旅立ち編
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イザナミ「……その程度か」
『ハァ……ハァ……』
荒い呼吸が、喉を震わせる。もう、何度目の“死”を迎えただろう。腹部には、チャクラで形作られた刀が深々と突き刺さっている。痛みはすでに鈍く、力は指先から抜け落ち、視界は滲むように暗く沈んでいった。
立っていることすら叶わない。それでも、倒れる前に私は、ゆっくりと目を閉じる。
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ナルト「何言ってるんだってばよ!名前も狙われてるんだぞ!ここに残るのは危険だってばよ!」
『うん……でも』
あの時、迷いはなかった。
『私は、ここに残って修行しなきゃいけない。じゃないと……強くなれない。そんな気がする』
根拠なんて、どこにもない。ただの直感、それだけだった。けれど、旅を続ける中でずっと胸の奥に引っかかっていた違和感。何かに引き寄せられるような感覚。足を止めるたび、無意識に同じ方向へと視線が向いてしまう、その感覚。
そして、辿り着いた。風化した石段の先にある、小さな祠。人の気配はなく、長い年月の中で忘れ去られたように、静かに佇んでいる。それなのに、不思議と思った。〝帰ってきた〟と。
ジライヤ「ここは、お前らが拠点にしていた場所の一つじゃ。前に来た時は、こんな祠はなかった……結界のようなものが張られているのかもしれんな」
少し思案するように顎に手をやったあと、自来也さんは静かに頷いた。
ジライヤ「……分かった。ここで別れよう」
ナルトは、何か言いかけて口を閉じる。悔しさと不安が入り混じった表情で、しばらく俯いていたが、やがて強く拳を握りしめ、はっきりと頷いた。
『約束する。絶対、強くなって帰る』
一度、息を吸う。
『サクラと……みんなで、サスケを助けに行こう』
そう言って、私たちは固く握手を交わした。確かに、約束した。この場所で。この想いを胸に刻んで。
『……まだ、まだぁぁぁぁぁ‼︎』
目を見開き、突き刺さった刀を力任せに握り潰す。砕け散ったチャクラが霧のように霧散した、その瞬間。意識を一気に傷口へ集中させた。焼けるような激痛。肉が、骨が、無理やり書き換えられていく感覚。呻きを噛み殺しながら、身体は確かに再生していった。
『約束したんだ…!強くなって帰るって!』
荒い息のまま、視線を叩きつける。
『私は……あなたに勝つ‼︎』
その言葉を受けイザナミは一瞬だけ目を細め、そして、心底楽しそうに口角を吊り上げた。
イザナミ「いいなぁ……いいなぁ!」
弾むような声。
イザナミ「その調子だ!私を、もっと楽しませろ‼︎」
そこからの日々は、地獄だった。身体が砕けるほどの鍛錬。制御できない力に振り回され、倒れ、殺される。その繰り返し。それでも、目を覚ますたびに私は立ち上がった。倒れる理由なら、いくらでもあった。痛みも、恐怖も、諦める言い訳も。けれど、立たない理由はもうどこにもなかった。
また、再起不能。弱っていく心臓の鼓動が、嫌というほど耳に残る。空を仰ぎ、静かに息を吐く。私は、強くなる。逃げない。失わない。
誰かの背中を追うためじゃない。
自分の足で立ち、自分の意志で、守るために。
この力を、今度こそ正しく使うために。
私は、強くなる。
