中忍選抜試験編 後
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『カカシ先生嫌い』
わりと凹んだな。
あの試験から調子の悪い名前。直球に聞いたら失敗。さて、どうしたら彼女の悩みを解決できるのか、そんなことを考えていると、あっという間にサスケとの修行場所にたどり着いた。
カカシ「はい、お待たせ〜」
サスケ「遅かったな」
カカシ「ま、野暮用でね。それと名前がお前によろしくだってさ」
サスケ「………他にはなんか言ってたか」
カカシ「?……それくらいだったけど、なんかあった?」
サスケ「いや、なんでもない」
なんでもないと言う言葉の割に、顔はそう言っていない。何か不満がありそうな表情。年頃の子は扱いが難しいものだ。
カカシ「そういやお前、名前の好きな食べ物とか知ってるか?」
サスケ「…知らねーが、よくサクラと団子屋で栗羊羹食ってるな」
カカシ「へー、栗羊羹ね。また渋いもの食べてるね〜」
サスケ「それがどうかしたのか?」
カカシ「いや、なんでもないよ」
サスケ「…?」
俺の質問にサスケは不思議そうに頭を傾げた。
今度戻った時、詫びに栗羊羹でも買って帰るか______
ジライヤ「ほれ、また一本、お前さんやる気あるんか?」
そう言うと彼女は不貞腐れたように頭を縦に振った。動きは悪くない、なんならこの年にしては動きはいい方。しかし、あと少し、あと少しのところで集中がプツリと消える。
ジライヤ「ちと休憩しようかの。がむしゃらにやっても意味がない。動きは悪くない、あの男、あれだけ過保護に何もさせずにいたのに、隠れて修行させたいたな。他にあいつから何を学んだ」
『?…忍術や体術は教えてもらってませんよ?全部ここで覚えました』
ジライヤ「⁉︎何も教わってないのか!」
『はい?』と頭を傾げた。
これには驚いた。これが本当なら、いや、本当なのだろうが、それは名前の飲み込みセンスの良さを意味する。そして、その成長を止めているのは。
ジライヤ「そうか、それは驚いたの……で、動きが鈍くなるのは、何かに囁かれ、自身が乗っ取られる感覚になら動けなくなると言ったところか」
『なんで⁉︎』
驚いた表情を見せる。
当たりか。〝あいつ〟の言っていた通りだな。たく、あのどうしようもない過保護野郎が、しっかりあいつから教わったことを教えたけっての。
ジライヤ「やはりか…そうゆうことなら…気にせず打ち込んでこい、飲み込まされそうになっても抗うな、そのまま戦い続けろ」
『ええ‼︎それは…』
ジライヤ「大丈夫だっての‼︎わしは強いからのー‼︎ほれ。そうと決まれば早速始めるぞ、ナルトのやつもそろそろ戻ってくるころだ」
そう言うと納得いかない顔をしながら立ち上がり構えた。優しい子だ、人を傷つけるのを恐れている。そして、組手を始めてから少し、あの傾向が現れたのは先ほどよりも少し早かった。
また、動きにセーブをかけようとした。
ジライヤ「身を任せろ‼︎」
『⁉︎…っ』
ドカッ‼︎
ジライヤ「くっ……出てきたか…この感じ懐かしいのおー、幻の一族の血。お前の歳でもゾワっとするわい。さて、お前さんは会話ができるか」
衝撃力が上がり、ガードするものの数メートル後退させられた。お目当てのものが現れたのでニヤリと笑うが、笑っていられるのも今のうちかもしれない。
『フフ、んー!久しぶりの外の世界、やっぱり気持ちいいね。おじさん出してくれてありがとう、ずーと抵抗するからなかなか出てこられなかったんだよね、今は〝あの女〟もいないし、もう少しは楽しめそうかな』
気持ちよさそうに伸びをする彼女の瞳は、綺麗な青い瞳ではなく、血のように真っ赤に染まっていた。
ジライヤ「会話ができると言うことは、強さを意味する。お前さん相当強いのー。ちとわしの話を聞いてくれんか?」
『当たり前じゃん、純血だもん。おじさんがどんな混合種と会ったか知らないけど比べないでね。それにこの子の潜在能力も高いから、さらに強いよ』
そう言いながら、側転したり、バク宙を見せるなど陽気なところをみせた。その姿は久しぶりの体を手に入れ、体を慣らしているように見える。逃げられないように気をつけておいた方がよさそうだ。
ジライヤ「そーか、そーか、純血なのか、それはいいことを聞いた。単刀直入じゃが、その力を名前に使わせてやってくれんか?そろそろあの子には力の使い方を学んでもらわないかん」
『…………はぁ?』ピリッ
不機嫌な声にゾワリと鳥肌が立つ。睨む彼女に気にせず言葉を続ける。
ジライヤ「お前にとっても悪い話じゃないだろ? 名前が成長すればお前自身も成長する」
『おじさん面白いこと言うね。この子が成長すれば確かに私も成長する、けど必然的に精神も成長してしまい、私が出て来れなくなる。せっかく手に入れた体を手放すわけないでしょ』
ジライヤ「じゃが、お前自身では成長できないだろうの?」
『⁉︎……おじさんよく知ってるね。私の一族のことをここまで知ってるなって…おじさん何者?』
ジライヤ「ただの旅をしている仙人じゃ」
『ふーん。ま、どうでもいいや。おじさんとはもう会わないし』
ジライヤ「それはどうゆう意味かのー」
『そんなの、一つしかないでしょ‼︎』
そう言って名前は地を蹴った。向かってくる時の楽しそうな顔を見てあの女を思い出す。
本当にあいつにそっくりだのー。