中忍選抜試験編 後
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またいつもと同じあの扉。
違ったのは開かれた扉から溢れ出る禍々しい気配が落ち着いているということだ。少しすると5歳くらいだろうか、女の子がモヤの中から出てきた。よくみるとそれは幼い頃の私。
『しょうがないからあなたに力を分けてあげる』
『え、なんのこと…⁉︎あなたその瞳』
瞳が血のように不気味な赤。
『詳しい話は外のおじさんに聞けば良い。私は力を貸すだけ、使い方は自然とわかる』
『あなたは…ひゃっ⁉︎』
彼女が私の方へ指を向けた瞬間、モヤが私を襲った。振り払おうとするが、空を切る。抵抗もできずそのモヤは私の中へと入ってきた。
ドクン__________
バチツ‼︎
ジライヤ「ぬおっ⁉︎……どーやら上手くいったみたいだのー」
『これが…』
体の底から力が漲ってくる。
ジライヤ「ククク、驚くには、ちとまだ早いのー。それはまだほんのわずかな力にすぎない。お前さんはその力を上手く引き出せるようになる事と、使いこなさなければならないぞー。さて、第二ラウンドを始めようかの」
『はい!!…………ふへー』
急に力がフッと抜け、膝から崩れ落ちた。体に力が入らず、立ち上がることもできない代わりに…。
ジライヤ「おい!大丈夫か…………グーーーーー………わっははは!腹の虫が鳴いとるのー、まずは腹ごしらえからするかの」
________________
ジライヤ「まさかこんな弱点があったなんて、わしも知らなかった。あいつは最強で弱みなんて見せなかったからのー」
あれからすぐ私は街へ降りて、腹の虫をおさめるために食堂へ入った。普段あまり食べないのに、今日はどれだけ食べてもお腹は満たされず、現時点で大人3人前の量に突入だ。まだまだ入る余裕すらある。
あの力は相当なエネルギーを消費するようだ。
『もう1人の私がいて、私に力を貸すって、詳しい話は自来也さんに聞けと言われました。あれは、この力はどういったものなんですか?』
ジライヤ「そうだのー、どこから話せばいいか____
自来也はそう言って懐かしそうに話し始めた。
昔、一緒に戦っていた女性の話。
その女性が属する一族について。
一族の力について。
一族と木の葉の関係。
…と。まぁ、ざっくりにしか話せん。何しろ謎の多い一族だったし、あいつも全ては教えてくれなかった。だから今話したのは聞いた話と、わしがその後に調べたものだ。今も旅がてら捜索中だ、また分かったらお前さんに伝えよう」
『ありがとうございます』
ちょうど3人前を食べ終えた頃に彼の話は終わった。まだ入りそうだったけど、奢ってもらう身なので、そっと上げそうになった手を収めた。
ジライヤ「さて、そろそろお腹の虫はおさまったかの。ナルトの方の修行を見に行くか」
そう言って会計を済ませて立ち上がった彼に、聞き忘れていた事を思い出し「そう言えば…」と口を開いたのだが、目を逸らし渋い顔をする。
モゴモゴと言うか言わないか考えていたのだが、オッホンと軽く咳き込んだ後、真剣な顔をして口を開いた。
この術の名前、その言葉を聞き私は目を見開き__
『ダサい』