中忍選抜試験編 前
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目の前にある木を掴み飛ばされた勢いを止めた。しかし、吸着するほどのチャクラなどなく私はそのまま地面まで落下した。
バキバキバキ‼︎
『いててて………どうしよう』
なんとか受け身を取り地面に着地したが、よろめいて倒れる。飛ばされすぎたなと思ったのと同時に人の気配を感じ見上げると、砂隠れと雨隠れが向かい合っていて、今にも戦いが始まりそうな様子。
最悪な場所に飛ばされたようだ。
カンクロー「次から次へと…」
ガアラ「関係ない、目があった奴は皆殺しだ」
雨隠れ「小僧、相手は選んだ方がいいぜ。死ぬぜお前ら」
ガアラ「御託はいい、さっさと始めよう雨隠れのおじさん」
お互い睨み合い、いつ始まってもおかしくない状況に私は逃げる隙を伺った。
キバ「おい、そこのお前こっち来い!」
呼ばれた方を見ると見覚えのある木の葉の忍が目に入り、私は様子を見て素早く彼らの方に移動した。よく見るとシカマルが説明してくれたナルトの同期。
キバ「お前、ナルトんとこのやつだろ?突然現れやがって、何やってんだよ!」
ヒナタ「……だ、大丈夫?傷が…」
『あ、ありがとう。もう止まってるから大丈夫。ちょっと強敵と当たっちゃって飛ばされた……けど、こっちもやばそうだね』
袖で血を拭い、茂みの中から様子を伺うと激しい戦闘が繰り広げられていた。
逃げるなら今しかない。
キバ「あのチビあんな奴らに絡むなんて何考えてるんだ」
『違う。多分、強いのは砂隠れのほう』
私がそう言うと3人は不思議そうな顔をする。言葉で説明できるものじゃなく、体にひしひしと感じる、彼の強さと恐ろしさ。
先に動いたのは雨隠れ。男が仕込み傘を天に投げると、そこから出てきた無数の千本が砂の忍を襲い土埃が舞った。
なぜか分からないが胸騒ぎがする。
『逃げよう』
ヒナタ.シノ「「?」」
キバ「何言ってんだよ!こんな状況で……っ」
『こんな状況だから、今しかないの…ここをまっすぐ進めば数キロ先までは誰もいない。私が合図するから、絶対に振り向かずに走って』
彼らの目を見て訴える。何か言いたげな顔を見せたが彼らは頭を縦に振った。
ガアラ「千本の雨か…俺は血の雨を見せてやろう」
雨隠れ「くっ……動け…ない」
ガアラ「砂縛柩・砂瀑送葬‼︎」
土煙が消える。
千本は我愛羅に当たるどころか彼には傷一つなく、砂が雨隠れを拘束していた。彼が自身の手を握ると拘束している砂が大圧力で男を押しつぶし、肉も骨も粉みじんにすり潰され、飛び散った血が雨のように降った。
赤い_______ドクン
降ってくる血の雨がスルーモーションのように見えた。
『………今‼︎』
一瞬出遅れた。私は慌てて言葉を発すると、彼らが合図と同時に駆け出したことを確認した。
キバ「ははっ‼︎なんとか逃げきれたぜ。助かったよ、お前どーすんだ?向かう先は同じだし、俺たちと一緒に……ってあいつが来てねーじゃねーか‼︎」
言われた通りに振り向くことなく逃げた彼らはここへきて名前がいない事に気づいた。戻ろうとするキバをシノとヒナタは必死に抑え、言い聞かせると「くそっ‼︎」と言い放ち、怒りに木を殴りつけた。
____そのころ
カンクロー「あいつバカじゃん」
ガアラ「逃してやったのに、死ににきたか」
『もう勝負はついてる、これ以上無駄な戦いはしなくていいでしょ』
不思議と彼をほかっておくことができなかった私はその戦いに乱入した。背後で2人の雨隠れが砂に拘束され苦しんでいる。勝てる策なんてない、考えるより先に身体が動いていしまった。
ガアラ「そいつらはお前に関係ないやつだろ、なぜ守る」
『関係ないよ。けどあなたにこれ以上、人を殺させたくない』
ガアラ「俺にだと?」
『あなた気づいてる?人を殺めるときあなたはとても悲しそうな目をしてる』
ガアラ「訳のわからないことを……お前は初めて見た時から気に食わなかった。それが今わかった、お前のその目だ。そのお人好しそうな目が俺を苛立たせる。…俺に殺させたくないと言ったな、じゃあ守ってみろ」
そう言った瞬間、砂が私を襲う。
捕まればおしまい。さっきの光景が脳裏に浮かび四方八方と現れる砂から逃げ回ることしかできなかった。
横目で雨隠れを拘束する砂を見ると彼らはまだ無事だった。同時に砂を操るのは不可能なのかもしれない…….。
ガアラ「よそ見とは余裕だな」
『ガッ⁉︎………ハッ…ハッ…ハッ』
一瞬の隙をつかれ攻撃をくらい、両手でガードするも威力に負け私は飛ばされた。腕はズキズキと痛む、額の傷口も開き血が頬をつたう。肋骨も衝撃で折れたのか呼吸をするだけで痛みを感じた。
ガアラ「こんなものか…興醒めだな」
『っ⁉︎やめてぇぇぇえ‼︎』
彼が腕を上げたのが目に入り叫んだが、彼は手を閉じた。後ろで何かが潰される音とともに血の雨が私を赤く染めた。心を落ち着かせようとしても、蒸せかえる血の臭いに鼓動はどんどん速くなり呼吸も乱れる。
赤い………赤い……赤い……
『ハッ!ハッ!ハッ!ハッ!』
ガアラ「弱ければ死ぬ、次はお前だ」
赤い……血…赤……赤い
赤、赤、赤、赤、赤
『ッ‼︎……ハッ……ハッ…………』
バタンと扉が開く音が私の奥底で聞こえた後、意識が何かと入れ替わった様な感覚を覚えた。そこからのことはよく覚えていない。ただ無性にウキウキした楽しい気分になったのを覚えている。
『真っ赤だね〜〜』
私は一体どうしたのだろう。