中忍選抜試験編 前
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
_______________
『お前か』
自分の低い声に驚いた。
初めて感じた煮えたぎるような怒り。
腕の中で気絶するナルト、傷だらけでボロボロのサクラ、足から血を流し動揺を見せるサスケの姿を見て頭に血が昇る。女を睨むとそいつは舌なめずりしニヤリと笑った。
オロチマル「いいところだったのに、邪魔しないでもらえるかしら」
『許さない』
オロチマル「フフ、怒っている割には殺意も無ければ、攻撃も生ぬるいわね。よほど大切に育てられたのかしら、綺麗な子」
『うるさい‼︎……グッ‼︎』
サスケ「落ち着け‼︎」
『サスケその目…』
彼に助けられ顔を上げると赤い瞳と重なった。初めて見た、これがみんなの言う、ウチハ一族の写輪眼。こんな状況にもかかわらず、綺麗だと見惚れていたなんて言ったらどやされるに違いない。
落ち着いた私に彼は「あれをやる」と言った。その言葉に私は嬉しさを隠しきれず、彼には鼻で笑われた。だってしょうがないでしょ、あれはまだ未完成でこんなところで使う代物じゃない。けど、必ず成功すると確信めいたものがあって、それはきっと彼も同じ。
2人で呼吸を合わせ攻撃を開始した。
すると徐々に周りの音が消えていき、女の動きがスローモーションのように見えた。
うん、さっきよりよく見える。
相手の動きもよく見え、私の攻撃は一つ一つ確実に当たるようになってきた。不思議とサスケとやると、彼の目で見ているものが見えているような錯覚を起こし、2人分の視野を手に入れる。
サスケとの連携が決まり女も苦痛な表情を見せた。
『ハッ……ハッ……ハッ』
初めてここまでの集中力を使い徐々に呼吸が荒くなる。だけど、何故か今、この時間を楽しんでいる自分がいた。
終わりたくない、止まりたくない。私は必死で呼吸を続けた。
オロチマル「あなたは邪魔よ‼︎」
『しまっ…カハッ』
首を掴まれ、そのまま木に叩きつけられた。頭を強く打ったのか女の顔がぼやけ、はっきりと見えない。
オロチマル「ここで寝てなさい」
『ハッ……ハッ……ハッ…』
__________だめ、意識を手放しちゃ。
まだ何もしてない。
呼吸続けて……。
起き上がって、次の攻撃に備えて。
サスケの援護を。
みんなを守らなくちゃ。
私の視界は徐々に色をなくし、暗闇に飲み込まれた。
バタン‼︎
夢に出てきた扉が現れた。
……あれ、私何してたんだっけ。
この時、何故かさっきまで起こったことを全て忘れていた。
私が前に開けた扉からは赤黒いモヤのようなものが漏れ出ている。何か禍々しさを感じ、少しずつ後ずさると。
〝フフフフッ、変わって〟
陽気な私の声に似た声が聞こえた途端、扉がバタンと開き、モヤが勢いよく飛び出す。あまりにも大きなモヤに逃げ場などなく、私は飲み込まれた。
_______『フフフフ』
オロチマル「何かおかしいかし……ボキッ⁉︎
私の口は弧を描いていた_________