中忍選抜試験編 前編
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カブト「……くっ」
予選で名前に蹴り上げられた顎は、医療忍術で治療したはずだというのに、まだ鈍い痛みが残っていた。眉間を指で押さえる。本来なら、とっくに完治しているはずだ。
それでも痛むのは――あの瞬間の“衝撃”に、何か異質な力が込められていて、それが身体の奥に残っているからだろう。その背後に、蛇のように冷たい声が落ちた。
オロチマル「フフ……カブト。ずいぶん手こずったようじゃない?」
カブト「いやぁ、油断しましたね。ちょっと隙を突かれました」
オロチマル「……本当に、“隙”かしら?」
カブト「…………」
軽口で返そうとした喉が、ひゅっと詰まる。大蛇丸様の声は、いつもより柔らかい。なのに、底が見えないほど冷たかった。……誤魔化せる相手じゃない。
ゆっくりと手を止め、顎に触れながら目を伏せる。確かに最初は、あの子の“力量”を探るつもりだった。深入りすれば、自分の正体に気づかれる可能性もある。だから――軽く終わらせる予定だった。
――なのに。朦朧としていたはずの名前が、折れた腕を抱えたまま立ち上がった、あの瞬間。……面倒だ。心の底から、そう思った。大蛇丸様には悪いが、この程度の駒なら消してしまっても問題ない。そう判断し、背後へ回り込んだ瞬間――あの瞳が、こちらを“見ていた”。
戦意を失った者の目じゃない。獣が獲物を捉えたときのような、鋭く研ぎ澄まされた光。背筋が、ぞくりと冷えた。反応が遅れたわけじゃない。単純に――読まれていた。そして気づけば、俺は地面に叩きつけられていた。
カブト「……で、僕は。ご期待通りの働きはできましたか?」
皮肉めいた笑みを浮かべながらも、背中に薄く汗が滲む。
オロチマル「十分よ。フフ……木ノ葉は、サスケ君以外にも実に面白い子を送り込んでくれるわねぇ」
カブト「……あの子、一体何者なんです?」
オロチマル「あなたが知らないのも当然よ。“幻の一族”なんだから」
カブト「……幻の……?」
その言葉に、特殊な血統や秘術の匂いを感じ取る。
オロチマル「まだ確証はないけれど……ほぼ間違いないわ。あの一族は少人数で構成され、記録を残すことを“禁じられた”一族。存在を知る者は、極めて少ない」
オロチマル「だから――“幻の一族”と呼ばれているの」
愉悦を含んだ声。
それなのに、どこか静かで、不気味に響いた。
カブト「……記録を禁じる一族、ですか。厄介ですね」
オロチマル「私がその存在を知ったのも偶然よ。実際に会ったことがあるのは、二人だけ……それほど希少な血筋」
大蛇丸様が、ゆっくりと振り返る。
妖しい笑みが、その唇に浮かんだ。
オロチマル「その一族の名は――」
