遙かなる再会の章
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
サスケ「こいつは俺の女だ。誰であろうと、勝手に触れば殺す」
それはアジトへ到着し、案内された大きな空間に足を踏み入れた瞬間だった。そこにいたのは赤い瞳を持つ男、うちはサスケ。その視線がカブトに抱えられている彼女を捉えた刹那、ほとんど反射のような速さで腕の中から奪い取る。そのまま強引に抱き寄せ、こちらを射抜くように睨みつけた。この言葉、さっきも聞いたな。そんな既視感を覚えながらも、僕は一歩前へ出る。
サイ「名前さんは、魅力的な方なんですね。誰からも必要とされる。僕にもその理由を教えて欲しいな」
サスケ「……うせろ」
興味なさそうに吐き捨てるその声音に、わずかな苛立ちが混じっていた。
サイ「ナルト君達とは仲良くなれなかったので……君とは仲良くなれそうだな、と思っているんですよ」
サスケ「…………」
言葉は返らない。ただ、赤い瞳だけがこちらを射抜いていた。
カブト「っ……サスケ君」
背後でカブトの声が響いた。そこには、わずかな焦りと怒りが混ざっている。
カブト「名前ちゃんを独り占めはよくないな。僕の実験に、少し必要なんだよ」
サスケ「あの紛い物か……珍しくいい仕事をしたと思ったら……そんな意味のないものはやめろ」
吐き捨てるように言いながら、腕の中の彼女をさらに引き寄せる。無意識なのか、それとも明確な意思か、その手にはわずかに力が込められていた。
サスケ「こいつを造るなんて、できるわけがない」
その声音には確信があった。僕はその言葉を黙って聞いていた。なるほど。この人もまた、彼女に対して強い執着を持っているらしい。単なる所有欲ではない。情報では、風影が彼女に想いを寄せているとも聞いている。立場も性質も違う人間たちが、同じように彼女へ引き寄せられている。人をここまで惹きつける彼女には、一体何があるのだろうか。
……知りたい、と。
そう思っている自分に、わずかな違和感を覚えた。
ここまでの道中で、彼女が〝特別な一族〟であることも分かった。暗部や根の中でも、その一族については昔、噂程度に語られていたことはあったが、誰もまともには信じていなかった。空想だとか、誰かが作った作り話だとか、実際に目にした者がこれまで一人もいなかったからだ。
だが、今なら理解できる。あの圧、あの気配、あの存在感。どれを取っても常識の範疇には収まらない。彼女に暗殺命令が下された理由は、その一族にあるのだろう。危険性の有無ではなく、〝存在そのもの〟が排除対象になったと考えれば辻褄が合う。
それでも、ここまでの道中で見てきた彼女は、木ノ葉に牙を向けるような人物には見えなかったそんな考えが、わずかに思考に混じる。だが、僕が判断することじゃない。僕にとって重要なのは、与えられた情報と命令、それだけだ。余計な思考は排除する。思考を本来の目的へと切り替える。
うちはサスケの暗殺。
そして、以前失敗した名前の暗殺。
今の状況なら、どちらも視界に収まっている。運が良ければ、二つの任務を同時に遂行できる。
カブト「それにしても、サスケ君には困ったものだよ。独占欲が強すぎる。ああいうのは扱いづらいんだ」
案内された部屋は簡素で、必要最低限の物しか置かれていなかった。無機質で、生活感のない空間。その中央に立ったまま、カブトがぽつりと漏らす。軽く肩をすくめる仕草とは裏腹に、その目にはわずかな苛立ちが滲んでいた。
サイ「……たしか、滅びた一族と言っていましたね。名前さんの一族を復活させて、戦力にしようとしているんですか」
カブト「そんなものに興味はないよ。僕が欲しいのは、あの子だけだ」
サイ「なら、なぜ造ろうとしているんですか」
カブト「なぜ、なぜって、君はまるで子供だね。それもしょうがないか、人の感情を知らないから」
サイ「はい、申し訳ありません。不要だと教わりましたので」
カブト「知りたいんだよ、彼女のことを。だから僕の手でつくるんだ………僕がなぜ、話す必要もないことを君に話したと思うかい」
サイ「…なぜですか」
カブト「君から彼女のデータをもらうためだ。いくつか質問する、的確に細かく教えてくれるかい」
メガネの奥の瞳が不気味に光る。その奥にあるのは濁った熱だった。狂った考えだ。この人はサスケ君とは全く違う。もっと静かで、もっと深い、底の見えない、気味の悪い執着心。
サイ「……なるほど」
短く相槌を打つ。ここまでの執着があるなら、利用できる。サスケ君への対抗心ではなく、純粋に対象への興味と執着だけで動いている。だからこそ、思考は単純だ。目的も明確で読みやすく、誘導もしやすい。僕一人では、二人の暗殺は厳しいかもしれないが、この男を使えるなら話は別だ。任務達成の確率は大きく上がる。
サイ「そうですね……何から聞きたいですか」
口元だけで形どおりの笑みを作る。感情の伴わない。それでも、そう見えるように作られた笑顔。その裏で思考だけ静かに回り続ける。
