出会い編
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今日の任務は、脱走した猫の捕獲らしい。
「またこんな任務かよ……」とナルトが文句を言いながらも、現地に着くなり三人はすぐに散っていった。私と会う前に、かなり危険な任務を経験したらしく、刺激の少ない仕事にはどうにも退屈しているようだった。カカシさんと木の上に腰を下ろし、トランシーバー越しに三人の様子を見守る。
『カカシさんは、行かないんですか?』
カカシ「俺が行ったら意味ないからね。あいつらの修行でもあるし。必要があれば、ここからアドバイスするだけ」
本を読んでいる姿しか見たことがないけれど。まあ、そんなものかと、視線を三人へ戻す。連携の取り方も、動きも、どこか新鮮で。つい見入ってしまう。よく目を凝らしてみれば、少し離れた場所でも別の班が動いていた。ナルトたちとは違う連携で、術を使いながら目標物を追い詰めていく。その動きには、それぞれの班の個性がはっきりと表れていて、思わず息を詰める。
面白い。
気づけば、周囲の音すら遠のいていた。すっかり集中して見入っていた、そのとき。不意にすぐ傍からページをめくる音に紛れるように、ぽつりと声が落ちる。
カカシ「……そういえばさ」
『……?』
カカシ「〝さん〟って呼び方、ちょっとしっくりこないんだよなー」
『呼び方ですか? でも、目上の人には敬語を…』
カカシ「まあね。でもさ、なんか距離を感じるというか。もう少し柔らかく呼んでほしいんだ」
『……じゃあ、……カカシ?』
カカシ「……おっと。だいぶ距離詰めたね」
瞬きをひとつした後、ほんの少し目元が緩んだ。少し違ったらしい。言葉を探すように宙をさまよい、ほんの少しだけ迷う。どう呼ぶのが正解なのか。思い出したのはナルトたちが呼んでいた呼び方。
『じゃあ……カカシ先生?』
カカシ「そーそー。それでいい。よろしくね」
満足げな笑みだった。もしかすると、私がまだ里や班に馴染めずにいるのを、気遣ってくれたのかもしれない。距離がひとつ縮まった気がして、胸の奥が、じんわりと温かくなる。そう思えたから、私はほんの少しだけ勇気を出した。
『……カカシ先生、全部捕まえちゃいましょう』
カカシ「えっ」
驚いた声が思ったよりも素直に響いた。ナルトたちなら、きっとできると思う。それに、あの中に入ってみたかった。ただ見ているだけじゃなくて、同じ場所で、同じように動いてみたい。そう思った。
