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久しぶりに、その名で呼ばれた気がした。
うずまき一族。
封印術に長け、高い生命力を持つ一族。けれど、私にとっては少し違う。
『私はクシナ姉さんと違って、一族特有の術は下手くそでしたから』
「それはお前が逃げてきたからじゃろう」
『……痛いところを突きますね』
「ふん。当然じゃ。ただでさえ人数の少ない一族じゃ。そのうえ、お前は厄介な血継限界まで持っとったからな。除け者にされて、随分と根性の悪い娘になっとった」
『ひどい言いようですね』
「事実じゃろ」
あっさりと言い返される。反論したかったけれど、残念ながら思い当たる節が多すぎた。思わず苦笑が漏れる。本当に、私の黒歴史を知る数少ない人間がこの人だというのが厄介でしかない。
師匠の言う通り、居場所を失った私はどんどん捻くれていった。今思えば、酷く面倒くさい子どもだったと思う。しかも、そんな私を無理やり引っ張り上げ、更生させたのもこの人だ。だからこそ私は、どれだけこの人がクソ変態でも、言われたことを完全には無視できない。
『……あの時のことは、感謝してもしきれません』
ジライヤ「なんじゃ、その棒読みは。もう少し心を込めんか」
『込めてます』
ジライヤ「嘘つけ」
そして師匠は、からからと笑いながら立ち上がる。
ジライヤ「んじゃまあ、ナルトのことは頼んだぞ。今日までに口寄せを成功させろ」
『……は?』
数秒遅れて言葉の意味を理解した。
『んなっ!? そんな無茶な! さっきの出来を見てましたよね!? 今日中になんて――』
ジライヤ「頼んだぞー」
『ちょっ……あんの変態クソジジイ!』
叫んでも返事はない。本当に、昔から無茶振りしかしない人だ。私は額を押さえながら、大きくため息を吐く。つまり私は、今日中にナルト君の口寄せを成功させなければならない。視線の先では、ナルト君が地面に転がったまま騒いでいた。
「なんでだってばよー!」
勢いよく立ち上がっては術を使い、失敗して転ぶ。それを何度も繰り返している。派手に煙だけは上がるのに、出てくるのはカエルにもなりきれていないオタマジャクシばかり。頭の中では、「今日中に」という言葉が何度もぐるぐると駆け巡っていた。
『……』
どうせ逃げられないのなら、やるしかない。あの変態クソジジイの無茶振りに付き合うのは、今に始まったことではないのだから。
