出会い編
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不思議な夢を見た。
どこまでも続く真っ暗な世界に、ぽつんと一つだけ、扉が浮かんでいる。光も音もないはずなのに、その向こうから誰かに呼ばれているような気がした。
声は聞こえないけれど、確かに〝開けろ〟と誘われているような感覚だけが、はっきりと胸に届く。
気づけば、私の手には鍵が握られていた。どうして持っているのかなんて、考えもしなかった。ただ、それが〝必要なもの〟だと、最初から分かっていたみたいに。
迷いはなかった。引き寄せられるように扉の前へ立ち、静かに鍵を差し込む。カチャリ、と回したその瞬間、視界が白く弾けた。
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目を覚ますと、見慣れない天井が視界いっぱいに広がっていた。ぼんやりとした意識のまま瞬きを繰り返したあと、鼻をつく薬品の匂いに気づき、思わず顔をしかめる。ここがどこなのか、そう考えるより先に、腕に走る鈍い痛みが無理やり現実へと引き戻してくる。
ヒルゼン「おー、起きたか。体はもう大丈夫かの」
ゆっくりと上体を起こした、その時だった。控えめな足音とともに、ひとりの年配の男性が部屋に入ってくる。落ち着いた佇まいのその人は、自らを火影と名乗り、今の状況を淡々と説明してくれた。
ここは木ノ葉であること、私が保護されたこと。住む場所の提供、そしてチャクラの扱い方についての指導。話を聞きながら自然と理解していく。きっと、選択肢はほとんどないのだと。
ヒルゼン「そんなに心配せんでも大丈夫じゃ」
けれど、その声音には強制するような圧はなく、あくまでこちらに委ねるような穏やかさがあった。だからだろうか、拒む理由も見つからないまま、その言葉に背中を押されるように、私は小さく頷いていた。
案内役として現れたのは、あの時森で倒れていた、はたけカカシだった。無事退院してからの一週間。彼は任務の合間を縫って、里の施設や道をひとつひとつ丁寧に案内してくれた。私の歩幅に合わせるようにゆっくりと歩き、時折足を止めては、分かりやすく言葉を選んでくれる。その何気ない気遣いに触れるたび、少しずつこの場所への緊張がほどけていった。
歩きながら、彼の部下である第七班の話を聞くこともあった。どこか穏やかな声音で語られるその話から、彼が彼らを大切に思っていることが伝わってくる。
カカシ「歳の近い子たちとも接してみるといいよ」
そう柔らかく勧められ、私は戸惑いながらも、小さく頷いた。そして今日、ついにその〝部下たちと〟対面することになった。
この出会いが。
後に世界を動かす顔ぶれとの出会いになるなんて。
この時の私たちは、まだ。
誰一人として、知らなかった。
ナルト「俺ってば! うずまきナルト! いずれ火影になる男だってばよ! よろしくな!!」
勢いよく名乗りを上げたのは、太陽みたいに明るい金髪の少年だった。その真っ直ぐすぎる言葉に、思わず少しだけ目を瞬く。
サクラ「私はハルノサクラ。よろしくね! ……あなたの瞳、すごく綺麗」
続いて、柔らかく微笑みながら挨拶してくれたのは、愛嬌と強さを併せ持った少女。その一言に、少しだけ胸がくすぐったくなる。
サスケ「……うちはサスケ」
最後に名乗った黒髪の少年は、短くそれだけを告げると、鋭い視線でこちらを静かに見据えてきた。
同い年くらいのはずなのに、性格も雰囲気もまるで違う三人に、どう返せばいいのか分からず、わずかに言葉が遅れる。それでも、視線を受け止めるように小さく息を吸って。
『……名前です』
そう名乗ると、場の空気をまとめるように、軽く手を叩く音が響いた。
カカシ「ってわけで、さっき話した通り。第七班に名前を加えた“5人”で行動……と言いたいところなんだけど」
いつもの調子で片手をひらひらとさせながら続ける。
カカシ「彼女はね、まあ〝忍見習い〟みたいなものだよ。当面は俺と行動するから、任務で一緒になることはほとんどない。ただ、俺が〝いける〟と判断した任務には名前も参加させる。その時は、先輩としてフォローしてやってくれ」
〝先輩〟という言葉に、ナルトとサクラの目がぱっと輝く。一方で、サスケは小さく舌打ちをすると、興味なさげにそっぽを向いた。こんなざっくりした説明でいいのだろうかと、不安が胸をよぎるが、ふと視線を向けるとカカシさんが片目だけでこちらを見て、軽く「合わせて」と合図を送ってくる。その仕草に小さく息を整える。
『……お願いします』
そう言って、私は深く頭を下げた。
