中忍選抜試験 後
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なんだかんだで第3の試験まで進んだ。毎日の修行もめんどくさいし。今日はさらについてない。修行後、家に帰れば母ちゃんに買い出しを頼まれた。人使い荒いんだよ。と天を仰ぐ。
「だりーーーー」
『そう!兵糧丸!それの作り方を知りたいの。図書館に行ったけど、なんかしっくりこなくて…そしたら秋道一族はそういったことに詳しいって聞いてさ』
チョウジ「えっ、あっ、えっと」
妙な組み合わせに目を瞬かせた。チョウジは女と話すことに慣れていないせいか言葉に詰まって会話になっていない。…サクラやイノは大丈夫なのにな。
ナルトから面白いやつが仲間になったと聞いていた。最初は興味もなかったが、数回会ううちにナルトの言っていたことが理解できた。世間を知らないのか、たまに抜けているやつだが、表裏のない性格が良いところだ。基本、女と話すのがめんどくさいが気にせず話せる相手。
助け舟をだすか、と声をかけようか迷っていた時だった。
中忍1「おい、見ろよ、赤道一族の出来損ない、ただのデブがここにいるぞ」
中忍2「なんだよ、一丁前に女と一緒にいるじゃねーか。ん、なんだ、お前よく見ると綺麗な顔してるな、そんなデブとじゃなくて俺らと飯行こうぜ」
俺が声をかけるより先に3人の忍が現れた。
あいつらはたしか2年先に中忍になったやつらだ。アカデミーの時から何も言い返さないチョウジにちょっかい出してたな。相変わらずしょうもないやつらだ。
シカマル「お……『余計なお世話』
中忍「は?」
『余計なお世話だって言ったの。一緒にいる相手は私が決めるし、それに…どう考えても、あなた達よりチョウジの方が優しくて強い忍だよ』
その言葉を聞いて、俺が褒められたわけじゃないのに嬉しさを感じ、自然と口角が上がる。ちゃんとあいつはチョウジの事を見ている。
中忍「なっ!てめぇ仕立てに出てればいい気になりやがって!こいよ、先輩に盾突くとどうゆうことになるかわからせてやる」
『無意味すぎる。相手にするだけ無駄…チョウジ行こ…………離してくれる』
その場から離れようとした時、1人の男が腕を掴んだ。俺は買い物袋からりんごを取り出しそいつめがけて投げた。
中忍2「そんな強気なのも今のうちだぞ、来いっ…ドカッ!痛って⁉︎誰だ⁉︎」
シカマル「相変わらずっすね、先輩。そいつにちょっかいかけるのやめといたほうがいいすよ。なんていったって、あのウチハ一族と同じ班。それに、上司はハタケカカシさんだぜ」
中忍2「なっ………」
中忍3「お、おい、もう行こうぜ」
中忍1「てめー、覚えてろよ」
そう言って負け犬のように去っていく後ろ姿に。
シカマル「そんなんだから、いつまで経っても成長できないんすよ」
チョウジ「ありがとう、シカマル」
『シカマルありがとう助けてくれて。これりんご、ダメだよ食べ物で攻撃したら』
シカマル「ちょうどいいものがなかったんだよ、それにお前が落とさずキャッチしてくれるって分かってたしな。そんで、珍しい組み合わせだな。なにしてたんだよ」
そう言うと、経緯を話してくれた。
次の試験で必要となる兵糧丸を秋道一族に学びに行こうとしていたところだった。だが、チョウジの親は任務で出ているらしい。急ぎとのことから、付き合いの長い奈良家へ向かうことになった。秘薬はないだろうが、親父ならある程度のことは知っているだろう。それに親父も名前のことを、なぜか気にしてるそぶりを見せたことがあったから丁度いいだろう___________
シカマル「お前、本当にいいのか?俺の家は歓迎してんだけど、特に親父が」
『申し訳ないよー、兵糧丸の作り方教えてもらって、そのまま貰っちゃったし…それに夜ご飯までは……また今度!また今度ご馳走になるって言っといてもらえるかな』
シカマル「わかったよ、今度は頼むぜ、どやされんの俺だから」
そう言うとフフっと可愛らしく笑う。
手を振り俺に背を負けた時俺は呼び止めた。
『?』
「あ、えっと……チョウジのことありがとな。それに悪かったな、あのとき…もう少し早くに俺が声かけてれば」
要件もなく呼び止めてしまった為、咄嗟に今日の出来事についてお礼をした。
『……私は本当のことを言っただけだよ。彼は誰よりも優しくて強い忍。ただ今は優しさが強いんだと思う、いつかメリハリができたら最強の忍だね!……それに、シカマルもだよ』
シカマル「俺?」
『そうだよ。シカマルはあの時に戦う事なく場をおさめてた。何が最善の策かを考える力がすごいよね。シカマルは頭脳派だよね。私なんて、どうやって気絶させようか考えてたよ』
頭脳派なんて言われたことがない。変に褒められるもんだから照れ臭く頭を掻き言葉が出ない。それに名前の事だ、本心から言っているからなおさら恥ずかしい。
シカマル「中忍相手に気絶っておっかないやつだな。今回の相手は、たまたまあいつらだったから良かったけど、気をつけろよ。俺たちより強い奴なんてごまんといるんだからな」
『そんなの関係ないよ。私は友達を傷つけるやつは絶対に許さないから』
リンとした表情に目が離せない。この瞳は本当にどんなやつにも立ち向かうのだろうと思わせられる。危なっかしいやつだ。
『それに…その時はシカマルが持ち前の頭脳を使って、助けてくれるでしょ?』
シカマル「……ハハ!本当にお前は面白いやつだな、俺の事を当てにするなんて。まぁ、めんどくせーけどしょうがねーな。わかったよ、お前が困ったときは、お前の信用する俺の頭を使ってやるよ」
『⁉︎…頼りにしてるよ。すごく楽しみだなー。それじゃあ、まずはお互いに試験を乗り越えよう』
シカマル「おう」
そう言ってお互い手を振って別れた。
あんな約束をしちまったし俺も少し頑張るしかないなと背伸びをした時。
チョウジ「惚れたでしょ」
シカダイ「惚れたな」
シカマル「ぬおっ⁉︎おめーらいつから⁉︎」
後ろの柱の横から顔を覗かせる2人。
チョウジ「チョウジのありがとな…あたり」
シカマル「最初からじゃねーか⁉︎」
シカダイ「あの子はよく見てるし、とてもいい子だ。シカマル逃すんじゃねーぞ。絶対美人になり強者になるぞ」
シカマル「何言ってんだよ親父は⁉︎たく、めんどくせーーーーー」
この時は小っ恥ずかしくて、親父の言っていたことなんて聞いちゃいなかった。親父の言ったことを思い出すのはもう少し先。あいつが強く、そして美しくなってからだった。