中忍選抜試験
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
カカシ「無茶はするなよ」
奴らにお気に入りと言われても仕方ないかもしれないな。俺は名前に少し甘いところがあるようだ。
『フフフ、アハハハ。ナルトって面白いね』
カカシ「……」
ナルト「⁉︎、お、おう」
あらあら、顔を赤くしちゃって。名前の笑顔を見て茹でタコのようにみるみる顔を熱くさせる。青春だねーと思いながら、確かにそうなる気持ちもわかる。
彼女が声をあげて笑うことは珍しい。ナルトたちより会っている俺でさえあまり見ないのだ。なぜか得をした気分にさせてもらえた。
『火遁・蒼火球の術!!!』
名前の口から出された青い大きな炎が会場の半分ほどを埋め、炎の熱気で我にかえる。これほど大きな術を出すには相当のチャクラが必要になる…あまりの成長に驚き彼女の試合を食い入るように見た。元から飲み込みが早い子だと思っていたがここまでとは。
カカシ「………」
アスマ「オイオイ、あれほんとにお前のお気に入りの子か?」
カカシ「……だからそれやめてくれる。名前ね。けどまあ、お前んとこの任務見学させた子ではあるよ」
アスマ「まじかよ、見違えるじゃなくて、もはや別人だな」
一瞬遅れて彼に返事をする。俺ですらこうなっているのだ驚くのも無理はない。あんな術、見たのも初めてだ。隠れてサスケと練習していたのだろう。
彼女の戦闘スタイルはどちらかというとサポート型、情報収集力と野生の感から的確な指示をし、細かいところに手を加え戦術にまとまりが生まれる。しかし今の動きを見ると攻撃型と感じさせられ、その動きには一切無駄がなく今まで見てきた印象を変えた。
まさか1人で戦わせるとこうもいい動きをするとは…。もしかしたら1番中忍に近いのは名前 かもしれないな。
けど________
アスマ「成長ぶりには驚いたが…カブトが上がってくるな」
カカシ「そうだな」
ナルト「何言ってんだってばよ!まだわかんねーじゃねーか‼︎」
アスマ「たしかに強くなったが、経験の差が出たな」
サクラ「経験の差?でも、今は名前が押してるように見えるけど」
カカシ「たしかに名前は強くなった。相手のカブトにも引けを取らないくらい……けど、場数が違う。お前らが1番わかってるんじゃないか?波の国で経験しただろ」
ナルト.サクラ「……………」
カカシ「そうゆうことだ。あいつはまだ一度もその経験をしたことがない。それがもろに出てる。まっ、実戦あるのみだからこれはあいつにとっていい経験になったと思うよ」
動きはけして悪くない。けど、一撃一撃に重みがなく、それは実戦で使えるものではない。カブトは上から押さえつけ動きを封じ、彼女が動こうとすれば掴んだ腕を締め上げた。苦痛の表情を見せるが、なぜか名前は降参と口にしない。それを見ている審判も止めに入ることはない。
『ぅ……あ"ぁぁぁぁ』
カカシ「………」
苦痛の声に俺の指がピクリと動く。
『………………』
カブト「……………………」
ここからじゃあいつらの話し声は届かない。嫌な予感がして小刻みに指が動く。そして奴の口角が上がると。
ボキッ
『あ"ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ‼︎‼︎‼︎』
名前の叫びが会場に響いた。
サクラ「カブトさん⁉︎いくらなんでもやりすぎじゃ」
カカシ「あれで済んだだけでマシだよ」
聞いたことのない叫び声に俺は飛び出しそうになる体を押し殺した。今は審判の合図を待つことしかできない。カブトは苦しむ彼女の上からどき審判に声をかけていたので、迎えに行こうと壁から背を離した時、ナルトが叫んだ。
ナルト「名前‼︎そうだ行け!お前の力はこんなもんじゃねーだろ‼︎」
会場に響くナルトの声。
みんなの視線の先には、折れた腕を押さえながら、ゆっくりと立ち上がる名前の姿。しかし、ふらついていて立っているのが精一杯の様子だ。もう諦めてくれと、口が開きそうになったのを抑える。俺が言うべき言葉では決してない。
カブト「君も往生際が悪いな。これ以上は僕も手加減できない…君を殺す気で行くけど降参する気はない?」
『………………』
カブト「返事はなしか…」
そういうと一瞬で名前の背後をとった。しかし、意識がないのか彼女はピクリとも動かない。ナルトは叫びサクラは手で顔を覆い隠す。俺も押さえこんでいた気持ちが動きだし、手すりに手をかけ身を乗り出した。
それは一瞬の出来事だった。
ドカッ‼︎
カブト「ゴフッ⁉︎」
名前は上半身を倒し、下からカブトの顎を蹴り上げた。その衝撃でカブトは血を吐きながら高く飛ばされる。それだけでは終わらない。一瞬で空中にいるカブトの前に現れると踵落としで地面に叩きつけ、両手を足で踏み、動けないようにすると折れていない手でクナイを握った。
容赦のない怒涛の攻撃に会場が静まりかえる。
ガイ「素晴らしい体重だ……あの娘、なかなかやるではないか。カカシ、いい人材がいるじゃないか!」
アスマ「おいおいなんだよ、最初は手加減してたのか?お前も演技が上手くなったな」
カカシ「……いや…」
何が起こっているんだ。
彼女の戦いを初めて見た奴らからは称賛の声があがるが、俺やナルト達は驚きを隠せなかった。こんな荒々しい戦いは見たことがない。振り上げられたクナイがカブトの首めがけて落とされた_________
カカシ「名前、終わりだよ」
振り下ろされたクナイはカブトの首スレスレで止められた。
カブト「…ゴフッ……降参…だ」
横になったまま口から血を吐きそう言った。予選は名前の勝利で終わったが、彼女を知る人の中では不穏な空気が漂った。フラフラした足取りで階段の方へ向かう名前にも医療班が近づいた時、彼女は膝から崩れ落ちた。
カカシ「おっと……よく頑張ったな。…悪い、この子も俺が預かるよ。名前ちょっと動くぞ」
脇の下に手を差し込み転倒を防ぐと彼女は目だけ俺の方を見る。もう歩く力も顔を上げる力も残っていないのが支える腕から伝わってくる。俺は腕に力を入れると舜進の術で会場を後にした。
医務室につき彼女を診せると絶対安静だと言われたので彼女をベットに寝かせると、名前は俺から顔を背けた。俺は出入り口付近の壁に背を預け彼女が話してくれるのを待つ。
『…ごめんなさい』
カカシ「なに謝ってるの、別に悪いことはしてないでしょ」
『だって……なんでもない。寝ていいの?』
第二の試験と予選の疲れが溜まっていたのか、「終わったから問題ない」と言うと、ぐっすりと眠ってしまった。起こさない様に静かに医務室の扉を閉めた。
予選中の彼女の瞳を思い出す。
あれは、人を殺してきた奴の瞳。あんなものは名前じゃない、別の何かが彼女の中にはいる。火影様なら何か知っているかもしれないと、サスケの報告に彼女の案件もつけ加えることにした。
_________
____
カカシ「待て!!!!」
バリン!バリン!
鏡を割って病室から飛び出し、覗き込んだカカシに挨拶がわりにと暗部の面を外し顔を見せた。
カブト「……くっ」
予選時、名前からくらった顎の一撃が今だ尾を引いていた。医療忍術で治療したはずが治しきれていなかったようだ。再度、受けた部分に術を施す。
オロチマル「フフ、カブト。随分やられたじゃない」
突然背後に気配を感じ、面を剥がして微笑む。
カブト「いやー、隙をつかれましたね」
オロチマル「ほんとかしら」
カブト「………」
最初は名前の実力を確かめようと手を抜いていた。ある程度、実力も分かったし、彼女は勘が働く。これ以上の試合は無意味だし、ボロが出かねない。終わらせようとしたが、意識朦朧のなか彼女は立ち上がった。
面倒だ……そう思った。
大蛇丸様には悪いが、この程度なら殺しても文句は言われないだろうと背後に周りトドメを刺そうとした時、僕はゾッとした。戦意喪失のはずの彼女の瞳が僕を取らえていたから。
そこからは気づけば僕がやられていた。
たしかにボロボロの姿を見て緩んでいたかもしれないが、あの身のこなしはどこか違和感を覚えた。
カブト「で、僕はご期待通りの働きは見せれましたかね?」
オロチマル「十分よ……まったく……木の葉はサスケ君意外にもいい人材をよこしてくれるじゃない」
カブト「……あの子は一体何者なんですか」
オロチマル「あなたが知らないのも無理はないは、なんせ幻の一族ですからね」
カブト「幻の一族……」
オロチマル「まだ確証はないけど、多分あの一族に間違いないわ。少人数で構成され、記録を残すことを禁じられた一族。だから知らない人が多い……幻の一族といわれてるのよ。私もその一族と会ったのは2人だけで、会うまで知らなかったわ。
その一族の名は______________