中忍選抜試験編 後
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『はっ!……やっ!…… 火遁・蒼火球の術‼︎』
あたり一面炎に包まれた。隠れている相手の姿を探す。
カカシ「相手見失っちゃダメでしょ」
『それはもう学習済みです』
カカシ「ほう」
攻撃に備え、地面に身を隠していた分身が背後からの攻撃を受け流そうとした時だった。
ズグン
〝変わってよ〟
カカシ「はい、お終い。せっかくいい線だと思ったのに目を閉じちゃダメでしょ」
コツンとおでこに痛みを感じ、ゆっくり目を開けると不思議そうに覗き込むカカシ。
カカシ「お前どーしたよ。あの時とは別人だな、対人怖くなった?……おっと急になんだよ」
デリカシーのない彼に、怒りのパンチを喰らわすが、簡単に止められた。それがまた妙にムカッときて私は背を向けた。
『カカシ先生嫌い』
カカシ「えぇぇぇぇえ、ちょ、名前? 名前ちゃん!悪かったって」
大声で叫ぶ彼を無視して私は地を蹴った。第3の試験が待ってるため不貞腐れてるほど暇ではないし、カカシ先生はこのあとサスケとの修行を控えてる。けれど、痛いところを突かれ、ついムキになってしまった。
カカシ先生の言う通り、私は対人になると思うように体が動かなくなっていた。理由はわからない。動き出すと誰かの囁き声が聞こえ、意識が引っ張られるような感覚になり、自由を失う_________
サクラ「本当最低ね!カカシ先生って、デリカシーなさすぎる、あれは絶対モテないわ」
『アハハハ、ありがとうサクラ。けど多分モテてると思う』
サクラ「えー、そうなの!!デリカシーないのに?変なツンツン頭で顔もほとんど出てないのに、あれのどこがいいのかしら」
『分からないけど、たまに女の人といるのは見るよ』
サクラ「うそでしょ!あの遅刻魔先生も好きな女性の前では意外としっかりしてるってことかしら」
『んー、どうだろ…』
実際好きな女性かどうかは分からない。だって一緒にいる人は複数人見るから。サクラにこのことを話したら、またヒートアップしそうだし、これは彼のプライベートの話し、ここで話す必要もない。
サクラ「そんなことより、修行はいいの?第3の試験までそんな日にちないでしょ?」
そう言ってサクラはお団子を口に運んだ。
飛び出したはいいものの、修行相手が他にいるわけでもなく、どうしようと悩んでいたところサクラと鉢合わせ、とりあえず団子屋へ行くことになり今に至る。
『本当に悩んでるところ。どうしよう』
ナルト「サクラちゃーーーーーーん‼︎」
遠くから明らかに挙動のおかしいナルトがこっちに向かって走ってきた。後ろを見るとナルトの背を見守る大きな男の姿が目に入り、姿を捉えた途端大きな声で名を呼んだ。
『自来也さん‼︎』
ジライヤ「むっ!お前さん、名前か?!」
長い白髪に油と書かれた鉢金に歌舞伎のような化粧をした大きな男性。相変わらず元気そうで、あまりにも変わらかい彼にフフと苦笑い。
ナルト「なんだ、名前。エロ仙人のこと知ってんのか?」
『うん、ここへくる前に数回ほど。私のおじさんと昔に仲が良かったみたいで、木の葉へ寄る時は足を運んでくれてたの。私に外の世界の話をいっぱいしてくれて、とてもお世話になった人だよ』
私の話を聞いたナルトは「へー」と目を細めて言った。絶対信じていない顔だ。一体、自来也さんは彼に何をしたんだろうか。
ナルト「こんなことしてる場合じゃないってばよ、サクラちゃん、ちょーっと話したいことがあるんだってばよ」
サクラ「なによ、ここで話せばいいじゃない」
ナルト「ここじゃちょっと…」
顔を赤くしてモジモジしだすナルトを見て、なにかを察っし、私は自来也さんと話すことがあるからと席を外した。
ジライヤ「久しいの、少し背が伸びたか?」
『そうですね、一年ほどですか?』
ジライヤ「……あいつはどうした」
『……ちょうど半年くらい前に、急用ができたと言って家を出て行ったきりです。こうゆうことはよくあって、早くて数時間、長くて1ヶ月ほどしたら帰ってきてたので、今回も気にはしてなかったんですけど…』
ジライヤ「…そうか……まー、昔からそうゆうところがあるやつだった。あいつの事だ、どっかで元気にしとるだろーよ!そんな落ち込んだ顔するな!わしが認めとる男の1人だ」
元気な声で安心させるように、わしゃわしゃと私の頭を強く撫でた。
ジライヤ「名前、額当てを見ると、忍になったと言う事か。よくあの過保護な男がお前に忍術教えたのー」
『いえ、忍を目指すことになったのはここへきてからですよ』
私そう言うと驚いた顔をしたあと「ほう」と一言だけ言うと、何か考えているよに目が細くなるった。首を傾げ様子を伺うと。
ジライヤ「これも、わしの運命というものか… 名前、お前も修行をわしとせんか?ちょうどナルトの修行が行き詰まってな」
私は大きく頭を縦に振った。