中忍選抜試験編 後
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戦いはそう長く続かなかった。
ジライヤ「うむうむ、動きも悪くないし、忍術の応用もできておる、誰にも教えられていないのに、そこまで自分のモノにできるとは、さすが一族の血を濃く受け継ぐだけあるのー」
『うるさい!離せ!お前、一体…』
ジライヤ「さっきも言ったはすだ、ただの仙人。昔、木の葉の伝説の三人と言われた仙人じゃよ」
わしの下で苦しそうにもがく名前が『そんなのずるい』と言うもんだから、わっはははと大きな声を出して笑う。意外と可愛げのあるやつだ。
ジライヤ「さて、本題に入ろう。力を少しあやつに分けてやってくれんかのー。この通りだ、頼む」
『絶対嫌。なんで私が自分の不利になる事をしなきゃいけないわけ』
ジライヤ「良い案だと思うがのー。ほれ、お前さんもまだわしに負ける未熟者…『うるさい‼︎』…話は最後まで聞けっての、そうゆうところもあいつにそっくりだのー。まー、わしより強いやつなんてごまんとおる、名前に力を分ければ、お前も成長することができ、自由に暮らせるぞ。ほれ、良い案じゃろ」
『……………』
暴れていた動きを止め、考えるそぶりを見せる。
それにしても、昔は思わなかったが、あやつによく似とる。
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その女は、それはそれは誰もが振り向くような美しい顔をしていた。整った顔立ちに、白髪の長い髪は絹のようにサラサラで高い位置で括られ、黒装飾の忍服から覗く血色の良い肌は色気が溢れる。
つくづく思う。口を閉じていれば良いのにと。
〝おう、自来也坊!相変わらずしょうもないことやってるなー。少しは大蛇丸や綱手を見習ったらどうだ?〟
〝俺だけ子供扱いするんじゃねーっての!俺はもう大人だし部下も持ってる!久しぶりに会っていい男に成長してるだろ!〟
〝そう張り合うところが子供だって言ってるんだよ。それに大人なら覗きの趣味やめろ。〟
〝覗きは男のロマンだ‼︎いつかお前のも…〟
〝私を覗き見するには100年早いな、それに生きていられると思うなよ?〟
あとこの、男まさりな性格も問題だ。
〝ゾワッ‼︎………恐ろしいやつだな…………それと、お前に聞きたいことがある〟
〝…なんだ改まって、らしくないな〟
〝一族の力についてだ…お前が戦ってるのを見た。あれはなんだ〟
〝フッ、悪い子だな。前戦にきてたなんて。…そうだなー、お前が私の隣で戦えるようになったら教えてやるよ。…自来也、好奇心もほどほどにな〟
だが、それが良かった。自分の強さを自慢せず、周りをよく見て行動するやつは、誰からも慕われ愛されていた。
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〝ハッ……ハッ、おい、今日俺はお前の隣で戦った…ハッ…そろそろお前の力について教えろっての〟
〝フフ、少し休んだらどうだ。たしかにそんな約束したな。まあ、ギリギリだったけどな、私が助けてなかったら死んでたぞ。フフ、まさかお前がここまで成長するとわ…それにいい機会か…お前にこれからの未来を頼もう〟
〝なんのことを言って…〟
〝長老に絶対言うなって言われてるんだけどしょうがない、誰にも言うなよ?あれは私たち一族の体質の力だ。私たちは優れた身体能力とは別にもう一つの人格を持っいて、その人格を制御して戦ってる。
〝だから戦っている時別人に見えたのか。だがあれは〟
〝そう、お前の言う通りだ。この人格は少し活気盛んでな、制御できれば凄まじい力を発揮できるが、少し気を抜けばその人格に飲み込まれ自身を失う。
とは言っても、先祖とは違い私もまだ70%しか出せていないがな。さ、これが一族の力の秘密だ。少しはお前の好奇心を満たせることはできたか?〟
〝あの力でまだ70%ってのか、お前にまだまだ伸び代があるのが恐ろしいわ。
〝ハハ、お前も随分肝が座ってるな、普通はあの戦い方を見て気味悪いと近寄らなくなるんだけどな〟
そう、この時には戦争はさらに悪化し、やつは今まで以上に前戦で戦っていた。そしてある噂が流れ始めた〝木の葉は悪魔を飼っている〟と、それがやつだと気づいたのは数ヶ月前のこと。初めて見た時は遠目だったからだろうか、その時見たわしは一瞬、一瞬だけ恐怖を感じてしまった。
多分こいつはそれを知っている。その時のことを思い出しているのだろうか、悲しげな顔で遠い方を見て笑っていた。確かにわしは怖気付いた。じゃがあれは一度きりだけだ。
〝フン、俺からしたら里のために命をはってるお前を怖がる理由が分からんての〟
〝…………〟
〝なんだ、俺に惚れたか?ニヤ〟
初めて見せた表情。いつもの余裕ある顔からは想像できない表情を見せたことに嬉しさが込み上げる。だが、それを見せないように慌てて余裕を繕い、決め台詞を吐き捨てニカッと歯を見せる。
それがあかんかった。
調子をこいた罰が直ぐに降りかかる。
〝……フッ、じゃあ、お前の目に私はどう写ってるんだ〟
ニッコリとこれまた普段見せる人の良さそうな笑顔ではなく、色気を帯びた微笑み。顔が熱くなるのがわかった。
〝っ⁉︎…お前、知っててそれを言うのはずるいっての〟
〝フフ、本当にお前はおかしなやつだ〟
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たくっ、余計なことまで思い出しちまったわい。