中忍選抜試験編 前編
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『そういえばサスケ。瞳、すごく綺麗だね』
こんな状況で、そんな言葉が出てくるとは思わなかった。血に染まった写輪眼を“綺麗”なんて言うやつ、普通いねぇ。なのに――不思議と悪い気はしなかった。胸の奥が、ほんの少しだけ熱くなる。
…名前とは、相性がいい。そう思う。
俺の写輪眼と、名前の異常なまでに鋭い洞察が噛み合う。互いの動きが自然と繋がって、意識せずとも同じ方向を見て、同じタイミングで攻めに入れる。
まるで、あいつが見ている景色が、そのまま俺に流れ込んでくるみたいな感覚だ。言葉はいらない。目で意思を伝えて、呼吸を合わせる。緊張と高揚がせめぎ合う中、俺たちは次の一手に全神経を叩き込んだ。
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『サスケ、……ちょっと好きかも』
サスケ「……はっ?」
ナルト・サクラ「はぁぁぁぁぁぁぁ!?」
……は?空気が、一瞬で固まった。あのカカシでさえ本から顔を上げて、二度見してやがる。
サクラ「ちょ、ちょっと何言ってるのよ!?」
『さっきの鈴取りで、サスケと息がぴったり合った気がしたの。線と線がスーッと繋がる感じで……すごくよかったんだ』
サクラ「そ、そう……鈴取りね……」
全員の肩の力が、目に見えて抜けた。俺も一瞬だけ――胸の奥に“残念”が落ちたのを自覚して、苛立つ。…何を期待してんだ。バカか。
カカシ「確かに、あの時の動きは良かった。もっと練習すれば、さらに良くなるな」
『よし! じゃあ今から練習しよう!』
サクラ「だ、だめよ!? サスケ君と二人きりなんて!」
『じゃあサクラも一緒にやろうよ!』
ナルト「なら俺も混ぜろってばよ!」
『フフッ、みんなで強くなろう!』
サスケ「なっ……勝手に決めんな!」
カカシ「青春してんなぁ〜」
嫌がる俺の手をがっちり掴んで、逃がす気ゼロで走り出す名前。正直、うざい。ペースが乱れる。急に引っ張るな。…でも。せっかく嫌な思いをしながらも修行してやったんだ。成果くらい、見せてやる。
オロチマル「あなたは邪魔よ‼︎」
『カハッ‼︎』
一瞬で、名前の首が掴まれ、木へと叩きつけられた。その衝撃で影分身が消え、土煙が舞い上がる。視界は遮られ、二人の姿が見えなくなった。
サスケ「……名前!」
叫んだ直後、土煙の中心が持ち上がる。
そこから飛び出してきたのは――
『サスケ‼︎』
サスケ「フッ……お前は本当に、期待を裏切らねぇな」
今だ。手裏剣を放つ。ワイヤーで木へ縛りつけ、
印を結び息を吸い込む。
サスケ「火遁・龍火の術!!」
『火遁・蒼龍火の術!!』
赤い炎と、青い炎。
二つが絡み合い、女を包み込む。
オロチマル「うぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!」
終わった。
咳き込みながらも、名前がなぜかピースサインをした。ふざけてんのかと思ったが――その目は笑ってるのに、真剣だった。未完成だった術が、“形”になった。俺も、それを感じ取った。
額から血を流し、ふらつきながらこっちへ来る名前。俺のチャクラも限界が近い。ここから離れなければ――と思った、その時。
サスケ「くっ……体が……金縛りか」
動かない。
指先ひとつ、言うことをきかない。
オロチマル「素晴らしい。その年で写輪眼をここまで……私の名は大蛇丸。もし君が私に会いたいと思うのなら――この試験を必死で駆け上がることね」
炎で焼け落ちたマスクの隙間から、ひとつの目が俺を見据える。
『サスケは……渡さない』
横から入った蹴りを、大蛇丸は軽々と掴んだ。
オロチマル「辛そうね。でも今はあなたよりサスケ君よ……そういえば、腕のお返しがまだだったわね」
不気味な笑い。
次の瞬間、名前が放り投げられ、突風に視界が歪む。
サスケ「名前‼︎」
目が合う。
なのに、足が動かない。手も届かない。
くそ。くそ、くそ――。
苛立ちだけが膨らむ。
オロチマル「これで邪魔者はいなくなったわ」
サスケ「てめぇ……ッ……‼︎……急に、くるし……」
大蛇丸の首が伸び、牙が俺の首に突き立った。痛みで視界が揺れ、意識が削られていく。喉が絞まる。体の内側を何かが這うような感覚に、吐き気が込み上げた。
サクラ「サスケ君!?」
オロチマル「サスケ君は必ず私を求める……力を求めてね」
サクラ「アンタ! サスケ君に何したのよ!?」
言葉を理解する余裕なんて、もうない。
ただ、誰かの手を――握っていた気がした。
……名前。
その名前だけが、最後まで頭に残る。
そして、意識は闇に沈んでいった。
