出会い編
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『え、えっと……だ、大丈夫ですか?』
声をかけた瞬間、自分でも驚くほど喉が強張った。森の奥。木にもたれるように横たわっていた銀髪の男が、ゆっくりとこちらを見上げる。黒い布で口元を覆い、額には木ノ葉の額当て。忍装束のあちこちに血が滲んでいるというのに、その眼差しは不思議なほど穏やかだった。
「……ああ。ごめん、驚かせちゃったかな」
低く、落ち着いた声。
「こんな森の奥で人に会うとは思ってなくてね」
困ったように、目元だけで微笑む。
「少し動けなくてさ。もしよければ、手を貸してくれると、助かるんだけど」
……怪しい。
どう考えても、怪しすぎる。
「うん、怪しいよね。この格好で“悪いことはしない”なんて言っても、説得力ないし」
そう言って、彼は小さく肩をすくめるように息を吐いた。
「……って、そんなに驚かなくても。ほら、顔に出てる」
図星だった。
『す、すみません……』
思わず頭を下げると、男は一瞬だけ目を丸くし、それから柔らかく笑った。食料を確保し、帰路についたその時だった。いつもなら静かなこの森が、今日は妙に張りつめた空気を纏っていて―― 胸の奥に、言いようのない違和感が残っていた。その先にいたのが、この疲れた目をした銀髪の男。
……これが、彼との出会いだった。
『……血、ついてます』
近づいて、ようやく気づく。服だけじゃない。腕にも、足にも、はっきりと残る傷跡。やっぱり、怪しい。それでも、困っている人を見捨てることはできなかった。
「ああ、これ?大丈夫。俺のじゃないよ」
まるで些細なことのように、軽く言ってのける。
「少しチャクラを使いすぎただけ。……数日休めば動けると思う。もしよければ、このあたりに滞在させてもらえないかな?」
“俺のじゃない”。つまり、誰かと戦ったのは確かだ。助けるべきか。離れるべきか。ほんの一瞬、迷いが胸をよぎる。それでも私は地面に食料を置き、膝をついて彼のそばに座った。自分の袖を破って、即席の布を作り彼の腕に巻きつけた。その瞬間、男ははっきりと目を見開いた。
『ここも…それに、足も怪我してます…おじさん、嘘つくの下手ですね』
布越しに伝わる、体温。
思っていたより、ずっと温かい。
「はは。見抜かれてるねぇ…ありがとう。まさか、助けてもらえるとは思わなかったよ」
返事はできなかった。一瞬でも“見捨てる”という選択を考えてしまった自分が、胸の奥でちくりと痛んだから。
___この選択こそが、止まっていた私の時間が、静かに動き始めた瞬間だった。
もしかしたら…止めようとしても、止められなかったのかもしれない。
“最後の戦い”に必要なピースは、
この時すでに、揃ってしまっていたのだから。
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