中忍選抜試験
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_____あ、やばい。これは間違えたな。
ここ数日、誰かさんの修行に付き合っていること、監視対象がなかなか部屋に戻らないため寝不足が続き、疲労から選ぶ言葉を間違えた。左からくる平手打ちを受けるか受けないか、さて、どちらが正しい判断なのか。
「……このクズ」
俺に掴まれた手を振り払って女は早足に去っていった。ハーと大きなため息をつき柱に背を預けた。
『いい加減、学んで辞めたらどうですか』
少し不機嫌…声の方へ顔を向ける。修行の痕跡が残る擦り傷やら、土埃が残る両手に買い物袋を持つ隣の住人。いい歳の女の子が、身なり気にせずスーパーに行けるものだなと思いつつ、言葉を返す。
カカシ「誰のせいだと思ってるの。まあ、大人にも色々あるのよ」
『……平手打ちされる大人の事情なんて、知りたくないです』
カカシ「ハハハ、名前も年頃なんだから、恋話の1つや2つあるんじゃないの」
『2つもあっていいものですか?』
カカシ「…時と場合によるな」
『だから、さっきみたいになるんじゃないですか』
少し呆れたように俺を見る目が耐えられなくなり、アハハハと笑いながら視線を逸らす。1人での生活が長い影響か、名前は大人びていて扱いが難しく、話す時は少し頭を使う。下手したら大人の女性より難しいかもしれないな。
カカシ「悪かったよ、学んでほどほどにするから」
『私には関係ないので……それよりここで長話より、中でご飯食べながらにしませんか?私お腹ぺこぺこ…カカシ先生もまだ食べてないでしょ?』
首を自分の部屋の方へ軽く傾け、手に持つ袋を俺に見せる。最初は驚きもしたが、5回目となれば話は別…。あんな状況を見せても誘ってくれるとは思わなかったから、返事が遅れる。『あけときますから』と、名前は先に部屋へと入っていった。
カカシ「本当に扱いに困るな」
俺が断らないのを知ってか、鍵は閉めずにスリッパの準備までしてあった。遅れて彼女の部屋に入ると手際よく夕食の準備を進めていた。邪魔にならないよう椅子に腰掛け、待っている間に少し彩り付いた彼女の部屋を見る。少しづつ彼女の心に変化が現れているのだと実感し、感心していると目の前に置かれていく夕食たち。
普通なら教え子の家で馳走をいただくことなんてないが、美味しさには逆らえない。初めて呼ばれた時は交流の機会だと思い、お誘いに乗ったのだが、それがいけなかった。今ではしっかり胃袋を掴まれている。
『……』
カカシ「…………」
『……』
カカシ「……今日は誘ってくれないと思ったよ」
『…だって、待ってたんでしょ?私が帰ってくるの』
これまた強烈な一言。名前のことだから、何の意味も込められていない。しかし、女性にこんな言葉を言われることは滅多にないから驚き言葉に詰まってしまう。
『監視対象がいつもより遅かったら気になりますよね。それに…元気が……修行に付き合ってもらってるお礼です』
カカシ「ククク、元気がなさそう…か。本当にお前は予想もつかない返事がかえってくるよ。面白いな。一生、飽きなさそうだ」
『バカにされてるような気がします』
カカシ「ん?すごく褒めてんのよ」
『…そうは思えないですけど』
「滅多に言わない言葉だから大事にしまっとけって。それに、そんなに俺の事心配してくれてたなんて思わなかったから嬉しかったんだよ」
『それは……私が中忍試験を受けるって言わなければ、先生がここまで忙しくならなかったと思って』
カカシ「確かに驚いたが。頑張りたいと言う部下を応援するのが俺たち仕事だからね〜。まあ、部下は成長するし、美味い飯にもありつけるし、一石二鳥ってことよ。俺の仕事だから、そんなしけた顔せず先生を頼りなさーい」
そう言って、眉間に皺を寄せる彼女の頭を撫でる。彼女は振り払うことはしなかったが、眉間に皺を残したまま「子供扱いしないでください」と睨んできた。
本当に驚かされるし、反応は面白い。
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アスマ「おーい、おいって、聞いてんのか?」
カカシ「聞いてるよ、んで、なんだって」
アスマ「聞いてねーじゃねえかよ。たく、お前は。部下を心配しすぎて、心ここに在らずってやつか?なんせ今年の第一の試験官、あの森乃イビキだしな」
カカシ「よりにもよってあのサディストか」
これはかなり難しい試験になりそうだ。過去、彼が試験官だった時の脱落者数を思い出す。筆記試験に関して危ういのはナルトと名前だな。それさえ乗り越えればいいところまで行きそうだと思うんだが。
アスマ「そういえば例のお気に入りも推薦したんだって?まだ2ヶ月も経ってないだろ?来年に持ち越しでも良かったんじゃないか」
カカシ「名前のことか?別にお気に入りじゃないから。まぁ、本人が出たいって言ったんだから出すしかないでしょ」
経験を積ませるためにこの数週間、他班の任務を観察させたり修行に付き合ったりと一緒にいることが多かったせいで、俺のお気に入りと噂が広まったよだ。
アスマ「お前の付き合いが悪くなったから本命の女でもできたと思ったら、毎日可愛らしい子連れちゃって。嫉けるじゃねーか」
紅「最近、噂を聞かなかなったのはそうゆう理由だったのね。おかしいと思ったのよ」
カカシ「はいはい、うるさいよお前ら。俺のことなんだと思ってるのよ」
アスマ.紅「すけこまし」
カカシ「ひどい言われようだな」
アスマ「ま、冗談は置いといて、本当に大丈夫なのかあの嬢ちゃん?俺が会ったときなんて忍術使えなかっただろ」
アスマ班に連れて行ったのがあいつを連れ出し始めたばかりだったのを思い出した。当時、人見知り発揮の影響で覚えたての忍術は不発するなど、鈍臭いところを見せていた。今の名前を見たら驚くだろう。
カカシ「若い子の成長は恐ろしいよね」
アスマ「……やっぱりお気に入りだろう」
俺の顔を見て、数回瞬きさせた後ニヤリと笑う。
カカシ「だから違うって……なんだよ、紅、そんな怖い顔しちゃって」
ずっと黙っていた紅に声をかけると彼女は持っていた書類を差し出す。
紅「カカシ、あの子調べさせてもらったけど一切情報がないわ。いったいなんなのあの子」
それを手に取り中身を見ると、ほとんど白紙の名前の経歴書が入っていた。仕事が早いやつだ。火影様に言って内容に少し手を加えさせてもらおう。
アスマ「おいおい、なんだよこりゃー。ほぼ情報が無いじゃないか…お前とんでもない奴抱え込んでんな」
カカシ「別にとんでもなくはない、ただ山奥に住んでて情報がないだけさ、問題はない。今のところね。まっ、いい子だから面倒見てやってくれ」
紅「面倒みてやってってねー」
アスマ「今のところは…ってところが気になるな。お前、隠すんじゃねーよ」
カカシ「…本当に今のところは問題ない、ただ一緒に住んでいたお爺さんが忍の可能性がある。そいつがどんなやつかってところくらいだな。情報を探す手立てがない…ま、おいおいってところだ。…いい子で、素直、覚えも悪くない、きっとお前らも気にいるさ」
こいつらに頼んでおけば他の上忍から目をつけられた時に助けてくれるだろう。
アスマ「お前にそこまで言わせる女か、こりゃーまた成長した姿を拝見するのが楽しみだな」
紅「はーもう、しょうがないわね」
アスマは楽しそうに、紅はため息をつきながら了承した。さすが頼れる同期だ。俺は「助かるよ」と言って笑った。