中忍選抜試験 後
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『ゼイ、ゼイ』
この子強い。
自来也先生の術で、私はどこかの空間に飛ばされ、人の形をした人形と戦っていた。技や体術の癖から多分、私の分身な気がする。違いは、私には体力の限界があるが、相手にはないということ。
〝影分身の術… 火遁 蒼火球の術〟
『っ!』
何よこの威力。そうか、影分身って分身と違ってチャクラを持ってるから、2人でこの威力の技を出せるんだ。今の私のチャクラコントロールで、こんな威力のものを1人で出したら口周り大火傷だ。
戦う技術も上。会話を試みたがかなわなかった為、倒すしか選択肢はなさそう。それに負ければ終わりだろうと、なんとなく分かる。説明が少なすぎるよ自来也さん。
『でも、こんなところで終わってられないんでね』
技術は上でも基礎的レベルが同じなら、今ここで100%以上の力を発揮すればいい。私は構え相手を睨む。
そう、こんなところで止まっていられない。私はみんなを守れるくらいに強くなりたい。
________________
バチツ‼︎
ジライヤ「ぬおっ⁉︎……どーやら上手くいったみたいだのー」
『これが…』
体の底から力が漲ってくる。
ジライヤ「ククク、驚くには、ちと早いのー。それはまだほんのわずかな力にすぎない。お前さんは、その力を上手く引き出せるようになる事と使いこなせるようにならなければあかんからの。さて……ボカッ‼︎……痛い!な、何をするんだっての⁉︎」
『あ、いや、つい』
話の途中、彼の顔面に正拳突き。説明もなく生死に関わる修行をさせたからつい…。
ジライヤ「たく、あの可愛らしいお前はどこえやら、あいつに似てきて悲しくなってくるわい」
『誰のこと言ってるんですか?』
ジライヤ「ええい、なんでもないっての。本題に戻ろう、力を手にしたということは、お前、しっかりもう1人の自分と話し合ってきたってことじゃな」
『……多分?』
ジライヤ「多分じゃと!」
『だ、だって!抜け殻みたいな人形と戦ってたから、とりあえずその子倒したらここにいた…みたいな』
ジライヤ「倒した…と………クククク、ハッ!ハッ!ハッ!あのじゃじゃ馬を倒したか!良いのー良いのー、お前さんは強くなるぞー!」
そう言って親戚のおじさんのようにバシバシと力強く肩を叩く。そろそろ痛いなと思い、その手を払おうとした時だった。急に力がフッと抜け、膝から崩れ落ちた。体に力が入らず、立ち上がることもできない代わりに______
グーーーーー………
ジライヤ「わっははは!腹の虫が鳴いとるのー、まずは腹ごしらえからするかの」
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ジライヤ「あいつも大男並の食欲を見せていたが…これが理由だったとは。まさかこんな弱点があったなんて、わしも知らなかった。あいつは最強で弱みなんてみせなかったからのー」
あれからすぐ私は街へ降りて、腹の虫をおさめるために食堂へ入った。普段あまり食べないのに、今日はどれだけ食べてもお腹は満たされず、現時点で大人3人前の量に突入だ。まだまだ入る余裕すらある。あの力は相当なエネルギーを消費するようだ。
『自来也さんにはどうしてあの力のこと知っていたんですか?皆知らなかったのに』
ジライヤ「そうだのー、どこから話せばいいか____
自来也はそう言って懐かしそうに話し始めた。
昔、一緒に戦っていた女性の話。
その女性が属する一族について。
一族の力について。
…と。まぁ、ざっくりにしか話せん。何しろ謎の多い一族だったし、あいつも全ては教えてくれなかった。だから今話したのは聞いた話と、わしがその後に調べたものだ。今も旅がてら捜索中だ、また分かったらお前さんに伝えよう」
『ありがとうございます』
ちょうど3人前を食べ終えた頃に彼の話は終わった。まだ入りそうだったけど、奢ってもらう身なので、そっと追加注文のために上げそうになった手を収めた。
ジライヤ「さて、そろそろお腹の虫はおさまったかの。ナルトの方を見に行くか」
そう言って会計を済ませて立ち上がった彼に、聞き忘れていた事を思い出し「そう言えば…」と口を開いたのだが、目を逸らし渋い顔をする。
モゴモゴと言うか言わないか考えていたのだが、オッホンと軽く咳き込んだ後、真剣な顔をして口を開いた。
この術の名前、その言葉を聞き私は目を見開き__
『ダサい』