中忍選抜試験 後
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カカシ「さて、どうしたものかね」
あの試験から調子の悪い名前。しまいには、修行のため、拷問にかけてもらうという理解できない案をだす。俺もしっかり考えてあげたいところだけど、今回の部下は優秀なことに3人も第二の試験を突破した。彼女にちょうどいい先生を探すが、謎の現象すぎて誰に頼んでいいかもわからない。などいろいろ考えていたら、あっという間にサスケとの修行場所にたどり着いた。
カカシ「はい、お待たせ〜」
サスケ「遅かったな」
カカシ「ま、野暮用でね。それと名前がお前によろしくだってさ」
サスケ「………他にはなんか言ってたか」
カカシ「?……それくらいだったけど、なんかあった?」
サスケ「いや、なんでもない」
なんでもないと言う言葉の割に、顔はそう言っていない。何か不満がありそうな表情。年頃の子は扱いが難しいものだ。
カカシ「そういやお前、名前の好きな食べ物とか知ってるか?」
サスケ「…知らねーが、よくサクラと団子屋で栗羊羹食ってるな」
カカシ「へー、栗羊羹ね。また渋いもの食べてるね〜」
サスケ「それがどうかしたのか?」
カカシ「いや、なんでもないよ」
サスケ「…?」
俺の質問にサスケは不思議そうに頭を傾げた。
途中で中断してしまったお詫びに、戻った時、栗羊羹でも買って帰るか______
ジライヤ「ほれ、また一本、動きは悪くないんじゃがのー。最後のところで集中が切れる」
悪くない、なんならこの年にしてはいい方。こやつ本来の力がそれを邪魔してるってところだ。
ジライヤ「ちと休憩しようかの。がむしゃらにやっても意味がない。動きは悪くない、あの男、あれだけ過保護に何もさせずにいたのに、隠れて修行させたいたな。他にあいつから何を学んだ」
『?…忍術や体術は教えてもらってませんよ?全部ここで覚えました』
ジライヤ「⁉︎何も教わってないのか!」
『はい』と頭を傾げた。
これには驚いた。これが本当なら、いや、本当なのだろうが、それは名前のセンスの良さを意味する。そして、その成長を止めているのは。
ジライヤ「そうか、それは驚いたの……で、動きが鈍くなるのは、何かに囁かれ、自身が乗っ取られる感覚になら動けなくなると言ったところか」
『なんで知ってるんですか⁉︎』
驚いた表情を見せる。
当たりか。〝あいつ〟の言っていた通りだな。たく、あのどうしようもない過保護野郎が、育てるだけで何も教えていないとは。しっかり〝あいつ〟から教わったことを教えとけっての。
ジライヤ「やはりか…そうゆうことなら。違う方法で修行しようかの。ちと、こっちにきてわしの前に座れ」
そう言うと不思議そうな顔をして言う通りに、わしの前で正座する。〝あいつ〟に教わったやり方とは違うが、どうにかなるだろう。
『これで何をするんですか?』
ジライヤ「お前の意識を、お前の精神世界へ飛ばす術だ。お前の一族から聞いたやり方はわしにはちと合わん。だから我流で覚えたやり方だが問題はないと思う。それじゃ頑張ってこいの、負けたらお前は戻れないからの」
『えっ、まっ………………』
指にチャクラを集中させ、額にトンと当ててチャカラを流し込むと、どさりと崩れる。
ドカッ‼︎
ジライヤ「くっ……出てきたか…わしも修行がまだまだってことか。この感じ懐かしいのおー、幻の一族の血。お前の歳でもゾワっとするわい。さて、お前さんは会話ができるか」
ガードするものの数メートル後退させられた。もしかしたらと思い、構えていたのが正解だった。本来なら精神世界へ送るだけで、あとは名前次第のところだったが、持っている潜在能力が強いのだろう。もう1人のあいつが、殻の器を使いでてきやがった。
『フフ、んー!久しぶりの外の世界、やっぱり気持ちいいね。おじさん、出してくれてありがとう、ずーと抵抗するからなかなか出てこられなかったんだよね、今は〝あの女〟もいないし、もう少しは楽しめそうかな』
気持ちよさそうに伸びをする彼女の瞳は、綺麗な青い瞳ではなく、血のように真っ赤に染まっていた。
ジライヤ「会話ができると言うことは、強さを意味する。お前さん相当強いのー。ちとわしの話を聞いてくれんか?」
『当たり前じゃん、純血だもん。おじさんがどんな混合種と会ったか知らないけど比べないでね。それに、この子の潜在能力も高いからさらに強いよ』
そう言いながら、側転したり、バク宙を見せるなど陽気なところをみせた。その姿は久しぶりの体を手に入れ、体を慣らしているように見える。逃げられないよう気をつけておいた方がよさそうだ。
ジライヤ「そーか、そーか、純血なのか、それはいいことを聞いた。単刀直入じゃが、その力を名前に使わせてやってくれんか?そろそろあの子には力の使い方を学んでもらわないかん」
『…………はぁ?』ピリッ
不機嫌な声にゾワリと鳥肌が立つ。睨む彼女に気にせず言葉を続ける。
ジライヤ「お前にとっても悪い話じゃないだろ? 名前が成長すればお前自身も成長する」
『おじさん面白いこと言うね。この子が成長すれば確かに私も成長する、けど必然的に精神も成長しちゃって、私が出て来れなくなる。せっかく手に入れた体を手放すわけないでしょ』
ジライヤ「じゃが、お前自身では成長できないだろうの?」
『⁉︎……おじさんよく知ってるね。私の一族のことをここまで知ってるなって…おじさん何者?』
ジライヤ「ただの旅をしている仙人じゃ」
『ふーん。ま、どうでもいいや。おじさんとはもう会わないし』
ジライヤ「それはどうゆう意味かのー」
『そんなの、一つしかないでしょ‼︎』
そう言って名前は地を蹴った。向かってくる時の楽しそうな顔を見てあの女を思い出す。本当にあいつにそっくりだの。と昔の面影を思い出す。
戦いはそう長く続かなかった。
ジライヤ「うむうむ、動きも悪くないし、忍術の応用もできておる、誰にも教えられていないのに、そこまで自分のモノにできるとは、さすが一族の血を濃く受け継ぐだけあるのー」
『うるさい!離せ!お前、一体…』
ジライヤ「さっきも言ったはすだ、ただの仙人。昔、木の葉の伝説の三人と言われた仙人じゃよ」
わしの下で苦しそうにもがく名前が『そんなのずるい』と言うもんだから、わっはははと大きな声を出して笑う。意外と可愛げのあるやつだ。
ジライヤ「さて、本題に入ろう。力を少しあやつに分けてやってくれんかのー。この通りだ、頼む」
『絶対嫌。なんで私が自分の不利になる事をしなきゃいけないわけ』
ジライヤ「良い案だと思うがのー。ほれ、お前さんもまだわしに負ける未熟者…『うるさい‼︎』…話は最後まで聞けっての、そうゆうところもあいつにそっくりだのー。まー、わしより強いやつなんてごまんとおる、名前に力を分ければ、お前も成長することができ、自由に暮らせるぞ。ほれ、良い案じゃろ」
『……………』
暴れていた動きを止め、考えるそぶりを見せる。
それにしても、ちびっこの時は思わなかったが、本当にあやつによく似とる。
__________
その女は、それはそれは誰もが振り向くような美しい顔をしていた。整った顔立ちに、白髪の長い髪は絹のようにサラサラで高い位置で括られ、黒装飾の忍服から覗く血色の良い肌は色気が溢れる。
つくづく思う。口を閉じていれば良いのにと。
〝おう、自来也坊!相変わらずしょうもないことやってるなー。少しは大蛇丸や綱手を見習ったらどうだ?〟
〝俺だけ子供扱いするんじゃねーっての!俺はもう大人だし部下も持ってる!久しぶりに会っていい男に成長してるだろ!〟
〝そう張り合うところが子供だって言ってるんだよ。それに大人なら覗きの趣味やめろ。〟
〝覗きは男のロマンだ‼︎いつかお前のも…〟
〝私を覗き見するには100年早いな、それに生きていられると思うなよ?〟
あとこの、男まさりな性格も問題だ。
〝ゾワッ‼︎………恐ろしいやつだな…………それと、お前に聞きたいことがある〟
〝…なんだ改まって、らしくないな〟
〝一族の力についてだ…お前が戦ってるのを見た。あれはなんだ〟
〝フッ、悪い子だな。前戦にきてたなんて。…そうだなー、お前が私の隣で戦えるようになったら教えてやるよ。…自来也、好奇心もほどほどにな〟
だが、それが良かった。自分の強さを自慢せず、周りをよく見て行動するやつは、誰からも慕われ愛されていた。
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〝ハッ……ハッ、おい、今日俺はお前の隣で戦った…ハッ…そろそろお前の力について教えろっての〟
〝フフ、少し休んだらどうだ。たしかにそんな約束したな。まあ、ギリギリだったけどな、私が助けてなかったら死んでたぞ。フフ、まさかお前がここまで成長するとわ…それにいい機会か…お前にこれからの未来を頼もう〟
〝なんのことを言って…〟
〝長老に絶対言うなって言われてるんだけどしょうがない、誰にも言うなよ?あれは私たち一族の体質の力だ。私たちは優れた身体能力とは別にもう一つの人格を持っいて、その人格を制御して戦ってる。
〝だから戦っている時別人に見えたのか。だがあれは〟
〝そう、お前の言う通りだ。この人格は少し活気盛んでな、制御できれば凄まじい力を発揮できるが、少し気を抜けばその人格に飲み込まれ自身を失う。
とは言っても、先祖とは違い私もまだ70%しか出せていないがな。さ、これが一族の力の秘密だ。少しはお前の好奇心を満たせることはできたか?〟
〝あの力でまだ70%ってのか、お前にまだまだ伸び代があるのが恐ろしいわ。
〝ハハ、お前も随分肝が座ってるな、普通はあの戦い方を見て気味悪いと近寄らなくなるんだけどな〟
そう、この時には戦争はさらに悪化し、やつは今まで以上に前戦で戦っていた。そしてある噂が流れ始めた〝木の葉は悪魔を飼っている〟と、それがやつだと気づいたのは数ヶ月前のこと。初めて見た時は遠目だったからだろうか、その時見たわしは一瞬、一瞬だけ恐怖を感じてしまった。
多分こいつはそれを知っている。その時のことを思い出しているのだろうか、悲しげな顔で遠い方を見て笑っていた。確かにわしは怖気付いた。じゃがあれは一度きりだけだ。
〝フン、俺からしたら里のために命をはってるお前を怖がる理由が分からんての〟
〝…………〟
〝なんだ、俺に惚れたか?ニヤ〟
初めて見せた表情。いつもの余裕ある顔からは想像できない表情を見せたことに嬉しさが込み上げる。だが、それを見せないように慌てて余裕を繕い、決め台詞を吐き捨てニカッと歯を見せる。
それがあかんかった。
調子をこいた罰が直ぐに降りかかる。
〝……フッ、じゃあ、お前の目に私はどう写ってるんだ〟
ニッコリとこれまた普段見せる人の良さそうな笑顔ではなく、色気を帯びた微笑み。顔が熱くなるのがわかった。
〝っ⁉︎…お前、知っててそれを言うのはずるいっての〟
〝フフ、本当にお前はおかしなやつだ〟
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たくっ、余計なことまで思い出しちまったわい。
『この力を手にするのは私の許可も必要。けどあの子が私に負ければ、許可したとしてもあの子は2度と戻らない』
ジライヤ「知ってるっての。なに、大丈夫、あいつは強いよ」
ニカっと歯を見せて笑うと、不機嫌そうに顔を背けた。