ウェイン 牧物 三つの里
Name
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
いつものように、3人でご飯を食べていた日のことだった。
「今日はあまり食べないんだね?」
「うん…ちょっと…。」
カオルは今までに見たことのないくらいほとんどなにも食べていなかった。いつも、牧場仕事で体力を減らすから、俺と同じくらいの量をかきこんだりするのに、今日はやけに少食だった。
「ちゃんと食べた方がいい…顔色が悪いぞ」
フォードも心配そうにカオルを見ている。前は円卓で全員同じくらいの間隔で座って食べていたのに、最近フォードとカオルの距離が近い。俺も負けるわけにはいかないから少しずつ距離を詰めているが、たまにフォードに俺がカオルを好きなことがバレてしまうのではないかと心配になる。
「大丈夫だから…。」
カオルは心配する俺たちを見て、愛想笑いをしてごまかした。
「ねぇ、なにかあったの?キミが倒れたら俺はすごく悲しいな。」
またそんな浮ついた台詞を…と言うような目でフォードがこちらを見た。
「うん…。大丈夫だから、今日はもう帰るね。」
カオルは机に今日のお代を置くと、俺達の制止を振り切ってさっさと食堂から出ていってしまった。
「どうしたんだろう…。」
誰かに心無い言葉でも言われたんだろうか。ふと、いつもの取り巻きの子達の顔が浮かぶ。以前取り巻きの子同士で揉めて、俺が仲裁するまでギスギスした空気になっていたこともあった。カオルは取り巻きではないが、勘違いした彼女たちに巻き込まれているかもしれない。
「ふむ。まあ最近カロリーオーバー気味の食事ばかりしていたからな。」
「フォード、それ絶対カオルに言うなよ…」
食堂を出た後はしばらくウェスタウンを回ってみたが、カオルはどこにもいなかった。
胸騒ぎがして仕方がないのに、カオルは俺の前に現れてくれなかった。
カオルを見たのは次の日のことだった。昼過ぎに郵便局に来てくれた。
「カオル、キミに会えて嬉しいよ」
必死になって探していたことはカオル本人に伏せることにした。いつもの笑顔でカオルに笑いかけた。
「ウェイン…もしよかったら、星夜祭、一緒に気球にのってほしいんだけど」
「!」
全身がピリッと小さく震えた。窓を開けて叫んでしまいたかった。カオル本人から誘いが来るとは。
「もちろん、いいよ。楽しみにしてるね」
俺はウィンクをして、微笑んだ。カオルは、表情が明るくなると、ふらふらした足取りで家に戻って行った。
(でも……大丈夫かな)
顔色もいつもより悪い気がした。きっと、食事を抜き続けているのだろう。過度なダイエットでもしているのだろうか?
ただ、星夜祭がなくなってしまうことがどうしても惜しくて、俺からカオルに体調を聞くことは出来なかった。体調が悪くなったら、医者であるウェインにカオルを取られてしまう。
でも………
気球は急に高度が上がるから体調が悪い人が乗るのはあまり良くないし、最悪落ちてしまうことも考えられる。
俺は星夜祭が始まった直後、思い立ってカオルと体調のことについて話しておくことにした。
「あ………ウェイン。」
「やあ。顔色があまり良くないけど大丈夫?」
「ちょっと貧血気味で…」
フォードが遠くからこちらを見ているのが横目に見えた。きっと、俺がカオルから離れた瞬間に星夜祭の相手に誘うつもりなのだろう。体調が悪いことがバレたら、医院に連れていかれてしまう。どうしてもそうなるのは避けたかった。しかし、この状態のカオルを気球にのせるのはどうしても心配だった。
「ねぇ、提案があるんだけどさ…」
ーーーーーーーーーーーーー
「丘の上でも星が綺麗だね」
俺は、カオルを背負って丘の上まで連れていった。丘の上からは気球が何機かあがっているのが見える。気球の炎が遠くからでも分かるくらいに煌々と燃え上がっていて、それもまた幻想的な風景になっていた。
「うん。カオルは本当に気球乗らなくてよかった?」
「気球って初めてで………実は体重が重すぎて落ちないか心配だったの。でも、ウェインに心配かけちゃったね。」
「そうだったんだ…俺も、最初に乗った時は本当に怖かったな。」
俺が笑いかけると、カオルも笑い返してくれた。
「ねぇ…。カオルはさ…
今はだれと付き合いたいの?」
俺はセリフを言い終えたあとにハッとした。その笑顔がだれかのものになるのが嫌で、ついに出てしまった。
「………」
「…………え?」
カオルは隣で座りながら寝てしまっていた。
「はは…1分前にはちゃんと起きてたのに、よく寝れるなぁ…。」
俺は拍子抜けしたが、カオルの肩を自分の方へ寄せて、しばらく夜空を見ることにした。
「今日はあまり食べないんだね?」
「うん…ちょっと…。」
カオルは今までに見たことのないくらいほとんどなにも食べていなかった。いつも、牧場仕事で体力を減らすから、俺と同じくらいの量をかきこんだりするのに、今日はやけに少食だった。
「ちゃんと食べた方がいい…顔色が悪いぞ」
フォードも心配そうにカオルを見ている。前は円卓で全員同じくらいの間隔で座って食べていたのに、最近フォードとカオルの距離が近い。俺も負けるわけにはいかないから少しずつ距離を詰めているが、たまにフォードに俺がカオルを好きなことがバレてしまうのではないかと心配になる。
「大丈夫だから…。」
カオルは心配する俺たちを見て、愛想笑いをしてごまかした。
「ねぇ、なにかあったの?キミが倒れたら俺はすごく悲しいな。」
またそんな浮ついた台詞を…と言うような目でフォードがこちらを見た。
「うん…。大丈夫だから、今日はもう帰るね。」
カオルは机に今日のお代を置くと、俺達の制止を振り切ってさっさと食堂から出ていってしまった。
「どうしたんだろう…。」
誰かに心無い言葉でも言われたんだろうか。ふと、いつもの取り巻きの子達の顔が浮かぶ。以前取り巻きの子同士で揉めて、俺が仲裁するまでギスギスした空気になっていたこともあった。カオルは取り巻きではないが、勘違いした彼女たちに巻き込まれているかもしれない。
「ふむ。まあ最近カロリーオーバー気味の食事ばかりしていたからな。」
「フォード、それ絶対カオルに言うなよ…」
食堂を出た後はしばらくウェスタウンを回ってみたが、カオルはどこにもいなかった。
胸騒ぎがして仕方がないのに、カオルは俺の前に現れてくれなかった。
カオルを見たのは次の日のことだった。昼過ぎに郵便局に来てくれた。
「カオル、キミに会えて嬉しいよ」
必死になって探していたことはカオル本人に伏せることにした。いつもの笑顔でカオルに笑いかけた。
「ウェイン…もしよかったら、星夜祭、一緒に気球にのってほしいんだけど」
「!」
全身がピリッと小さく震えた。窓を開けて叫んでしまいたかった。カオル本人から誘いが来るとは。
「もちろん、いいよ。楽しみにしてるね」
俺はウィンクをして、微笑んだ。カオルは、表情が明るくなると、ふらふらした足取りで家に戻って行った。
(でも……大丈夫かな)
顔色もいつもより悪い気がした。きっと、食事を抜き続けているのだろう。過度なダイエットでもしているのだろうか?
ただ、星夜祭がなくなってしまうことがどうしても惜しくて、俺からカオルに体調を聞くことは出来なかった。体調が悪くなったら、医者であるウェインにカオルを取られてしまう。
でも………
気球は急に高度が上がるから体調が悪い人が乗るのはあまり良くないし、最悪落ちてしまうことも考えられる。
俺は星夜祭が始まった直後、思い立ってカオルと体調のことについて話しておくことにした。
「あ………ウェイン。」
「やあ。顔色があまり良くないけど大丈夫?」
「ちょっと貧血気味で…」
フォードが遠くからこちらを見ているのが横目に見えた。きっと、俺がカオルから離れた瞬間に星夜祭の相手に誘うつもりなのだろう。体調が悪いことがバレたら、医院に連れていかれてしまう。どうしてもそうなるのは避けたかった。しかし、この状態のカオルを気球にのせるのはどうしても心配だった。
「ねぇ、提案があるんだけどさ…」
ーーーーーーーーーーーーー
「丘の上でも星が綺麗だね」
俺は、カオルを背負って丘の上まで連れていった。丘の上からは気球が何機かあがっているのが見える。気球の炎が遠くからでも分かるくらいに煌々と燃え上がっていて、それもまた幻想的な風景になっていた。
「うん。カオルは本当に気球乗らなくてよかった?」
「気球って初めてで………実は体重が重すぎて落ちないか心配だったの。でも、ウェインに心配かけちゃったね。」
「そうだったんだ…俺も、最初に乗った時は本当に怖かったな。」
俺が笑いかけると、カオルも笑い返してくれた。
「ねぇ…。カオルはさ…
今はだれと付き合いたいの?」
俺はセリフを言い終えたあとにハッとした。その笑顔がだれかのものになるのが嫌で、ついに出てしまった。
「………」
「…………え?」
カオルは隣で座りながら寝てしまっていた。
「はは…1分前にはちゃんと起きてたのに、よく寝れるなぁ…。」
俺は拍子抜けしたが、カオルの肩を自分の方へ寄せて、しばらく夜空を見ることにした。