綱手捜索編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
サスケ「俺は、あいつを殺すためだけに、生きてきたんだ」
吐き捨てるように言った彼の瞳は、これまで一度も見たことがないほど、深い憎悪に染まっていた。踏み込んではいけない領域だと、本能がはっきり告げてくる。
……それでも。この時、その警告を無視して、無理にでも話を聞いていれば。理解しようとして、寄り添うことができていたなら。“あの出来事”は、起きずに済んだのだろうか。胸の奥を掠めたのは、今さらどうにもならない後悔だった。
_______
_____
『やめて……‼︎』
分身のイタチに両腕を掴まれ、身動きひとつ取れないまま、私は叫ぶことしかできなかった。背後では、サスケが容赦なく叩き伏せられている。鈍い衝撃音が、胸の奥まで響く。
あの時。確かに感じたあの優しさ。それが嘘だったかのような、残酷な光景だった。自来也さんは動かない。サスケの意思を汲んでいるのだと、頭では理解できる。
——私が、やるしかない。
そう覚悟を決め、力を集中させようとした、その瞬間。
ジライヤ「 名前 やめるんじゃ‼︎ 」
『んぐっ…‼︎』
イタチ「黙っていろ」
自来也さんの制止の声が上がった、その瞬間。イタチは迷いなく私の身体を反転させ、口元を押さえた。さらに力を込め、逃げ場を与えないように拘束する。その動きはあまりにも正確で、まるで私の力を発動させまいとしているかのようだった。
身を捩れば、背後からいっそう強く締め付けられる。圧倒的な力。恐怖を感じて当然なのに、不思議と胸の奥をかすめたのは、微かな懐かしさだった。その顔を、もう一度確かめようとした瞬間——
サスケ「うああああ‼︎‼︎」
凄まじい叫びが空気を裂いた。反射的に視線を向けた次の瞬間、頭の中に“映像”が流れ込む。血に染まったうちはの里。崩れ落ちる家々。倒れゆく人々。幼いサスケの前で、家族が無惨に散っていく。そして、そのすべての中心にあるのは、冷たく光る写輪眼。
『……っ、う……おえっ……‼︎』
込み上げる吐き気に抗えず、私はその場に崩れ落ちた。カカシ先生の時と似ている。今回はサスケが見せられている幻術が、そのまま私にも流れ込んできている。幻術が、ここまで精神を抉るものだなんて知らなかった。意識は引き裂かれ、体は鉛を詰め込まれたように重い。
ジライヤ「名前 大丈夫か⁉︎ ナルトもその場から動くな!」
その声が響いた途端、地面が——いや、この建物全体が歪むように景色を変えた。何が起きているのか理解する力も、もう残っていない。私は重力に逆らえず、そのまま横へ倒れ込んだ。
イタチたちはすぐにその場を離れた。
その背中を、私はただ見送ることしかできない。
——あなたと話したいことが、あるのに。
その声は、結局届かなかった_______
チュン… チュンチュン──。
小鳥のさえずりに、私はゆっくりと目を開けた。そこは、見覚えのある森の中。幼い頃に住んでいた、あの場所だった。
たしか私は、サスケと一緒にナルトを探しに行って……。なのに目の前に広がる光景は、あまりにも鮮明で、現実そのものだった。ついさっきまで味わっていた出来事のほうが、夢だったのではないかと錯覚してしまうほどに。
「見つけた」
低く、穏やかな声。
『……あなたは』
イタチ「ハハ、もう忘れちゃったの?うちはイタチだよ」
その笑みを見た瞬間、胸の奥がひくりと震えた。懐かしさと、言いようのない違和感が同時に押し寄せる。
『お兄ちゃん‼︎ 今日は何教えてくれるの?』
口が、勝手に動いた。体も、自分の意思とは関係なく、彼のほうへ向いている。
『ずっと待ってたんだよ‼︎』
『見て、こんなこともできるようになったの』
『次はいつ来てくれるの?』
『私は、お兄ちゃんのこと大好き』
『将来、私をお嫁さんにしてね』
「『約束』」
思い出した。私は、イタチのことを知っていた。幼い頃、確かに出会っていた。確かに、同じ時間を過ごしていた。それなのに、どうして忘れていたのだろう。どうして、あんなにも大切な記憶を、心の奥に閉じ込めてしまったのか。
そして、なぜあの人は、あんなにも冷たい瞳をしていたのだろう。お兄ちゃん……いや、“イタチ”。
あの頃のあなたは、誰よりも優しくて、温かくて。私の世界に、確かに笑顔をくれた人だったのに_______
『……約束』
ジライヤ「む、起きたか、名前」
『ん……自来也さん? 私……』
目を覚ますと、視界がゆらゆらと揺れていた。少し遅れて、自分が誰かにおぶられているのだと気づく。どうやら私は、あの後気を失ってしまったらしい。私の声に反応して、ナルトがぱっとこちらを振り返り、いつもの調子で名前を呼んだ。その声を聞いて、ようやく現実に戻ってきた気がした。
自来也さんから聞かされた状況は、想像していた以上に深刻だった。敵の二人には逃げられ、サスケは強力な術を受けて意識が戻らないまま、病院へ運ばれたという。そして私たちは今、医療忍術のスペシャリスト〝綱手〟という女性を探す旅の途中にいるらしい。
しかもこの旅自体が、私たちの修行の一環だというのだから驚いた。……もっとも、私はしばらく体力の回復が最優先らしいけれど。
『自来也さん……』
ジライヤ「なんじゃ、起きてたのか。もう少し寝ててもええんじゃぞ。あの術に干渉して意識が残っとるだけでも奇跡みたいなもんじゃ」
『……私、あの人のこと知ってた。昔は……すごくいい人だったよ』
ジライヤ「そーじゃの。人は、いつどこでどう変わるか分からん。お前が出会った後に、何かあったかもしれん」
『私……あの人のこと、好きだった。うちはの“最後”を知っても、どうしても嫌いになれない。犯罪者に対して、こんなふうに思うの……やめた方がいいのかな』
胸の奥で、記憶と現実がぐちゃぐちゃに絡まり合う。それでも私は、信じてしまう。あの人は本当は、悪い人じゃないって。
ジライヤ「……難儀な道じゃのう。じゃが、お前たち一族の直感は侮れん。お前が“そう思う”なら、それは間違いじゃないのかもしれんぞ」
その一言に、胸の痛みが少しだけ和らいだ。また会いたい。もう一度、確かめたい。何があったのか、直接聞きたい。その願いだけが、胸の奥で静かに燃えていた。
_____1年後
『……来てくれたんだ』
イタチ「お前が呼んだんだろ」
『……そうだね』
振り返った瞬間、あの頃と同じ優しい目がそこにあった。彼は一歩、また一歩と距離を詰める。逃げる理由なんて、もうなかった。そっと頬に触れられた指先は驚くほど熱を持っていて、その温度が肌から胸の奥へと静かに染み込んでくる。
イタチ「……大人になったな。綺麗だ」
その一言で、世界が滲んだ。息を整える間もなく、彼の腕がゆっくりと私を抱き寄せる。強くはないのに、離れられない。唇が触れた瞬間、胸の奥で凍りついていた“約束”が、音を立ててほどけていく。
『会いたかった……ずっと。あの時、忘れてて……ごめんね』
「いや。あの時は、それでよかった。…今こうしてお前と会えている。それが何より嬉しい」
その声の深さに、胸が熱を帯びる。優しい微笑みを見た瞬間、堪えきれず、私はもう一度彼に口付けを落とした。触れられるたび、指が背に回されるたび、胸の奥がじんわりと疼いて、彼の名前が自然と零れ落ちる。
一緒にいられた時間は、あまりにも短かった。
それでも、離れていた時間を埋めるように、確かめ合うように、私たちは互いの名前を、何度も、何度も呼び合った。
吐き捨てるように言った彼の瞳は、これまで一度も見たことがないほど、深い憎悪に染まっていた。踏み込んではいけない領域だと、本能がはっきり告げてくる。
……それでも。この時、その警告を無視して、無理にでも話を聞いていれば。理解しようとして、寄り添うことができていたなら。“あの出来事”は、起きずに済んだのだろうか。胸の奥を掠めたのは、今さらどうにもならない後悔だった。
_______
_____
『やめて……‼︎』
分身のイタチに両腕を掴まれ、身動きひとつ取れないまま、私は叫ぶことしかできなかった。背後では、サスケが容赦なく叩き伏せられている。鈍い衝撃音が、胸の奥まで響く。
あの時。確かに感じたあの優しさ。それが嘘だったかのような、残酷な光景だった。自来也さんは動かない。サスケの意思を汲んでいるのだと、頭では理解できる。
——私が、やるしかない。
そう覚悟を決め、力を集中させようとした、その瞬間。
ジライヤ「 名前 やめるんじゃ‼︎ 」
『んぐっ…‼︎』
イタチ「黙っていろ」
自来也さんの制止の声が上がった、その瞬間。イタチは迷いなく私の身体を反転させ、口元を押さえた。さらに力を込め、逃げ場を与えないように拘束する。その動きはあまりにも正確で、まるで私の力を発動させまいとしているかのようだった。
身を捩れば、背後からいっそう強く締め付けられる。圧倒的な力。恐怖を感じて当然なのに、不思議と胸の奥をかすめたのは、微かな懐かしさだった。その顔を、もう一度確かめようとした瞬間——
サスケ「うああああ‼︎‼︎」
凄まじい叫びが空気を裂いた。反射的に視線を向けた次の瞬間、頭の中に“映像”が流れ込む。血に染まったうちはの里。崩れ落ちる家々。倒れゆく人々。幼いサスケの前で、家族が無惨に散っていく。そして、そのすべての中心にあるのは、冷たく光る写輪眼。
『……っ、う……おえっ……‼︎』
込み上げる吐き気に抗えず、私はその場に崩れ落ちた。カカシ先生の時と似ている。今回はサスケが見せられている幻術が、そのまま私にも流れ込んできている。幻術が、ここまで精神を抉るものだなんて知らなかった。意識は引き裂かれ、体は鉛を詰め込まれたように重い。
ジライヤ「名前 大丈夫か⁉︎ ナルトもその場から動くな!」
その声が響いた途端、地面が——いや、この建物全体が歪むように景色を変えた。何が起きているのか理解する力も、もう残っていない。私は重力に逆らえず、そのまま横へ倒れ込んだ。
イタチたちはすぐにその場を離れた。
その背中を、私はただ見送ることしかできない。
——あなたと話したいことが、あるのに。
その声は、結局届かなかった_______
チュン… チュンチュン──。
小鳥のさえずりに、私はゆっくりと目を開けた。そこは、見覚えのある森の中。幼い頃に住んでいた、あの場所だった。
たしか私は、サスケと一緒にナルトを探しに行って……。なのに目の前に広がる光景は、あまりにも鮮明で、現実そのものだった。ついさっきまで味わっていた出来事のほうが、夢だったのではないかと錯覚してしまうほどに。
「見つけた」
低く、穏やかな声。
『……あなたは』
イタチ「ハハ、もう忘れちゃったの?うちはイタチだよ」
その笑みを見た瞬間、胸の奥がひくりと震えた。懐かしさと、言いようのない違和感が同時に押し寄せる。
『お兄ちゃん‼︎ 今日は何教えてくれるの?』
口が、勝手に動いた。体も、自分の意思とは関係なく、彼のほうへ向いている。
『ずっと待ってたんだよ‼︎』
『見て、こんなこともできるようになったの』
『次はいつ来てくれるの?』
『私は、お兄ちゃんのこと大好き』
『将来、私をお嫁さんにしてね』
「『約束』」
思い出した。私は、イタチのことを知っていた。幼い頃、確かに出会っていた。確かに、同じ時間を過ごしていた。それなのに、どうして忘れていたのだろう。どうして、あんなにも大切な記憶を、心の奥に閉じ込めてしまったのか。
そして、なぜあの人は、あんなにも冷たい瞳をしていたのだろう。お兄ちゃん……いや、“イタチ”。
あの頃のあなたは、誰よりも優しくて、温かくて。私の世界に、確かに笑顔をくれた人だったのに_______
『……約束』
ジライヤ「む、起きたか、名前」
『ん……自来也さん? 私……』
目を覚ますと、視界がゆらゆらと揺れていた。少し遅れて、自分が誰かにおぶられているのだと気づく。どうやら私は、あの後気を失ってしまったらしい。私の声に反応して、ナルトがぱっとこちらを振り返り、いつもの調子で名前を呼んだ。その声を聞いて、ようやく現実に戻ってきた気がした。
自来也さんから聞かされた状況は、想像していた以上に深刻だった。敵の二人には逃げられ、サスケは強力な術を受けて意識が戻らないまま、病院へ運ばれたという。そして私たちは今、医療忍術のスペシャリスト〝綱手〟という女性を探す旅の途中にいるらしい。
しかもこの旅自体が、私たちの修行の一環だというのだから驚いた。……もっとも、私はしばらく体力の回復が最優先らしいけれど。
『自来也さん……』
ジライヤ「なんじゃ、起きてたのか。もう少し寝ててもええんじゃぞ。あの術に干渉して意識が残っとるだけでも奇跡みたいなもんじゃ」
『……私、あの人のこと知ってた。昔は……すごくいい人だったよ』
ジライヤ「そーじゃの。人は、いつどこでどう変わるか分からん。お前が出会った後に、何かあったかもしれん」
『私……あの人のこと、好きだった。うちはの“最後”を知っても、どうしても嫌いになれない。犯罪者に対して、こんなふうに思うの……やめた方がいいのかな』
胸の奥で、記憶と現実がぐちゃぐちゃに絡まり合う。それでも私は、信じてしまう。あの人は本当は、悪い人じゃないって。
ジライヤ「……難儀な道じゃのう。じゃが、お前たち一族の直感は侮れん。お前が“そう思う”なら、それは間違いじゃないのかもしれんぞ」
その一言に、胸の痛みが少しだけ和らいだ。また会いたい。もう一度、確かめたい。何があったのか、直接聞きたい。その願いだけが、胸の奥で静かに燃えていた。
_____1年後
『……来てくれたんだ』
イタチ「お前が呼んだんだろ」
『……そうだね』
振り返った瞬間、あの頃と同じ優しい目がそこにあった。彼は一歩、また一歩と距離を詰める。逃げる理由なんて、もうなかった。そっと頬に触れられた指先は驚くほど熱を持っていて、その温度が肌から胸の奥へと静かに染み込んでくる。
イタチ「……大人になったな。綺麗だ」
その一言で、世界が滲んだ。息を整える間もなく、彼の腕がゆっくりと私を抱き寄せる。強くはないのに、離れられない。唇が触れた瞬間、胸の奥で凍りついていた“約束”が、音を立ててほどけていく。
『会いたかった……ずっと。あの時、忘れてて……ごめんね』
「いや。あの時は、それでよかった。…今こうしてお前と会えている。それが何より嬉しい」
その声の深さに、胸が熱を帯びる。優しい微笑みを見た瞬間、堪えきれず、私はもう一度彼に口付けを落とした。触れられるたび、指が背に回されるたび、胸の奥がじんわりと疼いて、彼の名前が自然と零れ落ちる。
一緒にいられた時間は、あまりにも短かった。
それでも、離れていた時間を埋めるように、確かめ合うように、私たちは互いの名前を、何度も、何度も呼び合った。
