ポケモン SV
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「アオイ!どこに行くんだ!」
霧の濃い森でペパーは必死に叫ぶ。
アオイはずっと遠くを歩いている。
彼女が1歩ずつ離れていく度、自分の足がぬかるみにハマっていく。手を精一杯伸ばして、時折声を枯らしながら彼女の名前を叫ぶ。
彼女が霧に包まれ完全に見えなくなっても、ペパーは叫び続けた。
今朝見た夢はそんな内容だった。
アオイがチャンピオンになってから半年後、勇気をだしてアオイの部屋をノックした。返事がない。カギはかかっておらず、入ってみたが当然部屋の主はいない。
元々寮を空けがちな彼女だから、きっとまたパルデアのどこかでポケモン収集に明け暮れているのだろう。期待はしていなかったものの、ペパーは肩を落とす。
彼女の机には4人での写真だけが飾られていた。ベッドは綺麗に整えられていて、少し埃っぽく感じた。窓を開けて椅子に腰掛けた。
スマホロトムで電話をかけようと連絡先を探す。アオイの名前はすぐ見つかった。
発信ボタンをタップしようとしたところでドアがノックされた。
ペパーは慌てて画面を閉じる。
「アオイー、…あ、開いてる。」
ボタンの声だ。思わずペパーは息を止めた。
ボタンはガチャリとドアを開けて中に入った。
「わ、びっくりした!なんでいるん?」
「いや、待ってたら来るかと思ってよ」
「…いつから待ってたん?」
「さ、さっきからだよ!ついさっきから!」
「へー…」
「おい!信じてないちゃんだろ!」
こうしてボタンと2人で会話するのは久しぶりだ。当たり障りのない世間話をした。
一通り話終わると、部屋の状態からしてアオイはしばらく来てないからすぐには来なさそうやねと言ってボタンは部屋を出ていった。
ペパーも諦めて部屋から出ることにした。帰り際に窓を閉めた。部屋の埃っぽさがなくなって、少し良い事をしたような気持ちになった。
その3日後の生物の授業の後、ジニア先生に呼び止められた。
「アオイさん、キタカミの林間学校の生徒に選ばれたらしいですよぉ」
「キタカミ…ってあんま近くないですよね?聞いたことないから…」
「そうですねぇ…飛行機で数時間とバスでの移動がありますから…」
ジニア先生の話によると林間学校ではブルーベリー学園との交流もあるらしい。
きっとアオイはすぐに友達を作ってしまうんだろう。
(アオイの親友 は俺達だけでいいのに…。)
悔しい思いをしながら自室に戻ると、既に部屋の照明がついていた。
「お、ペパー戻ってきた」
「おわっ!」
見慣れたペパーの部屋の椅子に、アオイがちょこんと座っている。
(部屋に変なもの置いてないよな…?)
ペパーはアオイの目を盗んで周りを見回したが大丈夫そうだった。普段から綺麗にしていてよかった。
「ど…どうした?久しぶりちゃんだな」
「そういえばみんなでエリアゼロに行って以来だねぇ。さっきボタンとすれ違った時にペパーが会いたがってたって聞いたからさ。私もお部屋で待ってみたの。」
「アイツ、余計なことを…。って、勝手に入って気持ち悪かったよな。悪い…。」
「そんなことないよー、私も今勝手に部屋で待ってたし。」
「そういえばさっきジニア先生から聞いたけどよ、キタカミ?に行くのって本当ちゃんか?」
「うん、来週行くことになったよ!」
「そしたら、しばらくは戻ってこないのか?」
「うーん、1ヶ月はいないと思うけど…。」
「俺たちのこと、置いて言ったりしないんだよな?」
「もちろん帰ってくるよ」
「絶対だぞ?絶対だからな?」
「うん!大丈夫!」
自分でもしつこいとわかっていたが、面倒がらずに答えてくれることが嬉しくて胸が暖かくなった。
もし彼女が心惹かれる何かをキタカミやブルーベリー学園の生徒に感じたとしても、きっとパルデアに戻ってきてくれる。
ここにはアオイの母親や友人達がいるのだから。
ペパーは笑顔でアオイを送り出すことにした。
霧の濃い森でペパーは必死に叫ぶ。
アオイはずっと遠くを歩いている。
彼女が1歩ずつ離れていく度、自分の足がぬかるみにハマっていく。手を精一杯伸ばして、時折声を枯らしながら彼女の名前を叫ぶ。
彼女が霧に包まれ完全に見えなくなっても、ペパーは叫び続けた。
今朝見た夢はそんな内容だった。
アオイがチャンピオンになってから半年後、勇気をだしてアオイの部屋をノックした。返事がない。カギはかかっておらず、入ってみたが当然部屋の主はいない。
元々寮を空けがちな彼女だから、きっとまたパルデアのどこかでポケモン収集に明け暮れているのだろう。期待はしていなかったものの、ペパーは肩を落とす。
彼女の机には4人での写真だけが飾られていた。ベッドは綺麗に整えられていて、少し埃っぽく感じた。窓を開けて椅子に腰掛けた。
スマホロトムで電話をかけようと連絡先を探す。アオイの名前はすぐ見つかった。
発信ボタンをタップしようとしたところでドアがノックされた。
ペパーは慌てて画面を閉じる。
「アオイー、…あ、開いてる。」
ボタンの声だ。思わずペパーは息を止めた。
ボタンはガチャリとドアを開けて中に入った。
「わ、びっくりした!なんでいるん?」
「いや、待ってたら来るかと思ってよ」
「…いつから待ってたん?」
「さ、さっきからだよ!ついさっきから!」
「へー…」
「おい!信じてないちゃんだろ!」
こうしてボタンと2人で会話するのは久しぶりだ。当たり障りのない世間話をした。
一通り話終わると、部屋の状態からしてアオイはしばらく来てないからすぐには来なさそうやねと言ってボタンは部屋を出ていった。
ペパーも諦めて部屋から出ることにした。帰り際に窓を閉めた。部屋の埃っぽさがなくなって、少し良い事をしたような気持ちになった。
その3日後の生物の授業の後、ジニア先生に呼び止められた。
「アオイさん、キタカミの林間学校の生徒に選ばれたらしいですよぉ」
「キタカミ…ってあんま近くないですよね?聞いたことないから…」
「そうですねぇ…飛行機で数時間とバスでの移動がありますから…」
ジニア先生の話によると林間学校ではブルーベリー学園との交流もあるらしい。
きっとアオイはすぐに友達を作ってしまうんだろう。
(アオイの
悔しい思いをしながら自室に戻ると、既に部屋の照明がついていた。
「お、ペパー戻ってきた」
「おわっ!」
見慣れたペパーの部屋の椅子に、アオイがちょこんと座っている。
(部屋に変なもの置いてないよな…?)
ペパーはアオイの目を盗んで周りを見回したが大丈夫そうだった。普段から綺麗にしていてよかった。
「ど…どうした?久しぶりちゃんだな」
「そういえばみんなでエリアゼロに行って以来だねぇ。さっきボタンとすれ違った時にペパーが会いたがってたって聞いたからさ。私もお部屋で待ってみたの。」
「アイツ、余計なことを…。って、勝手に入って気持ち悪かったよな。悪い…。」
「そんなことないよー、私も今勝手に部屋で待ってたし。」
「そういえばさっきジニア先生から聞いたけどよ、キタカミ?に行くのって本当ちゃんか?」
「うん、来週行くことになったよ!」
「そしたら、しばらくは戻ってこないのか?」
「うーん、1ヶ月はいないと思うけど…。」
「俺たちのこと、置いて言ったりしないんだよな?」
「もちろん帰ってくるよ」
「絶対だぞ?絶対だからな?」
「うん!大丈夫!」
自分でもしつこいとわかっていたが、面倒がらずに答えてくれることが嬉しくて胸が暖かくなった。
もし彼女が心惹かれる何かをキタカミやブルーベリー学園の生徒に感じたとしても、きっとパルデアに戻ってきてくれる。
ここにはアオイの母親や友人達がいるのだから。
ペパーは笑顔でアオイを送り出すことにした。