飛段•角都章
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
私の親友が最近どうもおかしい。それは決まってあの人といる時だった。
サクラ「ねー、名前。あんた最近カカシ先生と何かあった?」
差し入れを持ってナルトの修行場所へいく道中、何気ない会話の途中で気になっていたことを軽く聞いてみた。お隣さん同士だし、何かと関わることも多いのだろう。私はその程度のつもりだった。
『……え』
なのに、隣を歩いていた名前の肩がわかりやすく跳ね、そのままみるみるうちに顔が赤くなっていった。
サクラ「うそ……まじ?」
思わず足を止める。この反応は絶対何かあった時のやつじゃない。問い詰めると、名前は最初こそ必死に誤魔化そうとしていたけれど、私の視線に耐えきれなくなったのか、ぽつぽつと話し始めた。
サクラ「はぁ!?酔った勢いで誘った!?」
思わず素っ頓狂な声が出た。まさか2人がそんな関係になってしまったなんて。お互い酒の勢いだったということで、無かったことにしようという話にはなったらしいけれど、どう見ても彼女は引きずっていた。もし、カカシ先生から誘ったって話なら、もっと全力で責められたと思うけれど、実際、誘ったのは名前の方だときた。
しかも、こんな綺麗に成長した子に迫られたら、相手が教え子でも平常心を保てる男なんてそういない気がする。だからこそ、カカシ先生だけを否定しきれない自分もいた。
サクラ「はー……まさか、あんたがカカシ先生とね……。けど、カカシ先生はいつも通りなんでしょ?もう忘れちゃえば?」
そう言ってみても、名前は納得いかないように眉を寄せる。その顔を見て、私はじとりと目を細めた。
サクラ「……そんなに良かったわけ?」
『……おっしゃる通りです』
サクラ「うわ、認めた。だから女が寄っていくわけだ……」
『関係を続けたいとかじゃなくて、触れた時とか、距離が近づいた時に思い出しちゃって……体が反応しちゃうんだよね』
サクラ「なにその理由!やめて、私の二人のイメージ崩さないで!」
思わず即ツッコミを入れると、名前は少しだけ申し訳なさそうに目を伏せた。
『……ごめん』
そう返されて私は小さく息を吐く。サスケ君のことがあってからだ。名前は少しずつ、私に色んな話をしてくれるようになった。弱音も本音も、こういう誰にも言いづらそうなことも。それだけ私を信用してくれてるってことなんだろう。だったら、ちゃんと答えてあげたい。名前の悩みが、少しでも軽くなるように。私は腕を組みながら「うーん」と考え込む。
サクラ「男を忘れたいなら、新しい男を作ればいいのよ。さっきイノから聞いたけど、デートのお誘い来てるんでしょ?」
『情報回るの早いね』
サクラ「いいじゃない。割とイケメンって聞いたけど。まあ、カカシ先生ほどではないかもしれないけど」
軽い調子でそう言うと、名前は少しだけ目を伏せた。
『……断るよ』
サクラ「えっ、そうなの?」
意外で思わず聞き返す。もっと適当に流すと思っていたのに、その声は驚くほど落ち着いていた。名前は静かに視線を遠くへ向ける。まるで、今ここにはいない“誰か”を見ているみたいだった。
『カカシ先生とのことがあった手前、言うの気まずいんだけど。私、思ってる人がいるの。もう、手が届くかわからない人だけど』
その表情を見た瞬間、言葉が詰まった。嬉しそうなのに、どこか寂しい、大切な思い出を抱き締めているみたいな顔だった。でも同時に、“もう会えない”と諦めているようにも見える。もしかして、その人はもう。そこまで考えて私は口を閉ざした。これ以上は聞けない、そんな空気だった。
サクラ「じゃあその人にはカカシ先生とのことは内緒にしなきゃね」
『……ありがとう、サクラ』
サクラ「当たり前でしょ!なんたって親友なんだからね!」
胸を張ってそう言うと、彼女はくすっと小さく笑う。その顔を見て私は満足げに頷いた。
サクラ「それにしても、名前に特別な人がいたなんてねー。てっきりカカシ先生とか、そうそう、シカマルあたりかと思ってたけど」
『シカマル?』
サクラ「だって同じピアスしてるじゃない」
『…ああ、これはいつかの願掛けでもらって助かったから、継続してつけてるだけだよ。本人に返そうとしたけどいらないって返されちゃったし』
サクラ「ふーん」
きっと変な虫が寄りつかないようにしたのね。わかったけどあえて口にしなかった。
『カカシ先生は確かに、他の人と違うかもしれないけど…多分、親戚とかそんな感じ…一緒にいると落ち着くよね』
サクラ「そ、そうなの」
それは好きを通り越しているのではないのか、疑問が浮かんだけど口にしない。きっと彼女は人の好意や自分の気持ちに鈍感なんだとここではっきり気づく。伝えるべきなんだろうけど、多分わからないだろう。これは本人が気づくべきだと思う。けど一つだけわかることがある。
サクラ「あなたの人たらしが、いつか身を滅ぼさないといいわね。後ろから刺されないように気をつけなさい」
『大丈夫、背後には割と敏感だから!』
サクラ「…ちょっと頭痛くなってきたわ私」
これはひと嵐が来るだろう。そんな気がしてならなかった。
9/9ページ
