出会い編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
波の国での一戦を経て、俺は嫌というほど自分の鈍りを思い知らされた。だからこそ火影様に、Aランク以上の任務を任せてほしいと願い出たまでは良かったのだが、その結果がこれだ。写輪眼の使いすぎで体は言うことをきかず、木にもたれたまま一歩も動けない。情けないにも程がある現状に、ため息がひとつ自然と零れた。
まったく、格好がつかない。
そんな時に出会ったのが彼女だった。小さな足跡が近づいてくる気配に気づき、わずかに顔を上げる。すると視界の先には、驚いた顔をした少女がひとり立ち尽くしていた。
まさか、こんな辺境に人がいるとは思わなかった。最寄りの集落まで、忍の足でも一時間はかかる距離だ。身なりを見る限り敵ではなさそうだが、それでも油断はできない。万が一の事態を想定しながら、表情には出さず静かにその様子をうかがう。だが、気づけば警戒とは別の意味で視線が止まっていた。
年はナルトたちと同じくらいか。肩まで伸びた白髪が、風に揺れるたび、ひと房ごとに銀色にきらめく。中性的で整った顔立ちに、大きな青い瞳。小ぶりな鼻と形のいい唇。白い肌に、細く整った輪郭。驚いたように見開かれた青い瞳と目が合うと、吸い込まれるようにほんの一瞬、見惚れてしまう。
『えっと……大丈夫ですか?』
その隙を突かれるように、先に声をかけてきたのは彼女の方だった。不思議な空気を纏う子。それが、彼女に対する第一印象だった。
カカシ「……何から何までありがとう。助かったよ。そういえば、名前は?」
『……名前です』
少女は一度、静かに息を整えてから自分の名を告げた。名前の手際のいい応急処置と、分けてくれた食料のおかげで、俺はようやく上体を起こせる程度には回復していた。完全には程遠いが、それでもさっきまでの状態を考えれば十分すぎる。
カカシ「ちなみにさ。俺まだ、おじさんって歳でもないんだよ」
わざと軽く言ってやると、名前はびくりと肩を揺らし、目に見えて動揺した。これで少しは緊張も解ければいい。そんな気持ちでの言葉だった。決して〝おじさん〟と呼ばれて気にしていたわけではない。
『………すみません。顔もほとんど見えないし、口調とか雰囲気で勝手に…えっと…』
言葉を探しながら、どんどん気まずそうに視線を逸らしていく。あまりにも素直な反応に、思わず苦笑が漏れそうになった。
カカシ「俺は、はたけカカシ。よろしくね」
『…カカシさん』
そんなたわいもない話をしながら、短い時間の中で、いくつか分かったことがある。名前は、この先にある家で祖父と二人で暮らしているらしい。応急処置が手慣れていたのは、元医者だった祖父の影響だという。さらに森の知識も豊富で、木の実や薬草の見分けも自然と身についたそうだ。
この山奥で生きていくには、申し分ないほどの力だろう。その落ち着いた動作や、無駄のない手つきに感心して、つい視線が引き寄せられていた。その時だった。
ドッ‼︎‼︎
カカシ「なっ……!」
不意に強い衝撃を受け、体が突き飛ばされる。何が起きたのか理解するより先に、次の光景が目に飛び込んできた。俺を押し出した彼女の腕に、苦無が二本、深々と突き刺さっている。思考よりも先に状況を理解する。
敵襲。
残された力を無理やり絞り出し、写輪眼を開眼。分身を作り迫る敵の始末を任せる。だが、そこが限界だった。底をついたチャクラに抗うことはできず、意識とともに体がゆっくりと沈んでいく。視界が暗くなる直前、最後に見えたのは、複数の敵の影と、腕を押さえながらその場に崩れ落ちる名前の姿だった。
ここまでか。
意識が途切れかけた、その時
〝お前に任せたぞ〟
どこか懐かしい声が、微かに耳の奥で響いた気がした。
