能した。
「このマント…竜の紋章?」